『仮面ライダー(新)』感想・第21話
◆第21話「ストロンガー登場 2人ライダー対強敵2怪人」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝)
サイダンプの、
「俺はダム破壊のプロフェッショナルだ!」
は素晴らしい名言でした(笑)
香港とインドから来日した強力2怪人の大暴れが振り返られ、追い詰められたスカイライダーの前に姿を見せる、仮面ライダーストロンガー。
(ストロンガーも俺と同じ仮面ライダーか)
スカイライダーは事態を一瞬で飲み込み、クラゲとサイは大事な作戦前に仮面ライダーと戦い始めた事を魔神提督に叱られて撤収。岩石大首領の消滅後、7人の仮面ライダーは世界各地に散らばって悪の組織との戦いを続けていたとされて、『ストロンガー』以前の世界観と正式に接続されると、声が渋すぎて中身別人疑惑もあるストロンガーはクラゲロンを追って来日したと判明。
「スカイライダー、おまえの日本での活躍は知っていた」
2人の仮面ライダーは固い握手をかわし……一瞬さらっと流しそうになりましたが、「スカイライダー」の名称が劇中初出。
言われたスカイライダーの方はあっさりそれを受け入れており、そりゃもう、先輩のおっしゃる事でしたら、スカイでもスカポンタンでも好きなように呼んでやってください、へっへっへ……のライダー縦社会かと思っていたら……衝撃!! スカイライダーは、ストロンガー先輩に敬語を使わない!!
こ、これが、新世代のシティボーイ感覚なの……?!(動揺のあまり、自分でも何を書いているのかわかりません)
最近のキャラ付けは声の無駄に大きい空手青年の割にライダー縦社会に堂々たる反旗を翻すスカイライダーですが、ストロンガーはストロンガーでざっくりしたところがあるので、握手と見せて電ショぉック!! とはならずに受け入れ、クラゲとサイは、作戦を同時に決行するのではないか、と推測。
ストロンガーの計算によれば、東京全域にばらまくだけの毒クラゲが成長するまで3日――ブランカに顔を出した洋が「仮面ライダーに会ってきました」と告げると、激しく動揺する谷はそこまで事情通ではないと設定され、これはいずれ、立花のオヤジのところに挨拶にいかなくては社会的に消されます(現在のオヤジが心神喪失状態から回復しているかはわかりませんが……)。
(……ストロンガーが現れなかったら、俺はやられていた。そうだ、トレーニングだ)
シゲルの問いかけには「仮面ライダーの強さはおんなじなんだ」と誤魔化した洋だが、内心では己の力不足を痛感しており、このまま分業でなんとなく強敵を倒したらどうしようと心配していたので、訓練を思いついてくれてホッとしました(笑)
山に入って変身したスカイライダーが、目に付いた巨岩にスカイキックを叩き込むも破壊できずに弾き返されると、そうだ! その時を待っていた! と背後からストロンガーが姿を見せ、今回はもう、ここだけでおなかいっぱい(笑)
「俺が特訓の手伝いをしよう」
特訓の手伝い……それすなわち、立花藤兵衛になりきること!
自らスカイキックの的になるS先輩、分厚い胸板でスカイキックをあっさり弾き返し、格好いい。
「もっと回転を上げるんだ!」
ストロンガーのアドバイスを受けながら空中回転キックを繰り返したスカイライダーは遂に新必殺技・大回転スカイキックを生みだし、直撃を受けたS先輩が弾け飛ぶわけにもいかないので、支えに使っていた鋼鉄の鎖が千切れる事でその威力を示したのは、上手い演出でした。
特訓という名のイニシエーションを完了した2人が、これで君も正式に仮面ライダーだ! と襲名の杯をかわす一方、ネオショッカーでは魔神提督がストロンガーの裏をかく為に作戦を一日早めさせ、ダム爆破は職員の爆弾解除によって阻止されるが、毒クラゲがまんまと水道にばらまかれてしまうのは、思わぬ衝撃の展開。
東京都下に結構な被害が出ていると思われる中、ストロンガーはクラゲのアジトに乗り込み、スカイライダーはダムの職員を助け、アジトから逃走したクラゲはダムに移動して相方と合流。ドツキ漫才を挟んで、ダム湖に毒クラゲをばらまこうとするクラゲロンだが、ストロンガーがそれを妨げ……正直、客演ストロンガーの戦闘シーンにはあまり盛り上がれなかったのですが、一つには「変身」のワンパンチが足りない事、もう一つは声が渋くて落ちすぎている事で……なんというかこう、このストロンガーは、普通すぎます(笑)
私の中のストロンガー(城茂)像は、もっと鬼畜生寄りなのですが、年月の経過と共に少し落ち着きが出たという解釈は可能にしても、このストロンガーはストロンガーというよりも、パブリックイメージなライダー1号に近いというか、迷える後輩を救う為に、“仮面ライダーの概念”がストロンガーの姿で現れた、とでもいった感じ。
サイダンプは大回転スカイキックで消し飛び、相方を失って絶叫したクラゲは、ストロンガーの超電子ドリルキックの餌食となり、順番、逆では……? 感がありますが、最後は先輩の方に花を持たせる形で決着。
子クラゲは親クラゲを倒すと自然消滅するぞとフォローが入って、脅威のダブル怪人を撃破したダブルSライダーがバイクで走り去って、つづく。
ストロンガーの別人感が強くて客演としてはノリにくかったですが、洋が自発的に訓練を始め、先輩のアドバイスを受けて新必殺技に開眼するのは、良かったです。
次回――「よぉ! 来週もまた、殺(や)るからな」
ブランカでの談笑中に急にカメラの方を振り返ると、笑顔で拳を固めて宣言する予告洋、メタ空間の生み出す狂気とはいえ、本編洋よりぶっちぎりで面白くて困ります。