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ガルザは見た

『魔進戦隊キラメイジャー』感想・第25話

◆エピソード25「可愛いあの巫女」◆ (監督:山口恭平 脚本:荒川稔久
 冒頭からクランチュラさんがスキップスキップらんらんるーをキめ、完全にスタッフの術中にはまっておりますが、なんだこの可愛い生き物?!
 「やけに浮かれているな、クランチュラ」
 「実はな、今までで、一番、自信作の邪面師が出来たんだよー! 能力は爆弾というシンプルなものだが、そこに――美学を持たせた」
 ここの言い回しが仕草含めて大変素晴らしく、思わず笑ってしまう格好良さ。
 「クランチュラ……つまらん事ばかりにかまけていると、今度こそヨドン様の逆鱗に触れるぞ」
 「……皇帝の、逆鱗」
 物語もそろそろ折り返し地点を過ぎ、長いこと保険のおじさん扱いだったヨドン皇帝にようやくそれ以外で言及され、勿論、この後の大きな布石となる事に。
 一方、宝路は充瑠と為朝を連れてお宝探しへと向かっており、4つの叶えまストーンを集めてクリスタリアを再興する、新たな願いをマブシーナに告げた事が語られる。
 「その時は……おまえが女王だ」
 「……支えて下さい。お兄様も」
 宝路は力強く頷き、当然想定された流れなので新展開合わせにしようと取っておいたのでしょうが、少し間を開けた事により、「私」を優先し、結果的に一度は「国」に背を向ける事になった宝路が、改めて「国」に向かい直す決意を固めるまでに多少の時間が必要だったのだろう、と心情の奥行きが増すことになりました。
 「この神社には、不死鳥伝説があるんだ!」
 手帳に記された発掘ポイントの目印は、充瑠が小学生の時によく訪れていた思い出の神社であり、充瑠に過去の記憶と、それを証明してくれる人物が居た事に、改めてホッとしました。
 3人は充瑠と旧知の神主から地域に伝わる不死鳥伝説について話を聞き、腰の前で両手を重ね合わせながら年長者の話に耳を傾けるタメくん、ほんとタメくん。
 「こんな田舎の目立たない神社に何度も来てくれた、熱烈なファン第2号だからな、充瑠くんは」
 「第2号? 俺の前に、誰か居たんですか?」
 「うん。誰も信じてはくれないが…………宇宙人だった」
 ……どう考えてもあの人、の情報を持ち出す会話の流れが実に上手く、更に一同がそこに思い当たる前に注意を引く、新たな人物の登場タイミングも絶妙。
 「僕は、大いなる力を感じて、ここに来たんだ」
 いつの間にやら、社殿の裏手にある射場に短髪の巫女が立っており、それを目にした為朝……一目惚れ?
 「僕、人間が大好きだ。沢山の人から、パワーを貰いたいんだ」
 斜めに首をかしげたどこか不安定さを感じさせる仕草で、無表情かつ淡々と喋る謎の巫女に、熱烈に迫る為朝は巫女アイドルデビューしちゃおうか、と事務所を紹介しようとし、そういう方面のコネクションは山ほど持っていそうなので、本気度がちょっと怖い(笑)
 「ちょちょちょちょちょちょ、タメくん。どうしたの急に?! もしかして、ボクっこ巫女さんが、どストライク?!」
 「んな軽薄なんじゃねぇよ!」
 「ビビッと来たんだろ? うん、わかるわかる。一目あったその日から、恋の花咲く事もある」
 充瑠に引きはがされた為朝に、宝路はにこやかに語りかけ、これが、昭和の男だ(笑)
 荒川さんの筆にかかると宝路の昭和度がワンダーライジングするのですが、裏を返すとやはり、下さんや金子さんには使いにくい設定になっていそうなのはのは窺えます。
 そこにヨドン反応の連絡が入り、宝探しを中断して神社を走り去る3人だが、奇妙な叫び声のようなものを聞いた気がした為朝が振り返ると、謎の巫女は姿を消しており……ワンダーミステリー。
 街では、人間をピンに見立てた邪面師が、地獄ボウリングの真っ最中。
 「ちっ! 7人じゃ駄目だ。10人倒れなきゃ爆発は無し!」
 「……はぁ。なんだそれは」
 「スペアも無し! 一度に10人倒してこそストライク! そこでドカーンが、俺の美学だ」
 爆発の条件にこだわる邪面師に物陰でガルザは呆れかえり、友達の自信作が気になって仕方ありませんでしたが、これで心おきなく、罵倒レビューで星一つ付けられます。
 「俺は美しくなきチャレンジャー。人呼んで、爽やかバクダンじゃめーん!」
 集合したキラメイジャーに対して、邪面師が両手を上げてポーズを取ると背後で爆発が巻き起こり、第10話以来となる山口監督が、戻ってきた早々、実に楽しそう。
 邪面師が次々と投げ込む爆弾ボールをかわしながら戦闘員を蹴散らすキラメイジャーだが、本気の一投・ヨドンダイナマイトミラクルネビュラハリケーンスローが炸裂し、複雑な変化をした爆弾ボールはキラメイジャーを薙ぎ倒す!
