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恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第11話

◆第11話「ご主人さま!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升/荒木憲一)
 バンドーラパレスから魔法の釣り糸を地球の海に垂らしたトットバットが釣り上げたのは、古式ゆかしい魔法のランプ。
 ランプをこすると中からはランプの精霊ジンが現れ、これに気を大きくしたブックバック&トットバット(ところで、ブックバック=フランケン、トットバット=ドラキュラ、グリフォーザ=狼男で、『怪物くん』なのでしょーか)はジュウレンジャーに挑戦状を送りつけると、さっそくジンを召喚。
 無数の槍を放ち巧みな拘束術を用いる武闘派精霊ジンによる変幻自在の攻撃に大苦戦するジュウレンジャーだが、飛び道具を辛うじてはじき返した拍子にバックの手からランプがすっ飛んだ事でその所有権が失われ、ジンは消失。
 いいも悪いもご主人次第なジンについてバーザから説明を受けたゲキたちはランプを探しに向かうが、それは既に6人の少年少女によって拾われており、善悪を判断せずに所有者の願いを叶えるシステムたるジンは子供たちの欲望を次々と現実化していき、スポーツカーに空飛ぶ絨毯、マンガにお菓子にゲームに洋服と、今回も夢一杯。
 ――だが好事魔多し、子供たちのアジトへと迫る、5つの影。


「果て無き恐竜スピリッツ!」
「「「「「轟獣戦隊――ボウリュウジャー!」」」」」

 慌ててジンをランプの中へと戻す少年少女をねめつける5人の大人。
 「君たち魔法のランプを手に入れたんだね。それを僕たちに渡してくれないか?」
 (訳:俺たちは危険なプレシャスを保護するだけだ)
 「悪い奴らがランプを狙ってるんだ。襲われてもいいのか?」
 (訳:あなたが取引しようとしていたのは、危険なプレシャスです。我々が保護し、厳重に管理します)
 「おーいおい、これじゃどっちが強盗だかわかんねぇな。こいつは俺たちが先に見つけたのー」
 「プレシャスは早いもん勝ちじゃないもん!」
 「そうよね~、強いもん勝ちだもんねぇ!」
 ……げほげほごほっ。
 読者の皆様には只今、並行世界の位相が激しく乱れた事を、深くお詫びいたします。
 改めて……考えてみても一方的で横暴な、守護獣の影響を感じさせるゲキたちの物言いに反発した子供たちはランプを手に逃走するが、バンドーラ一味に行く手をはばまれ、始まる争奪戦。
 バックとバットを魔術で軽く一蹴してみせるジンだが、本命のバンドーラ様が現れるとあっさりとランプを破壊。これによってジンは魔法を使えないただのでくの坊と化し波止場で海を見つめながら体育座りを始めてしまう。
 「ジンから魔法取ったら、何が残るんだっつーの」
 「ナニが…………ナニが残るんだろう」
 ……再び、並行世界の位相が激しく乱れた事を、深くお詫びいたします。
 バンドーラの狙いは、何もかも失って燃え尽きたジンの宿る新たな魔法のランプを作り、ジンの制御権を手に入れる事。「あーあ、願いを叶えられないジンなんて仲良くしたって仕方がねぇや」と子供たちが冷淡な態度でお別れを告げたらどうしようかとドキドキしましたがそんなことはなく、唯一の対抗手段として砕けてしまった魔法のランプを修復するべく、ジュウレンジャーと子供達は一緒に破片を探し回る事に。
 「だったら今度は俺たちがジンを助ける番だよ」
 と自ら立ち上がる姿により、子供達が友情と誠意を見せるのですが、欲にまみれた自分たちの行いを反省するフェーズは特に通らないので、良識を手に入れるには至らず微妙に美しい話になりきりません(笑)
 その部分――欲望の赴くままに大きすぎる力を振るう事――についてはゲキ達も説教しないまま、挿入歌に乗せたほのぼの探索タイムでジュウレンジャーが“子供に寄り添うヒーロー”として改めて描かれるが、修復一歩手前でバンドーラ様が悪魔のランプを完成させてしまい、バンドーラの下僕となった巨大なドーラジンが誕生。
 「お呼びでございますか、ご主人様」
 「ジュウレンジャーと子供達を、ぐっちゃぐっちゃに、潰しておしまい」
 赤黒が大獣神で時間稼ぎをしている間に残りメンバーと子供たちがランプの破片を探索し、魔法のドリルで大獣神が頭蓋をかち割られる寸前、ランプの修復に成功。ジンの所有権が元に戻るとメイの矢が悪魔のランプを砕いてバンドーラ様が撤収する変化球。
 ジンは無事に子供たちと再会すると、魔法のランプはサー○ェス財団に回しゅ……じゃなかった、悪用されないように封印をかけられて思い切りよく海へと投げ込まれ……投げ、込まれ…………ま、まあ、人類には過ぎた危うい力ではあるのですが、なまじ人格を持った(主人の影響を受けるのか、子供たちとの交流では割と善良に描かれていた)精霊を、強制封印かけて海に沈めるとか恐竜ヤクザのケジメの付け方が守護獣譲りでシビアすぎるのですが、力を消耗したジンが子供たちに別れを告げて自発的に眠りにつくとかの方が後味が良かったのでは……。
 次回――またもダン回。