東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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アマゾン怒りの鉄拳

仮面ライダーアマゾン』感想・第11-12話

◆第11話「金色のカタツムリは死神の使い?!」◆ (監督:山田稔 脚本:鈴木生朗)
 「アマゾンを殺せ! ギギの腕輪を、奪うのだ! そして、世界はゲドンが、支配するのだ!!」
 開幕から十面鬼が絶叫し、おのおの顔芸に励む十面鬼ボディ。
 サブタイトルを挟んで、造形の大変気持ち悪い巨大な獣人カタツムリに追われるマサヒコの暗示的悪夢が2分近くにわたって続き、前回冒頭のネコ獣人バトル同様、微妙に漂う尺稼ぎの気配。
 集めたカタツムリを自慢しようと(小学生男子!)学校に持っていくマサヒコは、いじめっ子の少年コンビにそれを奪われてしまうが、木製バットを構えるいじめっ子に対してアマゾンの構えで戦闘意欲を見せ、小柄ながらも理不尽に立ち向かおうとするマサヒコの姿が、アマゾンとの出会いで培われたヒーローの魂の伝達を示して、印象的。
 直後、予鈴が鳴ったのでカタツムリをさっくり諦めて教室に向かうのが妙に微笑ましくなりましたが、貴様らに本当の弱肉強食を教えてやろう、といじめっ子たちの前に降り立つ黒い影。
 今回もリアル不審者の自覚なき大介が軽々とバットをへし折ると、いじめっコンビはカタツムリを放り投げて逃げ去り、暴力は所詮、より大きな暴力の前に屈するのだ。
 学校のルールを知らぬ大介は、野生のルールに基づいて、回収した戦利品をマサヒコに届けようとするが、授業中のマサヒコからは邪険に追い払われ、廊下をとぼとぼと歩く大介の背に、切ないアレンジの主題歌インストがかかるのが、妙に面白い場面に(笑)
 さすがのマサヒコも、学校というコミュニティではアマゾンを無条件に受け入れられず、河川敷で草笛を吹き鳴らす大介には、学校がわからぬ。
 その心の隙間に忍び込もうとする立花藤兵衛!!
 更に割って入るモグラ獣人!!
 これが全盛期の藤兵衛だったら、「マサヒコ、オレのこと、きらい。オレ、レーサーに、なる」と藤兵衛ルートが一瞬で解放されてしまうところでしたが、モグラ獣人はゲドンがマサヒコを狙っているとの急報をもたらし、マサヒコのヒロイン力が藤兵衛をねじ伏せた!
 十面鬼の放った刺客・獣人カタツムリが子供達を泡地獄で捕らえたところにアマゾンはジャングラーで駆けつけ、カタツムリ甲羅アタックを……頭突きで平然とキャッチ(笑)
 そのままバイクで走り出したアマゾンは、カタツムリを投げ捨て、轢き、池の中に吹っ飛ばすと無数の泡が水面を覆い……小型化して従者に運ばれるのが絶妙に間抜けで不安を覚えた獣人カタツムリ、あっさり敗退。
 だが、大介がマサヒコらの元へ戻ると子供達はゲドン従者にさらわれており、大介はそれを追跡。爆弾を投げつけられるがモグラの助けで地中に隠れ、特殊移動によるステルス能力とカバーリング能力を持ち、ゲドンのやり口を熟知しているモグラ密偵としてだいぶ有能。
 ゲドンの囮作戦に引っかかった事を教えられた大介は、アマゾンイヤーで子供達の悲鳴を聞きつけると改めて追走するが、再び現れる獣人カタツムリ。
 今作初、爪や牙などの鋭利なパーツを持たない獣人カタツムリの体当たりから押さえ込みを受けて苦しむ大介だが、本日は配線の調子がいい藤兵衛が助けに入るとライダー仕込みのショルダータックルを浴びせ、大介を救出。
 しかしその藤兵衛はカタツムリの泡に倒れ、大介もまた全身に泡を浴びるが、アーマーゾーン!!
 初使用の挿入歌に合わせての連続回し蹴りは格好良く、前傾姿勢を取らないままアマゾンは、上段下段の回し蹴りコンボからハイキックの連打を浴びせ、更に頭部への飛び回し蹴り!
 見栄えのする蹴り技を続けざまに繰り出すアマゾンは、更にパンチの連打からカタツムリの頭上を取ると、悪魔のインカ踊りでリズミカルに頭蓋へと肘を連続で叩き込み、取っ組み合いからの噛みつきが主力だったこれまでとはだいぶ毛色の異なるアクションでカタツムリを滅多打ち。
 噛みつき攻撃は生身での一回だけ、姿勢を低く取らず、また怪人の奇声に対応する野獣の咆哮も控えめとなって、従来作のヒロイックさに寄せた大幅なバトルスタイルのチェンジが行われ、強烈な打撃に昏倒したカタツムリに追い打ちを入れたアマゾンが、甲羅の中に引っ込んだカタツムリを再び池へと放り込むと、水面に鮮血が広がった後に水柱が噴き上がり、終わってみれば冒頭の悪夢が最も怪奇で脅威だったカタツムリ獣人は、ゲドン獣人初の爆死を遂げるのであった。
 子供達は無事に解放され、地面に倒れていた藤兵衛に気付くと、一応、声をかけてあげるマサヒコ(笑)
 これまで無かった、大介とマサヒコの間に生じた亀裂に関して特に掘り下げられなかったのは残念でしたが(「子供」同士、引きずるほどのものではないとはいえ)、最後は草野球に参加する大介の姿が描かれて、「衣服」を身につけた大介は徐々に「社会性」を獲得していき……果たしてその先に待つものは何か。
 次回――お正月の街に、銃声が轟く。

