この時代の作品を見ていて、作品を離れたところで聞いた事のあった挿入歌の歌詞が、何を唄っていたのかわかる瞬間が、なんか好きです(笑)
『太陽戦隊サンバルカン』感想・第3話
◆第3話「日本に挑む鉄の爪」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三)
突如として市街地を襲うブラックマグマの戦闘機!
迎撃の為に冒頭からジャガーバルカンが雄々しく出撃すると、敵戦闘機とジャガーバルカンのスケールの違いが強調されて、巨大空母だジャガーバルカン~。
着陸したジャガーバルカンは、上半身メカが敵機と戦っている間に、下半身メカが人々の救助に向かう形で分業し、ドッグファイトと人命救助により、ロボットに変形合体する前のバルカンメカが大活躍を見せるのは、合体ロボのセオリーに則りつつシリーズとしては新機軸。
ところが地上の爆撃は陽動であり、その間に国立銀行の地下金庫を襲うゼロガールズと機械生命体ナウマンモンガー。
嵐山親子がこれを察知し、早くも挿入歌を使用してのバトルで金塊の強奪を阻止するサンバルカンだったが、ヘルサタンはマグマエネルギー溢れる火山国日本を手に入れる為に攻勢を強め、第1話ラストのナレーションで語られた“日本が集中的に狙われる理由”を劇中の台詞でも補強。
時価4兆円の金塊を寄越せ、と日本政府を脅すブラックマグマは、高名な物理学者を暗殺……というか、搭乗したジャンボジェットごと爆破。続いて人間国宝の能役者を標的にすると宣言し、能楽堂を警備する、変身後のサンバルカン(笑)
「怪しい者は居ないぞ」
今、君らが、圧倒的に一番怪しいな……!
とにかく、伝統芸能の舞台付近を赤青黄の三色戦士がフラフラしている絵面が凄いのですが(とはいえ、仮面芸能としては濃い関連性を持つとはいえますが)、厳重な警備もむなしく舞台上の能役者にドスをもった般若の女が襲いかかり、凶刃に倒れてしまう能役者……かと思われたが、平然と立ち上がった能役者が面を外すと、その正体はもちろん(もちろん……?)嵐山長官。
「馬鹿者。……防弾チョッキだ」
ナイフで刺された筈の嵐山長官は暗殺アンドロイドに向けて勝ち誇り……気になってちょっと調べてしまったのですが、一応、防弾チョッキに防刃素材も組み合わせて、双方の効果を持たせる場合もある模様。
サンバルカンが暗殺アンドロイドを撃破すると、ブラックマグマは続いてスクールバスジャックを行って総理大臣の孫娘を誘拐し、とにかく、時価4兆円の金塊を手に入れようと必死だった。
邪悪なブラックマグマの立て続けの悪事!
それに対抗して阻止するサンバルカン!!
……という筋立てなのですが、ブラックマグマが目標にしている「4兆円の金塊入手」よりも、「市街地空爆」「ジャンボジェット爆破」の方が多数の人命に直接被害を出す凶行の上に、エピソードの後半に向けて規模が拡大しエスカレートしていくのではなく、むしろ明確にスケールダウンしていくので、なんとも消化に困ります。
……冒頭にジャガーバルカンの活躍を見せて、最後を通常のバトルで締めたい都合は凄くわかるのですが。
十数人の子供達の命を盾にされ、テロリストの要求に屈した日本政府は、金塊は地球平和守備隊基地に保管されている事を明かし、太陽戦隊は、子供達を助ける為に介入を決定。
敢えて正面から人質の交換を要求するも無抵抗のまま痛めつけられるサンバルカンだが、それは陽動のお返しであり、自動コントロールのジャガーバルカンが空中から強襲してスクールバスの救出に成功し、基本的にジャガーバルカン回なのですが、吊り上げられたバスの中の子供達が悲鳴をあげまくっており、やはりちょっと顔が凶暴すぎるのかもしれません。
ここからは太陽戦隊のターン! とジープとバイクで戦闘員を轢いて東映ヒーローのイニシエーションを果たした3人は、逆光にシルエットなのが格好いい太陽ジャンプ。
「バルイーグル!」「バルシャーク!」「バルパンサー!」
「輝け! 太陽戦隊!」
「「「サン・バルカン!!!」」」
共通武器のバルカンスティックを振るうサンバルカンは、ナウマンモンガーの鼻息攻撃に苦戦するも、太陽ジャンプで形勢逆転するとバルカンボールを叩き込み、巨大ナウマンモンガーを太陽剣オーロラプラズマ返しで両断するのであった。
作戦の失敗したヘルサタン総統はアジトでかんしゃくを起こし、誘拐被害にあった子供達はサファリパークに招かれてアフターケアが行われ、子供達と触れ合う太陽戦隊の姿で、つづく。