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セーラー服宇宙同盟

電撃戦隊チェンジマン』感想・第42話

◆第42話「セーラー服のナナ」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 「蝶よ花よと育てられたこのシーマが、なんの因果か落ちぶれて、今じゃゴズマの手先。笑いたければ笑えばいいさ。だがな! てめえらみてぇにフォースまで薄汚れちゃいねえんだぜ!」
 長石監督が、第26話以来となる復帰(Wikipadiaによると、TVドラマのメイン仕事があって、離れていたとの事)。
 パトロール中に名門女子校の学園祭を目にした疾風は、渋る飛竜を口説き落とし、食べ物に目のくらんだ勇馬と共に学園祭に入り込むが、そこでバッタリ、ナナと再会。すっかり地球の女子校ライフを満喫しているナナと和やかに笑顔をかわすのだが、そこに突如現れた悪霊ギルークが、ナナをさらってしまう。
 「ナナよ、リゲルオーラを出せーーー」
 悪霊ギルークが完全な実体化の為のエネルギー源を求めていた→再びリゲルオーラに目を付ける(怨霊の執着込み?)、というのは巧く繋がり、不気味な儀式の祭壇にナナの身を横たえたギルークは、ナナからリゲルオーラを絞り出す為の黒ミサの儀式を開始。闇に包まれた空間で、どこからともなく現れた白装束が不気味に踊り狂い、その影響は遠征軍の母船にまで及ぶ。
 「私の目の前で、あの死に損ないのギルークに勝手な真似はさせるものか!」
 当初の予想からはだいぶ外れましたが、アハメスとギルークの因縁浅からぬ関係も面白く、チェンジマンのズーカ一斉発射により黒ミサ空間は破壊されてギルークは退散するが、アハメスの送り込んだ宇宙獣士カーゲがナナの影に入り込み、びゅっびゅーん! びゅっびゅーん! かげすたー! と、影の魔人ならぬ獣士に操られたナナは、おもむろに目からビーム。
 思えば第14話でも少女ナナがビームを放っていましたが、基本的に、光線技が使える種族なのか、テクノ惑星リゲル人。
 「ふふはははははは。何を言っても無駄よ。ナナはゴズマのセーラー服の少女戦士となって、お前達チェンジマンを倒すのだ!」
 だいぶネジの歪んだ事を言い出すシーマさん、この当時の「セーラー服」のアイコン性は現代から見ると割と謎ですが、或いは東映が「スケバン」的なるものにこだわりすぎなのか(「女番長」と書いて「スケバン」と読ませたのは、東映の映画『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(1971年)が初との事)。
 もういっそ、シーマもセーラー服で登場していたら物凄く面白かったんですが。
 「ゴズマといえども、ナナちゃんの心の奥までは操れない筈だ! 剣飛竜という一人の男として、ナナちゃんの心の中に訴えてみる。ゴズマなんかに、俺達との仲を引き裂かれてたまるか!」
 状況を確認した長官の助言を受けて飛竜は決死の説得に臨み、シーマとヒドラ兵を食い止める疾風達。
 《説得》ロールに失敗する度に目からビームを受ける飛竜だが、爆発の余波で倒れてきた電信柱からナナをかばった際、防御判定にクリティカルした事から、倒れた電信柱が影に潜んでいた獣士を直撃(笑)
 そして身を挺したカバーリングが、かつて幼いナナをトラックから助けた時の記憶を甦らせる。
 正気を取り戻したのも束の間、再び影獣士に操られてしまうナナだが、何者かの存在に気付いた飛竜はナナの影にドラゴンキック。だがそこに悪霊ギルークが再来して三つ巴の様相を呈し、ぎゅいーーーんと上昇する、ナナのヒロインパワー。
 「私はもう普通の女の子なのよ……リゲルオーラなんて、出ない」
 「失せろギルーク! ジャンゲラン!」
 セーラー服などに頼らずとも、ヒロインの座は渡さない!とアハメス様が勇躍乱入し、ギルークめがけて火炎放射。
 「死に損ないの幽霊め! 宇宙の墓場に戻れ!」
 「おのれアハメス~……」
 「ナナ、ギルークからは逃げられても、女王アハメスからは逃げられるものか!」
 女に迷ったイカルス王子の処刑によって失脚の危機を免れたアハメス様が絶好調で、やはりアハメス様は、高い所で調子に乗っているのが似合います。
 全員合流し、チェンジドラゴンから主題歌バトル。影獣士は青と黒を次々と操るが、ドラゴンが大ジャンプからパワーシンボルで太陽を覆い隠すという荒技で獣士の特殊能力を封じると、怒りのドラゴンサンダーから大リーグバズーカ2号で爆殺。巨大戦では影分身攻撃を受けるが、フラッシュでかき消し、スーパーサンダーボルトの錆とするのであった。
 結晶生物+ヤマアラシ+ニンジャ、とでもいったモチーフ混合感のあるデザインが印象的で、なかなか良い宇宙獣士でありました。
 チェンジマンはナナを連れて学校へと戻り、文化祭のフォークダンスに参加。なにやら飛竜がナナにモテている気配が漂うが、ほのぼのはそこまで。
 ナレーション「剣飛竜は、普通の女の子だと言い張ったナナの気持ちが、痛いほどわかっていた。しかし、ナナが普通の女の子で居られるのも、今夜限りであると確信していた。ギルークと、アハメスに見つかった以上、せっかく人間の世界に溶け込んでいた、ナナの生活は、もはや、平穏である筈がないのだ」
 次回――豪速球のサブタイトルで、なんか凄いものが!
 いよいよギルークが本格的な戦線復帰を成し遂げそうという事で、落ち目加減のアハメスとの因縁がどう転がるかなど、楽しみです。アハメス様には出来る限り、派手に、転げ落ちて最期を迎えていただきたい。そして副官コンビは、節操なく長い物に巻かれて尻尾を振ってほしい(笑)