◆第12話「見た! ゲドンの獣人改造室!!」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝
 着々と大介にレーシングテックニックを叩き込み、藤兵衛はご満悦。
 「見てろ、俺が必ずアマゾンを世界一のライダーにしてみせるからな」
 「……僕は無理だと思うな」
 「ん?」
 「アマゾンは、ゲドンと戦うだけさ。いくら立花のおじさんが夢中になっても、その気は無いさ」
 「だからさ、ゲドンを片付けてから、その気にさせるのさ」
 「さあね。……アマゾンは、ゲドンをやっつけたら、アマゾンのジャングルに帰るんじゃないかな?」
 「なんだおまえは。俺の折角の夢をぶち壊すようなこと言うなよ」
 「アマゾンの気持ちはそうに決まってるよ」
 相変わらず身勝手な藤兵衛よりも、「子供」のマサヒコの方が、大介の気持ちを尊重しようとして見えるのが面白いやり取りですが、今作においては大介に様々な“こうあるべき”を押しつけようとする役割の藤兵衛――好意的に捉えれば、やがて大介が「社会」に帰属した時、食い扶持を稼ぐ手段が必要な事まで見越している部分もゼロでは無いでしょうが――に対して、大介の心情を子供の感性で読み解く役割のマサヒコ視点はマサヒコ視点で、“「社会」に永遠に帰属しない大介”は実は、“理想の子供”の一面を持つのかもしれない、とか思ってみたり。
 バイクの練習中、子供を人質に取り、警察から逃走する凶悪犯を目撃した大介は、銃を手にした凶悪犯へと襲いかかり、大介のパンチには結構耐えるが、噛みつかれるとそのままバッタリ倒れる凶悪犯……大介の歯には、闇のインカ科学により仕込まれたマヒ毒成分でも含まれているのでしょうか。
 ところが警察に確保された凶悪犯は、ゲドンによって身柄を奪われると十面鬼の元へと運ばれ、初公開・ゲドンの改造室で医療班による手術を受け、トゲアリ獣人へと変貌する。
 これまで謎に包まれていたゲドンの獣人製造法が明らかになる、というよりは、シリーズ従来作における悪の組織像に露骨に寄せた、といった具合ですが、大介に「衣服」という転換点は与えられているものの、前回のバトルスタイルのチェンジに続いて、作品の路線に手が入ってきているのかも。
 一方、ゲドンの気配を追った大介は、足止めに残ったところを気絶させた従者を木に縛り付けて薪を集めており、
 「はっは~、焼いて食うつもりか」
 ……それを目にしたモグラ獣人と、私の発想が被りました(笑)
 「よっしゃ、俺も薪拾いを手伝って、へ、一つご馳走に、あずかるかな」
 とっても不穏な発言が飛び出すが、大介の目的は故意に逃がした従者の後を追って、ゲドンのアジトにカチコミをかける事。
 「アマゾン、やるね、近頃のおまえさんは」
 「アマゾン、ゲドン、戦う。ギギの腕輪、守る」
 意図的に姿を隠し、逃げた従者を作戦通りに追跡しようとする大介だが、一手先を読んでいた十面鬼によりトゲアリ獣人の迎撃を受け、改造されたら声の格好良くなったトゲアリ獣人、凄く粗暴な凶悪犯が素体だったにも拘わらず、改造手術によって知力が上昇している、大変珍しいパターン(笑)
