『仮面ライダー(新)』感想・第23話
◆第23話「怪人ムササビ兄弟と2人のライダー」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝)
谷とは旧知の人物であり、妻子の復讐の為にネオショッカーを追う男・伊東次郎が、ネオショッカーの連絡員が運搬中の作戦計画書の撮影に成功し……連絡員は何故、全身黒タイツでバイクに乗ってるの?!
わかりやすさ優先で、だいぶ奇天烈な画で始まりましたが、連絡員と通信が途絶えるやいなやネオショッカーレスキュー部隊が出動するのも、ちょっと面白い(笑)
24時間あなたを見守るネオショッカー保険!(※怪人被害には適用されません)
伊東から連絡を受けた谷は洋をともなって横浜へ向かうが、伊東の仲間に化けた怪人ムササベーダーにフィルムを奪われてしまい、洋が追跡。
「我らは」
「ムササビ兄弟よ!」
背後からもう一人のムササビ型怪人が現れると洋に襲いかかり、別にムササアルファーとかではなかったので、「ベーダー」は「ベータ」のもじりではなく「インベーダー」的なベーダーの模様。
変身した洋はなんとかフィルムを確保するが、それこそ魔神提督の目論み通りであり、提督は偽りのX作戦に仮面ライダーを引きつけている間に、本命のY作戦を成功させようとしていた。
「今度こそ、儂の勝利だ。うははははは!」
魔神提督が高笑いしているとは知らず、洋が取り返してきたフィルムを現像すると、そこには爆弾人間による新宿副都心破壊計画の概要が記されており、その阻止に向かう洋と谷。
何故か丸投げする伊東。
後どうも、ムササビ怪人の襲撃により支配人や客が全て姿を消した中華料理店の2階でフィルムの中身をじっくり解析していたようなのですが、ネオショッカーとの死闘が続きすぎて、みんなちょっと心が壊れています。
この屍を踏み越えて、ネオショッカーの野望をくじくのだ、とスカイライダーはライダー聴力により爆弾人間をあぶり出そうと頑張り……ぺ、ペガサスフォーム……!
だがそれもまた魔神提督の手の平の上であり…………おお、これはもしかして、以前にスカイターボに時限爆弾を仕掛けて失敗した際の、あいつ、時限爆弾の音に気付くしな……を逆手に取っていたのだとしたら、提督、賢い。
「聞こえる……この音はなんだ? ……あれだ!」
爆弾の起動音をキャッチしたスカイライダーが、眼下で散開する爆弾人間たちの動きに気付いて公園に飛び込むが、散らばったと見せて茂みに隠れていただけの爆弾人間に包囲を受ける一方、魔神提督は本命のY作戦――すなわち、横浜全滅作戦を発動。
谷がムササビ怪人の妙な動きに気付いたところに、何者かの電話を受けた伊東が駆けつけて、ネオショッカーの二面作戦を伝えるが、スカイライダーは爆弾人間の爆発に巻き込まれて宙を吹っ飛び、ネオショッカーの特攻作戦に苦戦中。
現場に近づいた谷と伊東から二面作戦について教えられるも、色々それどころじゃない!
ナレーション「新宿-横浜間50キロ。この離れた2点の攻撃を、仮面ライダーよ、どう守るのだ」
……ところに入るナレーションのテンポが絶妙でした(笑)
爆弾人間は既に横浜にも配備されており、マリンタワーから横浜中に出撃していこうとする部隊だったが……階段降りて姿が見えなくなったところで、一斉に大爆発。
すると、立ち上る白煙の向こうからハリケーンにまたがったV3先輩が現れる! のは文句なしに格好良く、主題歌インストも流して容赦なく場の乗っ取りを敢行する先輩(笑)
「貴様は?!」
「仮面ライダーV3! 只今参上!」
クレジットに名前がなくてどうなることかと思いましたが、声も恐らく、御本人でしょうか(少なくとも、ストロンガーの時のような明らかな違和感は無い)。
「勝手な真似はさせん!」
「名前だけは聞いていたが、貴様がV3か! Y作戦の血祭りにあげてやる」
V3とスカイライダーは、ペカペカと瞳の光る遠距離ライダー通信で意思疎通を行い、たぶんストロンガー先輩が帰国する前に、周波数を合わせてくれました!
横浜港バイクバトルで爆弾人間を壊滅させたV3は、ムササビ兄弟と激突。
新宿で爆弾人間を全滅させたスカイライダーは、セイリ……はせずに、新幹線よりも速いスカイターボで横浜へ急ぐとV3先輩と合流し、合成予算の削減の為なのか、志度会長の失踪後、セイリングジャンプとライダーブレイクが無かった事になる勢いなのですが、その割に先輩から「スカイ」ライダーと呼ばれるので、度重なるユニバースに移動により、アイデンティティが若干行方不明気味なのも、同期のウルトラマン80/矢的猛を思わせます(笑)
……全くの余談ですが、紆余曲折や時代背景が色々違うとはいえ、《ウルトラ》の主役が長谷川初範で、《ライダー》の主役が村上弘明のこの年、後年から見ると結果的になかなか凄い。
風見先輩に頼めばベルトのメンテぐらいやってもらえそうでありますが、多分、仮面ライダー社会についてよく把握できていないスカイライダーは、とにかくV3先輩と共にムササビ兄弟に立ち向かい、ダブルキックで一体を撃破。
内蔵された爆弾による相討ちを狙ったムササビBも、空中連携キックにより海上で派手な爆死を遂げ、物陰からそっと見ているに始まり、ほぼ概念的存在と化していたストロンガーと違って、今回は一定の“V3らしさ”があった事で、クライマックスの共闘に盛り上がれたのは良かったところ。
「やったな、スカイライダー」
「V3、君のお陰だ」
伊東への情報提供者であったV3の緊急来日により、ネオショッカーのX-Y計画は阻まれ、タメ口上等の新世代ボーイ・筑波洋は、いつか“会合”に呼ばれて、ケジメを取らされてしまう日は来るのか――?!
無理矢理にでも世界観を統一してくれるシンボルマーク、立花のオヤジが不在だと、洋の先輩たちへの理解度が色々と不安になってきますが、半年近く日本の状況を丸投げされていた感じなので、大目に見て貰えているかもしれません。
多分みんな、ゼネラルモンスターなら大丈夫かな……みたいな空気だったのが、魔神提督の着任で少し気にするようになりました。
次回――「よお! 今日のは面白かったろ! 次回もまた、最高だぜ!」
……己の活躍について、肯定感の溢れかえる予告洋が面白すぎて、もはや前半2クール分の元は取れた気持ち(笑)
昨年末の振り返りランキングで、ヒーロー部門の次点に入れた甲斐があったよ洋!!