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ウルトラマンコスモス』感想・第15話

◆第15話「深海の死闘」◆ (監督:市野龍一 脚本:大西信介 特技監督:佐川和夫)
 海底シールドの点検と修理の為、ムサシとフブキがテックダイバーで出動し、そうか……春風コンビ……忘れていなかったのか……。
 以前に「春風コンビ」の名前が出たのが市野監督回の第5話だったので、監督のお気に入りだったりしたのでしょうか。
 正直、序盤の戯れとしてこのままマウンテンサイクルに埋めてしまって良かった気はしますが、そんな二人の前で、修理の為にシールドを解除した間隙を突き、シールド内で保護していた海底怪獣ジェルガ(チョウチンアンコウタツノオトシゴ二枚貝みたいな姿)にカオスヘッダーが取り憑いてしまう!
 これまた第5以来となるカオス怪獣が誕生し、退避しようとしたダイバーは攻撃を受けて酸素タンクが破損。更にジェルガの背中の貝のような外殻に挟み込まれ、海底から脱出不能の大ピンチ。
 「なんとか持ちこたえてくれよ……春風コンビ」
 緊急用の酸素ボンベを頼りに救援を待つ危機的状況で、大変間の抜けた呼称が緊張感をズタズタに引き裂き、ただでさえ危ういキャップの人間性に対する懸念をますます強めるレベルで、黙って宇宙牢獄に封印しておいた方が良かったような。
 「酸素が無くなるより先に、噛み砕かれちまうかもな……」
 2号機の到着予定時刻まで酸素残量はギリギリ、船体が保つかどうかもわからない絶体絶命の窮地に、ムサシの前ではコスモスへの変身を躊躇うムサシの姿が織り込まれ、強制退去などこれといったルールは明示されていないものの、リスクを考えればなるべく避けたい意識はわかるところ。
 ……まあ結局、先にフブキが酸欠で倒れると、あっさり変身するのですが。
 主人公の陥る危機と変身タイミングの綱引きはシリーズとして付きまとう難題でありますが、敢えてそこに焦点を当てたからには、もう一工夫は欲しかったところです(ひとまず、ムサシの逡巡を描いた意味はありましたが)。
 コスモスはコロナのパワーにより力尽くで外殻を開くとテックダイバーを脱出させ、今回の見せ場である海中戦は、スモークの加減が良い具合。
 貝殻の中から伸びた触手で動きを封じられ、破壊光線の直撃を受けたコスモスは窮地に陥るが、その時、何故か引き返してきたテックダイバーの攻撃が触手に突き刺さり、自由を取り戻したコスモスは、癒やしの波動でジェルガの中のカオスヘッダーを摘出。体外に飛び出したカオス成分をコロナエンドして勝利を収め、コロナのまま癒やしの波動を放ったのは少々首を傾げましたが(まあ、出来ない理由は特に無いものの)、コロナ→ルナ→コロナ、とチェンジを入れるのはテンポが悪いという判断であったでしょうか。
 トレジャーベースに無事帰還するも、意識を取り戻したフブキに正体がバレたかも?! と内心穏やかでないムサシ……をわざとらしく溜めるのですが、かつて意識を失ったまま空手大会で勝利を収めたフブキの武勇伝、の布石が露骨だったので、尺を使った引っ張りは特に面白みにならず。
 フブキが元防衛軍である事に言及されたり、怪獣に及ぶ危機を考えていたからこそ海底シールドに賛成していた事を知ってムサシが自分の浅はかさを反省するなど、両者の距離が縮まるエピソードでもあったのですが、最終的に体育会系の肉体的コミュニケーションに集約されるのは、作風として慣れるしかないところでしょうか(笑)
 次回――カオスヘッダー、まさかの連投?!