 「ほぅ……」
 「ストライーク! 爆発いただきー!」
 …………………………
 「爆発……しないけど?!」
 そもそもキラメイジャーは6人なので、どんなに頑張ってもストライクが成立しない事が判明し、史上空前のお馬鹿ぶりを見せた爆弾邪面は、霧を吐いて一時撤収。
 尋常ならざる張り切りようを見せる為朝は、宝路と充瑠を引きずるようにお宝探しに戻り、捜索中にまたもいきなり現れる謎の巫女。大興奮の為朝は宝路を押しのけて巫女さんに走りより、怒りをぶつけようとした宝路はどんぴしゃでお宝を発見し、部外者の存在お構いなしでドリルを召喚すると地面を掘り始め、普段より3割増しぐらいテンション高めでお送りいたします。
 挙動不審の為朝が巫女さんをチラチラと窺う中、ワンダービンゴで第三の叶えまストーンがあっさりと発見され、喜びの歓声をあげる充瑠たちのテンションがビックリするほど高いのですが、この後で判明する叶えまストーン・エネルギア(強力化)の作用で、マジカルな粉薬のキめすぎみたいな事になっているのか、山口監督の中ではキラメイメンバーのテンションはこのぐらいが仕様なのか、なにぶん監督の間が開いたので、ちょっと悩ましいところ。
 巫女さんと一緒にもう一つのお宝地点に向かう道すがら、地中に埋まっている内に、エネルギアのパワーが周辺に蓄積され、不死鳥伝説はそれが原因で生まれたのでは、と博多南が推測し、同行している一般人に会話が全て筒抜けなのですが、それでいいのか(笑)
 正直、いくら隠さない路線とはいえ、一般市民を宝探しにそのまま同行させているのはやや不自然なのですが(まあ、どうせこの巫女さんはどこからともなく現れるので、その過程を省略したともいえますが)、いざとなったら 口封じ 「穏便な話し合い」が行われる予定で持つべきものは大富豪の身内です。
 「嬉しい……。人間は願いがかなったら、笑うんだ」
 「……変わってるな君は。でも嫌いじゃなぁい!」
 3人の喜びように首をひねる巫女とお近づきになりたい為朝は、無表情で首をかしげる巫女に、「嬉しい」を懸命に説明。
 「嬉しいって、こうなればいいなぁと思った事が実現して、満足な気持ちだよ」
 「……なるほど。そういう時に笑うのか。覚えておく」
 「最っ高にクールだね君って」
 恋愛シミュレーションなら三択の貴公子と呼ばれているのにっ?! と、現実はなかなか上手く攻略できないeスポーツチャンプだが、気合の漲る一行は、第二のポイントに到着。さすがに二回連続の大当たりとはいかず、忘れた頃のモンストーンが掘り出されて戦闘になり、思わぬパワーに苦戦した銀は、なんと取り落とした叶えまストーンを取り込まれてしまう大失態。
 「……この場所で、決まり」
 ドリルを召喚するギンギラギンの男、地中から掘り出される石の怪物、その怪物の巨大化、それに対抗して重機と合体する銀色の男……これら一連の光景に全く動ぜず平板な視線で見つめていた巫女は、やおら足下の土をこね始めるとキラメイサーチャーのコピーを作り出し、それを使ってクランチュラへと通信。
 「君はいったい?!」
 困惑する為朝が肩にかけた手を振り払うと膝蹴りを叩き込み、不穏な雰囲気を醸し出す不安定な斜めの姿勢やカット割りで暗示されていた本性の一端を垣間見せる謎の巫女。