 赤黒原色ボディにつぶらな瞳、下半身は灰色タイツ、と見た目の強敵感は薄いトゲアリ獣人だが、蟻酸ファイヤーに苦しむ大介は、従者の落とした石の直撃を受けると気を失ってゲドンのアジトへと運び込まれ、絶体絶命の大ピンチ。
 「さあ、アマゾンの腕からギギの腕輪を奪え」
 だがそれは勿論、敵の懐に飛び込むための伊上黄金メソッドであり、薄目を開けるや跳ね起きた大介は、藤兵衛からドライビングテクニックと共に、ライダー死んだフリ戦法も伝授されたのかもしれません。
 ……後は、落とし穴に落ちる癖まで伝染していないかが心配です。
 「アマゾン、ガガの腕輪を獲る」
 今こそ防御から攻撃に転じる時、とライダー100の殺人スキル「人質は雑に扱え、さすれば敵はフリーズする」に続き「時には自分こそが最大の餌だ」に目覚めた大介は、十面鬼ファイアーにあぶられると、アーマーゾーン!!
 「アマゾンライダーか、はははははは!」
 相手をしてやる義理はない、と浮上した十面鬼は、アジトを自爆させる事でアマゾンを生き埋めにしようとするデストロン仕草を繰り出すが、脱出に成功したアマゾンは、待ち受けていたトゲアリ怪人と激突。
 カンフー風味の連続パンチで主導権を握る前回と同じ路線のアクションに今回は噛みつきも交え、前回に続いて、下段の回し蹴りが格好いい。
 崖下へ放り投げたトゲアリ怪人の顔面に膝を叩き込んだアマゾンが連続チョップを浴びせると、蟻酸ファイヤーを吐き出したトゲアリの首が時間差でもげ落ちての決着となり、フィニッシュこそ首ちょんぱとなりましたが、前回-今回ともに流血表現が泡に置き換えられるなど、次回以降も見ないとわかりませんが、戦闘の見せ方がかなり変化。
 ……戦闘アクションにもう少し見栄えをと思ってはいたものの、基本の立ち姿勢が急にノーマルなものになってしまったのはやや残念ですが(出来れば構えそのままで、技が増えるのが理想的でした)、引き続き明確なフィニッシュブローこそ無いものの、戦闘シーンのテンポと爽快感は向上。
 特に下段の回し蹴りは、あまり使わない印象もあって目を引きますが、「回転」「低い位置の攻撃」を従来のバトルスタイルから継承している部分といえ、後に立花藤兵衛が書き留めたこのアマゾン格闘術をベースにして、魔法拳マジカルアーツが創始されたとかされないとか。
 「アマゾンライダー! ふふふふふふ、ゲドンの獣人は、まだまだおるわ」
 「アマゾン、貴様を殺してやる」「今日のところは見逃してやる」「ゲドンは不死身だ」「アジトはまだまだあるのだ」「アマゾン、また会おう」
 「ふふふふ、さらばだ、アマゾンライダー」
 「「「「「ふふははははは、フフはははハハハははは……!」」」」
 もしかすると東映ヒーロー史上最多、遠吠え六重唱を残して十面鬼は虚空に消え、ボスキャラが空を飛べるって、便利。
 大介とマサヒコは新年の挨拶をかわし、大介に本格的に日本語を教え始めるマサヒコ。そこに顔を出したモグラ獣人は、大介から「おめでたい」と言われると、「どうせ俺は(頭が)おめでたいよ」と解釈して去って行き、日本語がやけに堪能(笑)
 最後に振り袖リツ子さんがちらっと出てくるが背景扱いで済まされる、絶望的なヒロイン力の低さに全タイムラインが号泣して、つづく。
 次回――迫るアマゾン危うし十面鬼!

