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響け夏太鼓

仮面ライダー響鬼』感想・第26話

◆二十六之巻「刻まれる日々」◆ (監督:石田秀範 脚本:大石真司
 OPに、トドロキ×ザンキ組や、響鬼紅&バイクが追加。
 明日夢くんは公園の草地にクッションを並べてドラムの真似事をしてみせ、思えばこういう描写も、ほとんど無かったのですが、全体的にキャラの癖や凹凸を強く付けないスタイルにしても、“もう一人の主人公”としての明日夢くんぐらいは、ちょっと冴えないけどドラム大好き、程度の手がかりは取り付けて良かったのではないか、と改めて。
 立ち上がりそれを、“ヒビキさん大好き”に偏らせすぎてしまったのは、それこそが極端に過ぎたかなと。
 トドロキは本日もカニを退治中で、電撃パンチと電撃キックで童子と姫を粉砕すると、化けガニも雷電激震。一方、夏服太郎が化けネコ童子と姫を生み出し、帰り道で不審な情報を得たトドロキからの連絡でヒビキと日菜佳が急遽出動する事に。
 お見送りにもすっかり慣れた明日夢くんは、久々登場のみどりから魔化魍には大小のカテゴリがあると解説を受け、小型(人間大)で音撃耐性も低いが自己増殖する性質を持つ、特異な夏の魔化魍に対してパワフル&スピーディにバチから簡易音撃を叩き込む事で「数」に押し負けない為の夏仕様が、響鬼紅と位置づけ。
 どうせ長台詞でまとめて説明してしまうなら、太鼓合宿編の時にしておいた方が色々スムーズになった感じがありますが、太鼓祭りや響鬼紅関連の混迷が影響したのだろうかと感じるところ。
 ……ところで久々登場のみどりさん、こんなに鼻が詰まったような喋り方でしたっけ。
 その頃、香須実さんと急接近中のイブキ王子(大丈夫? 死ぬの?)は、街中で何やら不気味な気配を感じて着物姿の男女を追うが、逃げ水のような2人に追いつけないまま振り回され、サスペンスをひと味。
 まるで夏の陽炎のような相手に向け、ディスク使い魔を放つイブキだが、視界から外れた瞬間に使い魔は行動不能に陥っており、後半に向けた大きな布石といったところでしょうか。
 古寺では猫又の尻尾から新たな猫又が生み出され、トドロキと合流したヒビキは、引き続きトドロキには変に当たりが強かった…………ああ、ええと、もしかしてこれはあれですか?
 忘年会で腕相撲に負けた一件……根に持ってる?
 「あのなぁおまえさっきから、何度も何度もザンキさんザンキさんザンキさんって!」
 「えぇ?! いや別にそんな事ないっスよ……」
 「トドロキくんは、ザンキさんが大好きだから、仕方ないですよ」
 日菜佳の視線もフラットになり、ヒビキ的には、もっと自主的な気概をもって独り立ちしてほしいエールみたいな意識もあるのかもですが、後輩からいまいち慕われず、嫉妬の炎を燃やす31歳であった。
 ……イブキ王子は、特別ヒビキさんに懐いているというより、誰に対しても当たり障りのない適度な距離感を保ちそうですしね!(第23話で関係者の老人がイブキについて「宗家」と口にしていたので、将来的に幹部サイドに入る事を見込まれている点に自覚的でもあるっぽく)。
 前回プールで出会った青年・津村努がたちばなを訪れると、「地下のみどりさん」で話が通じる元関係者っぽさを見せ、あきらは知らない顔のようですが、一番思い切った可能性は、ヒビキさんの元弟子とかでしょうか。
 化けネコの居場所を探すヒビキらは、童子と姫に襲われていた虫取り少年たちはさすがに助け、響鬼が紅にバーニングしたところで、つづく。
 いまいちふわっとしたキャラ描写や、急な説明シーンなど、不安定さは続くものの前回に比べるとだいぶテンポは良く、石田監督の腕もあるのでしょうが、基本『響鬼』の間合いを維持しながら一話完結のエピソードをやるのは難しかったのだろうなと(今回に関しても戦闘シーンはかなり短く切り詰めていますし)。
 加えてバイクの登場オーダーや、長めの戦闘シーンもネックになりましたが、そこで例えば、「バイクで無いと戦いにくい魔化魍」など、“バイクとヒーローを繋げる工夫”を凝らしている余裕が無いので、ヒビキwithゴツいバイクの初お目見えが、移動シーンでの強引なアピールしか手札が無い、となってしまったのは残念だったところ。
 少なくとも前回に関してヒビキのバイクは「移動手段の代替」でしかなく、それが本来なら蓄積がある筈のVS怪人バトルが平板に見えてしまう一因になっていたわけですが、出したら出したなりの「バイクの意味」は描いてほしいところではあります(シリーズとしては、じわじわ“バイクの重み”が減少していく時期ではありますが、前作『剣』はそこで、會川昇がかなり意識的に「バイクの意味」を盛り込んで活用していた事でもありますし)。