 「僕に気安く、近付くな」
 クランチュラと通信を繋げた巫女は、爆弾邪面の作戦をグレードアップしてやる、と宣言。
 「とっととバクダン邪面の居場所を、教えな」
 「偉そうな口を聞くなぁ! ポッと出の新入りの癖にぃ!」
 「僕が誰だか、わかってるよねぇ……? 僕の命令は、ヨドン皇帝の命令だ、ボケぇ!」
 瞳を紫に輝かせた巫女は反抗的な態度のクランチュラに遠隔お仕置きビームを放つと、情報を聞き出して瞬間転移。性格が違う感じなものの、沼女妹さん人間体? にちょっと期待していたのですが、ここでそれは無さそうな感じに。
 「バクダン邪面、控えろ」
 緑青桃と戦闘中だった爆弾邪面の元に巫女が姿を現し、自由極まりない邪面師が即座に命令に従って膝を付くのが、力関係をすぱっとわかりやすく見せて、いい絵でした。
 「可愛い顔して蹴飛ばしやがって、おまえなにもんだ?!」
 「――見てれば?」
 充瑠と為朝が合流し、為朝の詰問に対し、キラメイサーチャーをコピーして作り出したヨドンチェンジャーを構える巫女。
 「ヨドンチェンジ」
 てっきり、中村悠一声を入れてプレミアムバンダイで売り出す為の一発ネタだとばかり思っていた(心の歪んだ物の見方)ヨドンチェンジャーが再び用いられ、謎の巫女は、真っ青な軍服風衣装を身に纏った銀髪の姿へと、変貌する。
 「僕はヨドンナ。ヨドン皇帝直属の、秘書官だよ」
 つまり、保険の書類をファイリングするお仕事……!
 はさておき、チェンジに際して被り物になるのかと思いきや、頭飾りと化粧のみで、まさかの顔出し女性幹部が投入され……『特命戦隊ゴーバスターズ』(2012)のエスケイプ以来……?(キャンデリラ人間体はカウント外)
 これまでにない方向性を模索した結果か、中性的でサディスティックな小悪魔、といった風貌は男装の麗人というか一人称もあっていっそ女装めいてさえいる実に妖しげなキャラクターとなり、ヨドミヒメに続いてどことなく地下アイドル(?)路線なのは、スタッフのどなたかの趣味が反映されているのでしょーか。
 「ヨドン、皇帝?」
 「ヨドンヘイムの支配者。絶対的存在。ついにその方が、動き出そうとしてるんだよ」
 もう、来る日も来る日も保険の申請書類にハンコを押すのは、飽き飽きだ!
 「何かあるとは思ったが……あんな小娘がヨドン様に近い存在だったとは」
 ……ガルザ、デザインと声の格好良さに積み重ねの妙味が加わって、一話丸々、物陰から様子を窺ってはブツブツ言っているだけなのに面白くて凄い(笑)
 「今までの戦いは、ほんのお遊び。真の恐怖におののくのは、ここからだよ。人間ども」
 「てめぇ……人間が好きとかほざきやがって。あれはなんだったんだ?!」
 「好きだよ。恐怖に打ちのめされ、ぼくらに闇エナジーを与えてくれるんだもん。人間ども、だーいすき」
 正体を現したヨドンナは、人間をエナジードリンクとして好き、とその嗜虐的な本性を剥き出しにし、舌を大きく出した凶悪な表情をアップで見せつけてくるのですが……両肩から突き出したカラス?の意匠が、豆を咥えたハトに見えてしまうのは、私だけでしょうか……?!
