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史上最大のカラクリ

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第33-34話

◆巻之三十三「マンモスと6人」◆ (監督:諸田敏 脚本:前川淳
 ここまで無敵の箱物だった豪雷旋風神の合体究極奥義を受けても無傷の三つ首ウルフだったが、調子に乗ったサタラクラが犬笛を壊してしまった事で制御不能となって合体が解け、窮地を脱するハリケンゴウライ。
 そこへ接触してきた緑が、流星雨のメッセージと新たなカラクリメカの存在を告げ、起動の為に必要な全員のシノビメダルを求めるくだりで一悶着あるかと思ったら、鷹介がさくっと渡したのにメンバーが次々と続き、前回からの流れで自然と皆を引っ張る中心としての鷹介に比重が置かれ、シュリケンジャーとの距離感に関しては、これといって掘り下げられず。
 ……まあ、これまで何度も助けられてはいますし、ハリケンジャーのスタイルといえばスタイルですが。
 で、「鷹介」というのは、もちろん「鷹」であるし、恐らくライブマンのレッドファルコン=「勇介」も意識した上で、「陽介」でもあるのだな、となんとなく。
 復活した巨大ウルフに天空ヘリを撃墜されてしまった緑は、ギブスを脱いで江戸っ子モードを発動すると自らに気合を注入して森を走り、どうにも使いにくそうな特性であります。
 緑にシノビメダルを預けた事で変身不能の5人は、合体不可能を承知で生身のままシノビマシンに乗り込んで三つ首狼を相手に時間を稼ぎ、空を飛び、頭部(コックピット)を回転させながら、頭突きを決めるドルフィン、ハードすぎる乗り物。
 一方、6つのメダルをセットして謎の封印を解いたシュリケンジャーは、封印の奥に隠された三味線を手に取り、野球から三味線への飛躍に困惑するのですが(江戸っ子とも関係ない)、つまりこれは轟く三味線炎の女将なんですか宮下さーん?!(宮下さんがメインライターだった『ビーファイターカブト』に、そういうエピソードが存在)
 「よっしゃ! 気合入れて、いったるでぇ!」
 もはや何っ子なのかわからなくなってきた緑がかき鳴らす弦の響きに乗せて、新たなカラクリメカ、リボルバーマンモスが出現。返却されたメダルで変身したハリケンゴウライは再び風来合体し、マンモスがその名の通りのリボルバーアクションで撃ち出したカラクリボールを受け取ると両手に持った武器を振るい、もう箱物とは呼ばせない!
 豪雷旋風神がマンモスの背に乗ると、必殺究極奥義が発動してマンモスが次々とボールを転がし、一斉攻撃サンダーハリケーンストライクで、三つ首ウルフを成敗バイ。
 史上最大の危機・史上最大の敵、を打ち破る為に登場した新メカでしたが、ここ数話は宿命に酔う一甲の目を如何に覚まさせるかが主題だったので、流派を越えた6人の絆で最強の力が! という盛り上がりがこれといって生まれなかったのは残念。
 また、コレクションアイテムがボールなので、玩具的にそれを活かそうという発想はわかるのですが、鼻からボールを打ち出すゾウ型メカ(つまり、ロボピッチャなの?!)を、地球忍軍の切り札として華々しく出現させるのは、どうにも無理があったと思います……(発進シークエンスでなんとか盛り上げようとはしていましたが)。
 狼騒動の解決後、マンマルバとの一騎打ちに臨んだ紅は見事にこれを打ち破り、マンマルバ死亡……? 一甲は鷹介との約束通りにラーメン屋台に姿を見せ、揃ってラーメン食べて、ほのぼのエンド。

◆巻之三十四「キノコと100点」◆ (監督:諸田敏 脚本:前川淳
 「ウェンディーヌでしょウェンディーヌ!」
 見所は、変装ウェンディーヌにまんまと悩殺される鷹介と吼太に対し、きちっとツッコむ七海。
 そんなわけで、洗脳忍者キノコとウェンディーヌ先生コスプレ祭でしたが、「うっふん」とか「いや~ん」とか、悪の幹部の奇抜な衣装で現実離れしていたからこそ成立していたものを、コントめいているとはいえ一般人の扮装で連発されると、だいぶ辛いものがあります(役者さんがではなく、マンガ的な台詞そのものが)。
 マンマルバの死に怒り心頭のウェンディーヌが自ら作戦指揮を買って出て洗脳塾作戦を展開し、洗脳された子供達から攻撃を受けるハリケンジャー。ウェンディーヌお気に入りのイケメン(演:元ブルーレーサーの増島愛浩)に変装して塾に忍び込み、背後から不意を突いたと思いきや、シーン変わるとハリケンジャーと一緒に地面に転がっているシュリケンジャー…………ちょっとビックリするほど弱いぞシュリケンジャー……。
 本日は造園業で働いていた霞兄弟を加えた6人は、毎度お馴染み抜け身の術で逆転し、三味線ガンモードが初披露。キノコ忍者を倒されて、作戦失敗に怒りのウェンディーヌのストレスが頂点に達した事により巨大化し、口から火を噴き旋風神を投げ飛ばす大暴れを見せるが、アレ誕生の前に地球壊滅の危機は、意識を回復したイケメンの登場により回避され、一般市民を暗がりに連れ込んで気絶させるシュリケンジャーを、ハリケンジャーは野放しにしておいていいのか(笑)
 巨大キノコ忍者も倒してひとまず世界の危機は回避されるが、ムカデ城では、さすがにあれで退場ではなかったマンマルバが、何故か初期の姿に戻って繭の中から姿を見せるのであった……。
 次回――いつまでも交通安全!?