脳だって筋肉

『バトルフィーバーJ』感想・第40話

◆第40話「美人先生危機一髪」◆ (監督:竹本弘一 脚本:江連卓)
 「マリア先生、君は俺の学友だ。学友は殺したくない!」
 見所は、学友には礼節を持って接する勉強怪人。
 「俺はおまえ達の為に何もする気はない。俺は、勉強がしたいんだ」
 「なんです?! そんな馬鹿な!」
 「サロメ、天才とは気まぐれなものなのじゃよ」
 サタンエゴスが新たに生み出したのは、ベム型宇宙人めいた、知能指数500の勉強怪人。組織の為にその知能を活かした作戦を練ったりする気は無い御子は、ヘッダーに学友を所望する。
 「ヘッダー、御子にふさわしい天才学友をただちに探してまいれ!」
 「はっはー!」
 「俺は、勉強がしたいんだ!」
 かくして、御子の我が儘と、ちょっと親馬鹿ぽい反応を見せるサタンエゴス様の命令に従ったヘッダーの指示により、日本各地で成績優秀な子供たちが次々とさらわれ、こんなわけのわからない事をするのはエゴスに決まっているが、いったい何を狙っているのかさっぱりわからない、とBF隊も困惑。
 エゴスはもしかしたら、さらった子供たちにピチピチタイツを着せて、将来の幹部候補生として地獄のエゴスキャンプに放り込んでいるのかもしれない、とマリアが推測したところ、折良くというか折悪しくというか、マサルの学校に天才少年が居る事が判明。家庭教師に変装して少年のガードにつくマリアだが、御子の眼鏡にかなう天才少年捜しに苦労するエゴスによって、少年と一緒にあっさり誘拐されてしまう。
 「マリアが、むざむざ誘拐される筈がないんだがな……」
 (……サロメだ。やっぱり誘拐事件は、エゴスの仕業だったのね)
 ……あれまた、敵の懐に潜り込む為に、小学生を餌に使いましたか??
 漫画的なカモフラージュ効果さえ発揮できずにあっさりと変装を見破られたマリアは、少年の一言に助けられて、御子の学友の家庭教師なる立場でアジトに入り込むが、今度は実は、少年が偽物の天才であった事が明らかに。
 マリアは少年を救うべく、ダンスの練習を始めて御子を骨抜きにしようと目論むが、サロメの入れ知恵もあって追い詰められた二人は、とうとう囚われの身に。
 1時間後に銃殺刑を予告されたマリアが、助けを求めるメッセージを記した紙で鶴を折り、唯一外に向けて開かれた天窓へと向けて放つと、地下牢に囚われた子供たちが一斉にボール紙でそれをあおぐのは、みんなの力で……を入れたかったのはわかるのですが……あまりにも、無茶。
 マリアの行方を追っていたトモコらが折り鶴を発見すると、汀マリア殉職寸前、バトルフィーバーの救援が間に合い、銃弾の飛び交う中、ロープで捕まえた構成員を身代わりにしてのマリアと少年の脱出から変身して勢揃いに繋ぐのは、格好いい流れでした。
 勉強ロボが出現すると地上を万年筆ガスで攻撃し、前回今回と、ロボの地上攻撃は迫力あり。
 ジャパンがBFロボに乗り込み、筋トレこそが天才の証なのは歴史が証明している、と筋肉も鍛えていた勉強怪人の振り回す万年筆に叩き殺されそうになる残り4人だが、本日も無慈悲にペンタフォース!
 残る勉強ロボは唐竹割りのサビとなり、エピソードの主題は、嘘をついた子供が大変な目に遭う典型的な教訓話に落ち着くのですが、サタンエゴス様は何をしたかったのかは、永遠の謎となりました(笑)
 次回――怖い! 金太郎、怖すぎる!!

