東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

たちばなに休業の二文字はない

仮面ライダー響鬼』感想・第25話

◆二十五之巻「走る紺碧」◆ (監督:高丸雅隆 脚本:大石真司
 夏なので屋内プールでの鍛錬シーンから始まり、スイムスーツでやる気満々のヒビキさん。
 「北島康介選手に頭一つって感じですかねー」
 「……北京には間に合うな」
 イブキ王子は常日頃、水泳でスマートに鍛えている事が明らかになる一方、明日夢はトドロキと一緒に屋外プール施設に繰り出しており、この後の会話の成り行きからすると、明日夢母を引率役に、明日夢友人ズで毎年遊びに出ていたのが、すっかりカップルと化した友人2人の代わりにトドロキ&日菜佳が加わった形のようで、小学校の頃から親と一緒に遊びに行ったりしている為に明日夢くんの距離感がバグり気味と補強。
 香須実・日菜佳・明日夢・ヒビキが不在の中、あきらは何故かたちばなの臨時店員に駆り出されており……何がたちばなをそこまで営業にこだわらせるのか。
 関東支部の予算はたちばの売り上げで成り立っているのか。
 もはやこれは、あきらの精神修養ではないのか。
 ブラック猛士体質に骨の髄まで慣れきっている感のあるあきらもちょっと不憫になってくる一方、労働基準法では裁けない男・裁鬼は、粘着弾による不意打ちから水中に引きずり込まれての連続攻撃を受けて河童に完敗しており、響鬼の前座にもほどがある酷い負けっぷりを見せるのですが……
 「じゃ、くれぐれも裁鬼にお大事に、ってね」
 「河童にやられて溺れちゃったみたい」
 「そんな、おおごとじゃなさそうだから」
 ……復帰早々の完敗も事務総長にはさくさく処理され、もしかして裁鬼さん、それほど強くはないのだが、幾ら負けても短期間でさらっと現場復帰してくる豪運不死身タイプなのでしょうか(笑)
 裁鬼の代打として、ヒビキは急遽、秩父へ向かう事になり、初披露される愛車――その名を、凱火
 第25話にして、「バイクで現場へ向かうヒビキ」がたっぷりと描かれると、二体の河童を相手にさっそく紅した響鬼は魅惑の猛打を叩き込むが、しぶとく分裂した一体が逃げていき、夏の魔化魍は基本的に分裂仕様……?
 逃げる河童を追って、今作としては画期的な映像である、響鬼@バイクがアピールされ、響鬼は急に止まれない。
 粘着弾を受けながらも鍛えた筋肉でどうかにした響鬼は、空中で灼熱真紅の型を叩き込んで河童を葬り去り……響鬼が戦闘中に割と無駄口が多い(軽口を叩く)のは、スパイダーマン辺りを意識しているのかもしれませんが、油断するとガラが悪くなると思う、今日この頃。
 演じる細川茂樹さんの台詞回しが割と投げつけるような感じなので(実際、魔化魍に対しては殺意しかないわけですが)、軽妙さよりも乱暴さの方が出がちなのに加えて、響鬼が経験と筋肉で押し通るパワーファイタータイプな事もあって、けっこう荒くれ……まあこの辺り、「ヒーロー」というよりも「鬼」らしさへの意識が強いのかもですが。
 〔響鬼&バイクを見せなくてはならない → 香須実さんを同行させない為にどうするか → 河童の特殊能力を理由にしよう〕と組み立てられて、河童粘着弾から発生するガスで変な声になった状態を知られたくなかったヒビキ、がコミカルなオチに使われるのですが、なにぶん前回の今回なので、変な見栄を張って身内に隠し事をするとまた、巡り巡って重要な情報の伝達不良に繋がるのではと、笑いにくいオチになってしまいました(落ち度があったのは、今回よりも前々回-前回ですが)。
 他、
 ・河童の一件を知っていたあきらの父は、元鬼?
 ・トドロキ&日菜佳と旧知で鬼の事情も知っているらしい金髪青年ツトム
 ・先日倒れた所を助けた師匠が再登場してたちばなを訪問
 といった辺りが差し込まれるのですが、師匠は明日夢くんとは絡まないので再登場させた意味がよくわからず、ツトムは今回時点では好感も嫌悪感もどちらも無いただ出てきただけの半端な前振り(?)に終わり、テコ入れ要素でねじ込まれたと思われるバイク関係と、これまで通りにやりたい部分と、布石なのかどうかハッキリしないふにゃふにゃした描写と、助ける対象不在の一方的な暴力がメインで盛り上がりに欠ける響鬼紅の戦闘シーンと、物語の片隅でビーチボールと戯れている明日夢くんとが、混沌と入り交じって、もうひとつパッとしないエピソードでありました。