 そんなわけでどうもいまいち、邪悪を感じきれずにいるヨドンナですが、激高して殴りかかってきた黄を近接格闘で一蹴すると、鞭の一振りで戦闘員を強化し、斬っても撃っても何度でも立ち上がってくる、不屈のヨドンガッツに覚醒した戦闘員に、キラメイジャーは大苦戦。
 「おい無量、これちゃんと整備してんのか?!」
 一方、存在を忘れられかけていたドリ巨神は、とうとう、他人に責任を押しつけていた。
 これまで、スピードタイプには相性が悪いぜ! と主張していたのですが、とうとう同じパワータイプに正面から力負けしてしまい、不憫……。
 「倒しても倒してもキリが無い! どうすればいいんだ?!」
 5人はまとめてビルから投げ落とされ、1エピソード通してかつてなく何もしていない爆弾邪面が、ヨドンナの背後で何故か偉そう(笑)
 ヨドンナは地球にあるエネルギーの溜まり場を調査していた事を明かし、闇エナジーから作り出した爆弾による大規模な同時爆破を行う事でヨドンヘイムと地球を繋ぐ巨大なワープトンネルを開通させ、邪面獣を一気に送り込もう、というその作戦を余裕たっぷりに語る。
 「これが……ヨドン皇帝が動き出したって事?」
 新幹部登場の急展開、戦闘員にいいように苦戦するキラメイジャー絶体絶命のまま、つづく。
 およそ4ヶ月ぶりとなる、山口×荒川のパイロット版コンビで遂にヨドン軍に新幹部が登場! ここで顔出しの女性幹部は全く予想外の投入でしたが、半年に渡って楽しい侵略活動の続いていたガルザ-クランチュラ体制に投じられる波乱の一石に十分なインパクト。
 最初、傲慢な物言いからヨドンのプリンセス? かと思ったら「秘書官」というのは微妙な立ち位置に感じましたが、プリンセスにして秘書官、という可能性も無くはないでしょうか。
 叱る人不在だった侵略組織に上官登場で殺伐さが増しそうな気配が漂いますが、どんな化学反応を起こす事になるか、楽しみです。
 作品の構造としては、巨大戦をドリ巨神に振る事で、キラメイジャー大ピンチの空気を維持したまま次回へ繋げられたのは、鮮やか。
 一方、為朝の奇行の数々を「一目惚れ(?)」で強行突破し、謎の巫女を宝探しに同行させる理由付けにしてしまうのは強引さが否めませんでしたが、多少の荒っぽさを作品のパワーで押し切れる土台とスタイルが出来上がっており、ここまでの積み重ね、台詞や見せ方の妙味により、「○○が○○しているだけで面白い」――
 ・“邪面師が爆発を背負っているだけで面白い”
 ・“クランチュラがスキップしているだけで面白い”
 ・“ガルザが覗き見しているだけで面白い”
 が成立しているのが、圧倒的強み。
 宝探し組がやたらテンション高めだったので、為朝の奇行については一目惚れ以外の要因があったと補強される可能性があるかもしれず、そこは次回を待とうと思います。
 ……とか言いつつ、台詞起こしの為に二周目を見ていたら、一目惚れは一目惚れでありか……みたいな気分になってきたのですが、それならそれで、「階段を滑り落ちた乳母車を助けようと同時に手を伸ばす!」とか、もっとベタな出会いでも良かったかなとか(笑)
 惚れた腫れたは理屈を越え、理由付けとしては何でもありの飛び道具になってしまうので、今回限りのギミックにされるとズルさが前面に出てしまう為、折角の絡み、出来れば今後の展開にも活かしてほしいところです。
 とはいえ、ヨドン軍の幹部ともなるとラブコメの成立はなかなか難しそうですが……顔出し女性幹部という、ここまでのヨドン軍や近年の戦隊シリーズとの方向性の違いを考えると、地球人が取り憑かれている、という可能性もゼロではなさそうでしょうか。そうすると前回が伏線として機能しますし、わざわざ「ヨドンチェンジ」しているのも、怪しいといえば怪しい。
 仮にそうだった場合は、今回派手に空転した為朝にいずれ超格好いい見せ場が回ってくる事が約束されますが、期待しすぎない程度に期待しておきたいと思います。
 キラメイ音楽祭は充瑠のターンで…………大変、若者らしい伸びやかな歌声でした。主人公なので素材に事欠かないというのはありますが、歌に合わせた名場面集が大変凝った作りで、1話限りにするには勿体ないぐらいの出来。……ところで、音楽祭のタイトル画面にしれっと博多南さんの顔も見えますが……歌うの?
