『仮面ライダー(新)』感想・第30話
◆第30話「夢を食べる? アマゾンから来た不思議な少年」◆ (監督:田中秀夫 脚本:江連卓)
学校の屋上から転落したと思いきや、謎の力ですたっと着地してみせたのは、ブラジルから来た転校生・夢太郎。
その正体は、ネオショッカー・アマゾン支部の改造人間オオバクロンであり、今回は何故かシゲルではなく、ブランカガールズのどちらか一人(その場でハッキリと名前を呼んでくれないと、本気でどちらかわからず……)の弟が登場して物語の導線となり、夜な夜な子供達に悪夢を見せて催眠暗示をかけていくオオバクロン。
「夢のお告げだよ。夢のお告げが起こったんだ」
オオバクロンの暗示を受けた少年少女はチャイムの音を聞くと暴力衝動にかられるようになり、前回に続いてネオショッカーの標的が子供コミュニティに移行し、事件の舞台がメイン視聴者層の視線に近づくのですが……ハイ、皆様お察しの通り、新型戦車の開発や二世怪人部隊の大盤振る舞いの結果、日本支部は今、深刻な予算不足。
「洋、アマゾンライダーから送ってきた資料だ。ネオショッカー、アマゾン支部の、オオバクロン。――夢を食う怪人だ」
子供達の不自然な行動に対して谷が妙に的確な判断を下すと思ったら、先輩たちから情報が送られてきていた便利な新展開!
日本全国の子供たちを悪夢の催眠暗示にかけようとする作戦を順調に進行させ、アジトで酒を飲み交わしていた魔神提督とオオバクロンだが、洋が夢太郎を探し始めている事を知ると戦闘員をけしかけ、本日も飛び蹴りが激しい。
自称アマゾンの王子・オオバクロンが姿を見せると洋は変身するが、相変わらず毒に弱いスカイライダーは、毒液を浴びて弱ったところを生き埋めにされ、念力と関係なく、普通にトラックで運ばれてくる土砂。
学校に戻った夢太郎が作戦を次なる展開に進めようと子供達の暗示を強めている間に、土砂の中からはスカイライダーの手がずぼっと突き出し、次はクライマックスで飛び出してくるのかと思いきや、シーン変わるとブランカのカウンターの奥で洋が顔を拭いているので困惑(笑)
更にそこに、夢太郎から誕生パーティの招待状が届けられて、ますます困惑(笑)
……まあこういった前後の出来事の脈絡の忘却と跳躍は江連脚本の名物みたいなものではありますが……つい先刻まで、「ワシの毒液と、この泥で、ライダーも溶けてしまうわ! ぬはははははは!!」と勝利を確信して高笑いをしていたのはどこへ(笑)
「俺との決着をつけるつもりだ」
「念力殺法を破る自信はあるか?」
「勿論」
不敵に笑う洋は滅茶苦茶格好いいのですが、ついさっきまで完敗を喫して土中に埋まっていた筈なので、根拠がどこにあるのかはさっぱりわかりません!!
オオバクロンを倒し、子供達を救うために洋はバイクで指定された屋敷と向かい、ライダーブレイク!! ……じゃなかった、正面から呼び鈴を鳴らすとプレゼントも持参しており、敵味方の関係とはいえ時候の挨拶や引越祝いなどの礼節をおろそかにしない事の大切さは先輩たちから教わりました。
テーブルには子供たちが並び、不穏な誕生パーティが開始されると、夢太郎のかき鳴らすチャイムの音に反応して洋にナイフを向ける子供たち。
「悪い大人をやっつけろ。それやっつけろ……」
前回に続いて、少年少女洗脳パターンのアレンジかつ、“子供から大人への反乱”が味付けに加えられているのですが、前回にしろ今回にしろ、そこに物語の主題は特に用意されていないので、味が足りない気がするので塩を振ってみたぐらいのものでしかないのは残念。
洋がナイフを投げてチャイムの音を中断させると催眠が解け、正体を現したオオバクロンは念力攻撃で食器を飛ばすが、ライダー忍法・テーブルクロス返しでそれを防いだ洋は、力任せに椅子を放り投げて念力攻撃を妨害。
隙を突いて変身すると、その場でグルグル回り出す、念力返し・ライダースピンを発動し、体の回転で風を起こし、物体を逆流させるのだ!
やはり、筋肉こそが正義だ!!
「オオバクロン! おまえの念力は俺には役にたたんぞ!」
風さえ起こす筋力で念力を打ち破ったスカイライダーは、戦闘員を千切っては投げ千切っては投げ、洋館の庭に死体を積み重ねると改めての一騎打ちとなり、バクの爪が伸びるギミックと、それを竪琴の弦に見立てるのは、面白いアイデアでした。
……そうつまり、奴の最大の武器にして弱点は、爪だ!
先輩達に注入されたライダースピリッツが電子回路の間を激しく駆け巡るスカイライダーは、寝業に持ち込むと腕ひしぎ十字固めで攻め立て、爪から絞りあげた毒液をバク自身の体に垂らす情け容赦のない残虐ファイトから必殺空中稲妻落としを放ち、どうやら、スカイキック一本だった前半戦から、多彩な技を次々と放つ1号-V3路線へと転換する模様。
頭から地面に深々と突き刺さったオオバクロンは無惨な爆死を遂げ、教室を覗き、チャイムが鳴っても子供達に異変が起こらない事を確認した洋は、谷と共に学校を去っていき、つづく。
最後に洋と谷が校庭でラグビーの真似事をする場面が入り、ますます謎の深まる谷先輩であった。
次回――予告映像とナレーションには影も形も無いのですが、サブタイトルによると、X先輩が早くも再来日。
「やあ洋、君もライドルを使ってみないか? 8人中2人が武器を携帯するようになれば、風見先輩の目も変わると思うんだよ。な……!」