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ブラックマグマ0指令

太陽戦隊サンバルカン』感想・第6話

◆第6話「機械の支配する家」◆ (監督:小林義明 脚本:上原正三
 ブラックマグマは、念動力を操る機械モンガーを作り出し……さ、鮫島に子供達との絡みと独自の台詞が!
 オフロードで華麗にバイクを操り、子供達にいいところを見せる鮫島だが、機械モンガーの念動力にバイクの制御を奪われ、初めての見せ場から一転、大クラッシュ。
 いつの間にかバイクに取り付けられていた小さなシール状のパーツを嵐山長官が分析する一方、実験の成功に気を良くしたヘルサターン総統が、
 「マイホーム作戦を実行せよ!」
 と力強く宣言するのは、後年に形成されるイメージ通りの《スーパー戦隊》らしいノリ、が入ってきてちょっと面白かったです。
 北極からトラックを繰り出したブラックマグマは、家庭の電機製品を新しいものに交換する下取りキャンペーンを大々的に展開し……嵐山美佐も引っかかっていた。
 ところに、突然のEDテーマと共にバイクで姿を見せるシャークとパンサー。それを目にしたブラックマグマはそそくさと逃げだし、場面に合っているかはさておき、「若さはプラズマ」が流れ出すと、私の魂が反射的に盛り上がってしまいます(笑)
 トラック追跡を阻むかのようなブラックマグマの襲撃を受けた青と黄はタイヤ置き場での戦いとなり、さらっとやっていますが、全身タイヤ巻き状態でタイヤの山を転がり落とされている場面は、だいぶ危ないアクションでは……。
 タイヤ巻きのまま地面に転がり、身動きできないパンサーへと念動ブルドーザーが迫り、拘束を解けないとみるやパンサーをかばって及ばずながらも前に立つシャークがいいところを見せると、わかりやすいところに立っていた機械モンガーにスティックを投げつけて窮地を脱出。
 「しかし、機械下取り作戦の真の目的はなんだろう」
 基地に帰ると、長官は謎のパーツが念動力の受信装置である事を解明しており、その話を聞いているのに、下取りで貰ってきた掃除機を店で使い始める美佐……大丈夫か美佐。
 長官室での場面に美佐を一緒に立たせていなければ情報の行き違いで済んだのですが、話の筋と映像が露骨な矛盾を生む雑さで残念。
 そして、下取りによりブラックマグマ謹製の家電その他を手に入れた家庭で、マシンがおかしな動きを始める定番の機械反乱ホラーになっていくのですが(冷凍庫から発進するラジコン戦車がシュール)最初に反乱を起こしたのが、火を噴く水道の蛇口で、何かおかしい(笑)
 猿の人形がシンバルを鳴らしている姿が繰り返し挟み込まれるのが実に小林演出で、サンバルカンばりの火薬に見舞われた一家が外へ逃げ出すと、そこに待ち構えていたのはブラックマグマ。
 一方、収穫無しのパトロールから戻ってきた3人にカレーを振る舞う美佐だが、長官の厭味の連発に、太陽戦隊は割と本気で落ち込んでいた(笑)
 なにぶん、撮影順はともかく出来上がった映像として3人がそれなりの尺で芝居をする事そのものが人類の誕生会(第2話ラスト)以来なだけに、妙に面白い光景になっています。
 表面上は軽い厭味だが、実態は上官からの叱責を受け、営倉入りの危機にガタガタ震える太陽戦隊がうなだれていると、その背後で動き出した掃除機が…………撃ってきた(笑)
 さすがに一同、この奇襲はひらりと回避すると、長官の目配せを受けた3人が掃除機に飛びかかるが、豹がホースに首を締められて二階級特進の大ピンチ……に陥っている間に、背後に回った長官が電源コードを引き抜いて解決し、だからなにこの番組?!
 「機械によって人間を支配する。……それがブラックマグマの狙いだ。パトロールを強化せよ!」
 かくしてまたもスーツ姿にされたサンバルカンは、公権力を振りかざして巨大団地を聞き込みして回り、怪しげな動きを察知すると透視能力を発動。
 団地の一室を占拠した機械モンガーを発見すると、人質の安全を図る為に一計を案じ……ブラックマグマのマイホーム作戦を真似る意趣返しを行って、赤いポストに手足のついたような高性能人型ロボット・ロボタンの提供をアピールするが、ロボタンがコンパニオンの女性たちに小突き回される姿を目にした機械モンガーの、怒りが爆発!
 「機械を苛めるとは許さん!」
 機械モンガーがロボットに感情移入して肩入れする流れはちょっと飛躍がありますが(そもそも、「機械元素体と動物生命の合成生物」に「機械モンガー」がよくわかりませんが……)、まんまと罠にはまった機械モンガーが部屋を飛び出していくと、素早く立ち上がったロボタンがブラックマグマ戦闘員を蹴散らして、嵐山長官の正体を現し…………ん?
 ……機械モンガーが部屋を飛び出していくと、素早く立ち上がったロボタンがブラックマグマ戦闘員を蹴散らして、嵐山長官の……え?
 部屋を飛び出していくと素早く立ち上がったロボタンがブラックマグマ戦闘員を蹴散らして、嵐山……あれ??
 ………………いやさすがに、美佐その他の命令で靴を磨かされたり肩を揉まされたりして子供たちの笑いものにされ、跳ね回った末に地面にひっくり返って詰られたかと思えば、襲撃を受けるや鮮やかな動きで戦闘員を蹴散らしていったので、てっきり豹あたりが中に入っているのかと思っていたら、何度見ても嵐山長官である真実は動かしがたく、地球防衛の為には自ら最前線で囮と道化になる事も辞さない長官の活躍により、機械モンガー部隊を人質から引き離し、逆包囲する事に成功したサンバルカンが姿を見せる。
 輝け! 戦闘シーンは!
 と戦闘員を蹴散らすも念動重機軍団に囲まれたサンバルカンは、クレーン車に小突き回されて、吊り下げからの落下アクションから、今回もバルカンスティック投擲によるモンガー直接攻撃で窮地を脱し、機械モンガーの弱点は、念動力の放出に手一杯で防御がおろそかなところでした。
 バルカンボールが炸裂すると、今回はOPに合わせてコスモとブルが合体グランドクロスし、太陽はおお命の星だ。
 念動に操られてしまうロボだが、拳からバルカン砲を放って飛び道具で反撃すると、オーロラプラズマ返しで横一閃。ブラックマグマのマイホーム作戦を阻止した太陽戦隊は、科学技術との向き合い方に改めて思いを馳せるのであった。
 「使いようによっては文明の利器にも、凶器にもなるって事ですね、長官」
 「そう。要するに、使う人間次第だ。難しい事だけどな」
 長官が技術の進歩と人の心について説いて締め、美佐と掃除機の問題は雑に過ぎましたが、突き抜けた変な面白さはある回でした。
 次回――隙あらば野球選手を狙うのが、悪の組織のたしなみ。