 新たな疑問が急浮上する中、次回――不死鳥伝説は宇宙人の到来を告げていたんだよ! つまり、セントパ(以下略)。

9/28付けレス

 本日は『キラメイジャー』感想を書きました。波が来たので、今週中に追いつきたい気持ち。

かくれんじゃにんじゃにんじゃ

◆つるさん
 >お久しぶりです、いつも感想楽しく読ませていただいてます
お久しぶりです。ありがとうございます。
 >実はカクレンジャー終盤の展開が結構拾われていまして…一部、単エピソードとしての完成度よりも原典とのリンクを優先した言葉選びがあるように感じました
ああ、原典要素との関連があったのですね。終章入ってからあまりに激動の展開で、今作のそういった性質を見ていて忘れているところがありました……。
 >カクレンジャー最終回も坂本太郎監督による演出だったので、少し視聴済み側の視点に寄りすぎてしまったのかもしれませんね
“わかる”事で面白い回も当然多かったので、なかなか今作の、難しいところですね。

◆あきさん
 >第一印象の悪いスーパー戦隊、という取り合わせが気に入っていて好きな台詞です。
なかなか使えないですよね……(笑)
 >ドモンが海賊たちにチャンスを与える前の歴史では、この目論見が成功していたことになるんですよね。
時間移動ネタは深く考え出すと色々ややこしいですが、ニンジャマンが木っ葉微塵になっていたり、結構、大胆な仕掛けを通しましたよね……。
 >ドモンは恐らく1000年後の未来からゴーカイジャーの辿った運命を気の毒に思ってチャンスを与えた結果、知らぬ間に自分の息子も救うことになったのかなと。
海賊達の旅路がドモンの心を動かし、結果として色々なものを救った、と思うと、終盤に持ってきた事で説得力が増して、綺麗に繋がりましたね。
 >ハカセと鎧がわかりやすいという以上にマベジョールカだと違いがわかりにくすぎるのを危惧されたようです(汗)。
マベジョーが取っ組み合いも、本編では目新しいシーンになりますが、アイム加入前の回想でやってしまってはいますしね……。
 >有終の美とはいかないもののまあよくここまでハイアベレージで走り続けてこられたな、と。
レジェンド回の接続の仕方も見事でしたし、単発的なエピソードで、基礎技術の高さを見せつけてきたのは、本当に素晴らしかったですね。
 >当初はレンジャーキーになれば良いのでは?と言われていたのをこの時点でキーになってもと香村さんが腑に落ちず、このような形にしたそうです。
そのままの状態で活動していても問題なくなりますし、落としどころとしては非常に納得のいく形でした。
 >仰るとおり振り返ってみて作品としてはかなり香村さんに助けられましたね。
これだけ色々とこなして、アイデアのみならずにキャラやテーマの掘り下げまでやってくれるのだから、得がたい人材ですよねー。その後のメインとしての活躍にも繋がり、今作における香村さんの抜擢は実に慧眼であったなと。

君は誰とキスをする

『魔進戦隊キラメイジャー』感想・第24話

◆エピソード24「バンドしちゃうぞ!」◆ (監督:竹本昇 脚本:井上テテ)
 「我ながら最低な演奏!」
 クランチュラの奏でるバイオリンが、スピーカー邪面によって増幅されると破壊音波として地球に鳴り響き、本日も大変楽しそうな侵略活動で何よりです。
 ……なんかもうすっかり、クランチュラさんが楽しそうだと見ていて楽しいのポジションに君臨(笑)
 強烈な音波攻撃に苦戦するキラメイジャーは、跳弾でダメージを与えると青が伸ばした剣でアンテナを切り裂いて邪面師を撤収に追い込むが、スピーカー邪面の活動による被害で、小夜のバンド仲間が怪我をしてしまう。入院中の少年・幸也を勇気づける為に、少年の作った曲をバンドで演奏しようと考えていた小夜は落胆し、その姿に「バンドやろうよ!」と言い出す充瑠。
 メンバーによるバンド演奏ありきの企画回なので、多少の無茶には目を瞑る回ですが、何が一番無茶って、冒頭、文化祭でギターやる事になった、とギター背負って出勤してくる充瑠、だと思います!(笑)
 まあ、柿原さん辺りに強引に誘われたのかもしれませんが、充瑠、君は、バンドとかクラブとかJ-POPとかに触れると、溶けて灰になる側の人種だと信じていたのに……。
 メンバー各員の音楽スキルが確認され、
 「為朝はどんな楽器だって出来るぞぃ」
 「おぉぉい! そんなわけねぇだろ!」
 爺バカへのツッコミから、
 「……まあ歌なら自信あるけどなー」
 と、さらっと言ってのけるタメくん、実にタメくん。
 5人はさっそく、ドラム担当の小夜の指導の下、ボーカル:為朝・ギター:充瑠・ベース:時雨・キーボード:瀬奈、の分担で練習を開始し……作風から考えると意識的にやっているのでしょうが、「練習(指導)」といった要素が入ると、突然、昭和スポ根時空に呑み込まれるのが約束事になりつつあるのは、描き方が少々気になる部分。
 昭和スポ根時空は昭和スポ根時空で、それが貫かれていれば一つの面白さでありますが、現代的価値観の中に昭和スポ根時空をねじ込んだ上で、明らかに無茶なスパルタを「音楽の醍醐味は楽しむ事よ」「楽しかったから疲れなんか感じなかったよ」と綺麗な話にすり替えてしまうのは、筋のよろしくない誤魔化しになっていて引っかかる部分です。
 7-8話の際は、無茶はやっぱり無茶でした、と反省させていたのですが、絵の指導を始めると性格の悪くなる充瑠とかも合わせて、悪い形で引きずってしまっている印象。
 一方、切られたアンテナ修復の為に闇エナジーを必要とするスピーカー邪面は幸也に近付き、夜、ベンチで寂しげにギターを弾く少年の横に突然のスピーカー邪面!