朱に交われば赤くなる

『バトルフィーバーJ』感想・第39話

◆第39話「悪魔になった友」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
 神誠、定期検診の数値が気になるお年頃。
 検診の結果は丈夫な人だと太鼓判を押される誠だが、病院の医者にして誠の友人でもある関根は、急に吐き気を抑えるような仕草を見せるとそそくさと部屋を出て行くし、教授は教授で部屋の中で煙草を取り出すしで、どうなってるの城北大学病院……?!
 体調不良を抱えながらも論文執筆に励む関根はサロメ接触により「不死の会」を名乗るエゴスの支部を訪れると、余命3ヶ月の宣告を受けた事から悪魔の取引を承諾して自ら怪人カプセルの中に入り、生み出されるハイド怪人。
 一方、毎度ながらのBF隊はスイッチオフでだらけきっており、銀座で買ったワンピースが煙くさくなると曙に抗議するマリアさん、配属当初はあんなに真面目だったのに、すっかりBF流に染まってしまいました。
 「情けないね。将軍が国際会議に出席すると、すぐこのていたらくだ。たるんどるぞおまえら」
 九官鳥、ツッコんだ。
 「おいキュウちゃん、俺達が暇だってことは平和の印。結構じゃないの」
 京介、理論武装で切り返した(笑)
 ラウンジの片隅で一人黙々と銃を磨き、それはそれでどうなのだろうという気がする神誠は、ケニアの煎じている薬草を関根に持っていってやろうと思い立ち、純然たる友情に基づいて、大自然から現代医学への挑戦状を叩きつけようとしていたが、関根は既に、現代医学をエゴスの原始科学で超克しており、しかしその代償として人間の血液を求める怪紳士へと変貌していた。
 『ジキルとハイド』を下敷きに一人の男の破滅を描く今回、シルクハットに黒マントのハイド怪紳士は、吸血鬼の性質+扮装に、狼男の変身メイクの合わせ技、といった感じで描かれ、関根宅を訪れようとして怪紳士を目撃した誠と曙はフィーバー!
 ハイド怪紳士は、口避け女の時と同じような演出で飛ぶように走って逃げると、そのエゴの赴くままに恋敵の同僚を襲って殺害し、人の欲望を利用してエゴスが信徒を増やしていく第2話の路線というか、同工異曲といった作り。
 明確な違いは、その邪悪を一人の男に焦点を絞った上でBF隊メンバーの友人という点でしたが、一度疑惑の目を向けると、張り込み → 銃弾 → ペンタフォース! が流れるように炸裂し、“もはや身も心も怪人”として葛藤も躊躇もなく処理される70年代作劇で片付けられるのは、勿体ないところでした。
 吸血衝動の赴くまま、恩師である教授さえも殺害した関根は結果として院内で大きな力を得るが、意中の看護婦とは上手く行かず、看護婦をさらう強硬手段に出た結果、BF隊に追い詰められると、ハイド怪人へと姿を変え、集団戦に突入。
 モチーフがモチーフなので、漠然とした怪物じみたデザインになるのは理解できるとして、どことなく海っぽいというかクトゥルフ神話の邪神めいた方向性だな、と思って毎度お馴染み『百花繚乱』を確認してみたところ、デザイン画は映画『エイリアン』のギーガー的クリーチャー寄りで海っぽさはあまりなく、心中の悪意――心の中の悪夢的継承のニュアンスが強かった模様。
 ハイドロボットが現れて火を噴くと、派手な火炎放射から逃げ回るBFは、BFロボを要請。爆発と火炎放射の合わせ技に力の入った映像からBFロボが到着すると今回は日仏が乗り込み、ハイド怪人はさっくりとジャンピングペンタフォース!
 残るハイドロボは投げ槍から唐竹割りで一刀両断されると、誠と看護婦は関根の墓に手を合わせ、人の心の弱さにつけ込むエゴスの恐ろしさが語られて、つづく。