東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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『ゼノブレイド:DE』楽しい

モナド剣夢の翼

 長らく、主人公の使う攻撃スキルで
 「ドリーーームエェッジ!」
 と叫ぶのが、なんだそれは……と謎だったのでが、よくよく技名を確認したら、
 「ストリーームエェッジ!」
 でした(割と適当に読み飛ばすタイプ)。
 ……現在、顔の濃い人達が次々と出てきた辺り。
 発売前に公式サイトのキャラクター紹介を見ていて、メリアの性格や声が苦手だと若干辛い部分が出るかも……と一抹の不安があったのですが杞憂に終わり、やはり旅立ちから始まる少年の冒険物語には、ヒロイン的存在が躍動するとメリハリが増すな、とぐいぐい面白くなって参りました。
 そんなわけで最近のメインパーティは、〔シュルク-カルナ-メリア〕。重装シュルクが標的になって、背後から女性陣が殴りに行くパーティ。……ラインは、重い・頭悪い・男らしいが男くさい、というタイプにしては珍しく嫌いではないのですが(立ち上がりのスッキリした友人関係の描き方は巧かったところ)、絆が上限に達してしまった為に、後衛に回される事になりました。
 ライン(いわゆるタンク役)がヘイトを稼いで的になり、シュルクが背面特攻アーツで攻撃する黄金パターンが、バトルシステムの特性そのままなので基本安定なのですが、ライン不在による防御・体力の不安は、LV差で強行突破中。
 今作、敵味方のLV差が「攻撃の当たりやすさ」に直結しているので、5~10ぐらい離れると基本的に敵の攻撃が一切当たらなくなり、だいたい好き放題。その分、少しでもLVの高い敵を相手にすると、非常に苦労する事になりますが(肩書き付きのユニークエネミーだと、まず勝てない)。
 また、LV差が開くと野生動物から攻撃を仕掛けてこなくなるので背後から不意打ちかけ放題になるのが大きく、前回ちょっと書きましたが、領地を守っている系の獣人が棒立ち状態なのは少々間抜けな光景に。物語的に解釈するならば「実力差により敵に気配を捉えさせない」ぐらいに思っておけばいいのかもですが、ゲーム上の映像では、平和的な獣人のコロニーを無慈悲に蹂躙する蛮族ホムホムの姿に若干の躊躇が生まれなくもないものの、復讐の為には仕方ないですよね。
 そんなこんなで引き続き期待以上に楽しんでおりますが、広くお薦めできるかというと、少々微妙なところはあって、とにかく、「世界をあちこち歩き回る」事を楽しめないプレイヤーには、辛そうな作り。起伏のある地形や色とりどりの自然など「歩き回って楽しいフィールドデザイン」は意識されているのですが、スケール感を表現する為に“壮大なスケール”をそのまま持ち込んだという、正直ちょっと馬鹿っぽい力技で殴りに来る作りなので、そこはゲームの基本的な要素において好みの分かれざるを得ない部分になるかな、と。
 適度なデフォルメを施して目と手の届く範囲に世界を収めるのではなく、でかいものはでかすぎて両手の範囲を超えるのだ、という設計思想が全体を貫いており、いわゆるオープンワールドのアクションRPGだと、道中の過程そのものが「アクションゲームの一部」になりますが、その点に関しては基本、“見下ろし型RPGの設計思想”に基づいていて「移動」は「移動」なので、この「移動」そのものをゲームの表現としてどこまで許容できるか、に関してはプレイヤーを選ぶゲーム。
 かなり楽しくプレイしている私でも、「目的地までオートランで3分ほど放置」とか、少しやりすぎたのではと思うマップはありますし……ただそのハードルを越えられれば、そこに暮らす人々の姿を含めて異世界を表現する事へのこだわりと、世界を探索する面白さをどう見せるのか、という狙いはかなり巧く形になっていると思います。
 以下、ちょっとだけストーリーに触れますが(最序盤)……
 神剣モナドの表面に浮かぶ漢字一文字が「ゲーム的な翻訳」ではなく、劇中人物にもそのまま――恐らく文字ではあるが解読不能の記号――として認識されている事が、つまりそういう世界なんですよ、と早い内に示してくれているのは、好きな布石。
 この手のアイデアは台無し方面に転がっていく危険性も孕むので油断はできませんが、物語の今後も楽しみです。