 「冴えない顔してんな~」
 は実にいい絵でした(笑)
 音楽系(ジャンルがあったのか……)の邪面師は人間に取り憑いたり取り込んだりが出来、手術に脅え、好きな音楽にも素直に向き合えない幸也の恐怖から闇エナジーを入手してスピーカー邪面は復活。
 「俺の邪メンタルを乗せて弾けば、より強力なサウンドになる!」
 クランチュラに代わってガルザがギターをかき鳴らし、芝居といい音楽といい、芸能関係になるとテンションの上がるガルザさん、いかに実家でストレスに苛まれる生活をしていたのか、それは国の一つも滅ぼしてみたくなるものです。
 また、キラメイジャー側が“楽しい音楽”を主張しているのに対し、ヨドン側が“楽しくない音楽”を主張するのではなく、結果的に“人を苦しめる音楽”ではあるものの、“苦しむのが楽しい”以上に“楽しみながら苦しめている”というのが非常に今作のスタイル、ヨドン軍の特徴が出ているところ。
 「さあ、俺の音を聞けぇ!」
 過激にファイヤー! と突撃ラブハートされたスピーカー邪面の攻撃により、ほのぼの企画回だとばかり思って油断していたら、次々とビルが吹き飛ぶ大惨事。
 闇エナジーの供給元として幸也少年がスピーカー邪面の体内に取り込まれ、攻撃できないキラメイジャーだが、邪面師のアンテナに別の音波を送り込む為の装置を、博多南が完成させる。桃は一計をひらめクイーンし、銀にその場を任せたキラメイジャーは、練習していたバンド演奏により、地球の科学でスピーカージャック!
 タメくーーーん!
 小夜と為朝に関しては役者さんご本人スキルが関係した配置なのかと思われますが(そうでもないと小夜をドラムに配置しない気がしますし)、基本、為朝びいきの傾向がある井上テテ脚本回で、ボーカルの為朝が美味しいところを持っていきまくって何らかの陰謀を感じずにはいられません(笑) ……順序的には、為朝ボーカルの企画回なので井上さんに振られたのかもですが、一切の照れなしで歌って踊るタメくんが格好良すぎて、目眩がしてきます。
 「僕の作った音楽が……みんなを笑顔に?」
 その歌は、騒音に苦しんでいた人々、そして邪面師の中の幸也の心に届き、音楽の素晴らしさを見つめ直して自ら立ち上がった少年が、闇の中を抜け出したところをシルバーがキャッチ。
 「よく戻ってきた! ワンダーグレートだ!」
 目と目が合った瞬間に女帝から戦力外通告を受け、前回に続いて賑やかし担当だった昭和の男ですが、自分の足で一歩を踏み出した少年を外の世界で迎え入れ受け止める姿がまさにヒーロー! で、大変格好良い見せ場でした。
 邪面師をさくっとワンダーデストロイ後、少年とグータッチを交わすのも素晴らしく、こういったバランスへの配慮は嬉しいポイント。
 「ローディーとして、こいつも俺がやってやる!」
 送り込まれたジュークボックス怪獣に対し、その勢いでギガントドリれる?! と思ったのも一瞬、即座にキラメイジンが登場すると、怪獣のCD射出攻撃の早さについていけないまま蜂の巣にされてリタイアし、巨大化後は段々、不憫枠になってきました……。
 「なに? ジュークボックスって?」
 充瑠の衝撃発言後、ザビューンはキラメイ武装にもなるぞ、と半分で割って両手に持ち、その間、頭上を旋回しているジェッタ&アニキ……。
 サメマグナムで痛め付けた後、サメスピアーで土手っ腹に風穴を開け、ザビューンのプレイバリューを紹介しつつ、久々な気がするキラメイジン活躍は良かったです。基本的に、ロボットとしては好き。
 幸也少年は手術を受ける前向きな気持ちを手に入れ、ホッと安心した小夜は、疲れが出て爆睡。徹夜で特訓していた他のメンバーも同じく爆睡、でつづく。
 次回――とうとう、タメくんの足下に口を開く落とし穴?!