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タマゴはエゴスの優等生

『バトルフィーバーJ』感想・第13話

◆第13話「金の卵と目玉焼き」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
 「サタンエゴスの息子、タマゴ怪人」
 「…………おおぉ、御子よ!」
 割れた殻の奥に目玉が一つ見える頭部デザインはグロテスクな一方、黒タイツの上からひび割れたタマゴを被った丸みのある体型はどこかユーモラスで、総合的には少々間の抜けて見える怪人がニワトリの物真似物をしながら誕生し、若干、大丈夫かなこいつ……と間が空くヘッダー指揮官。
 「父上、これより、目玉焼き作戦を展開します」
 「目玉焼き作戦と申しますと?」
 「子供達に、大好物の目玉焼きを食べさせる作戦だ」
 「……はてさて。私めには、とんと……」
 重ねて、大丈夫かなこいつ……という表情になりつつも、自分を下げて言葉を選び、遠回しに真意を尋ねるヘッダー指揮官は、世渡り上手。
 「ふふふ、まあ見ておれ。作戦開始だ!」
 今日のサタンエゴス様は自信に溢れて勢いが良く、やはりベールの向こうでは、3人ぐらいの交替制なのかもしれません。
 怪人が巨大なタマゴに姿を変えると、サタンエゴス様の光線を受けて中から生まれたのは、黄金のトサカを持つニワトリ。青系の背広に衣装チェンジした謙作は、マサルたちがこの金のニワトリを捕まえようとしている場面に出くわすと、フィーバー流のトラップで捕獲に成功。
 「よおケニア……トサカが金色の鶏なんて居るかなぁ?」
 出勤すると、割と真面目に曙に質問するのが、ちょっと面白かったです(笑)
 誰かの悪戯で、カラーひよこの類だろうと一笑に付されると、九官鳥もそれに同意して謙作に罵声を飛ばし、それに怒った謙作の、
 「がたがた抜かすと、口から手ぇ突っ込んで電池引っこ抜くぞ!」
 が凄い(笑)
 果たして、九官鳥元帥の動力は電池なのか、誰か電池を替えた事はあるのか、もしかするともしかしないとは言い切れない事も無いかもしれない中、子供たちの一人が家に連れ帰った金のニワトリが、雄鳥なのに金色のタマゴを次々と産み落とし、試しにそれを目様焼きにして恐る恐る食べてみると、お父さんのぎっくり腰が、奇跡の回復!
 それを契機として、美容と健康にエゴス印のゴールデン卵が効果抜群!(※個人の感想です) と密やかに目玉焼きの輪が広がっていくが、卵を食べた人間はもれなく額に×印が浮かび、怠惰に溺れるようになってしまうのであった。
 ほのぼのとしたBGMとは裏腹に、目玉焼き作戦によるエゴスの洗脳は着々と進行していき、マサル経由でケイコも目玉焼きを口にすると、出社を拒否。
 さっそく謙作が様子を見に向かい、身内が関係している為か、いつになく対応が早い(笑)
 家でラジオを流しながらダンスに興じていたケイコの「美人になったでしょ」発言に失笑する謙作だが、テーブルの上に黄金の卵の殻を発見すると真剣な表情に一変し、BGMも重苦しいトーンに切り替わると、闇の中でケイコの額に浮かぶ赤いX印。
 「……エゴス」
 ぎっくり腰一家の食卓に続き、日常が暗転すると共にエゴスの印が浮かび上がる演出が、密かに忍び寄るエゴスの魔手の表現として、非常に効果的。
 サタンエゴス様は「子供を狙え」とおっしゃっていましたが、美容にいいを合言葉に主婦層のネットワークでゴールデン卵が広がっていくのも風刺が効いていると共に説得力があり、黄金のニワトリを見つけ出す謙作だが、羽根による迎撃を受ける。
 それをかわした謙作への「ただのネズミじゃないな」と、対する謙作の「ただの鶏じゃないな」のやり取りが秀逸で、鶏小屋の中からニワトリをつかみ出す謙作だが、既に洗脳は、エゴスの肯定にまで進んでいた。
 「サタンエゴスは私たちの神」
 「なに?!」
 狂信者と化した主婦たちに捕まった謙作は、目玉焼きを口に突っ込まれるも辛うじて逃げ出し、コサックにフィーバーしてタマゴ怪人と一当たり。
 逃げたタマゴ怪人が冷蔵庫の中に身を隠すと、エゴス戦闘員の襲撃を割と力の入ったバイクアクションで切り抜けて事の次第を本部に報告し、今作放映中に『仮面ライダー(新)』で《仮面ライダー》シリーズが復活しますが、『ストロンガー』との谷間を埋めるバイクアクションの面もあるでしょうか。
 「目玉焼き作戦……そう言ったんだな」
 基本、何を報告されても重々しく呟く鉄山将軍より事件の調査を命じられるBF隊だが、後手に回っている内にゴールデン卵の影響は更に拡大。地域の学校は次々と休校になり、商店街には軒並みシャッターが降ろされ、社会活動の停滞を招いてしまう。
 「小学校どころか、中学・高校まで休校になったそうです」
 「そうか! ふふふふふ、作戦は順調だな」
 サタンエゴスの様の真の狙いは、易きに流れやすい人間心理を利用して、世界中に怠惰の輪を拡大する事。そうすれば、10年、20年後には世界は易々とエゴスのもの……というか今のペースだと数年待たずに世界経済が死にそうで、事態が明らかにサタンエゴス様の想定より拡大しています!
 国防の為なら小学生を平然と囮に使うBF隊だが、国防の為とはいえ一般市民の中にミサイルを撃ち込むのはさすがにもみ消しにも限度がある、と黄金のニワトリの確保に頭を悩ませていると、一計を案じた謙作が変装してニワトリに近づこうとするが……失敗。
 したのですが、何故か外へと釣り出されたタマゴ怪人はBF隊に囲まれ、ユーモラスとグロテスクが同居した怪人デザインと、人間心理を利用した作戦の思わぬ規模拡大は面白かっただけに、打開策が急に凄く雑になったのは残念。
 主題歌バトルが繰り広げられ、ピンチになった怪人がタマゴロボットを召喚すると、タマゴ爆弾に追われる5人はバトルシャーク出動を要請し、バトルフィバーロボ、シュート。
 「あ、バトルフィーバーロボよ」
 「よし、ペンタフォースだ」
 全くよくわからない理屈の接続でペンタフォースが発動するとタマゴ怪人は消し飛び……もしかして、怪人はいつでもペンタフォースで爆殺できるが、エゴスが悪魔ロボットを繰り出し、BFロボでの戦闘が行われると、危険手当が増額されたりするんですか?!
 国防も大事だが、同じぐらい給料も大事だ、と5人がロボにジェットオンすると、バトルスティックとタマゴステッキがぶつかり合い、BFロボ、抜刀。
 ステッキの先のタマゴを鮮やかに一刀両断するも、頭部から飛び出た身を投げつけられるが、怯まず放たれたクロスフィーバーによりタマゴロボットも弾け飛び、最後は皆で目玉焼きを頬張って、一件落着。
 忍び寄るエゴスの魔手と社会風刺が上手く重なって上原先生の味が出た、なかなか秀逸な一編でした。
 次回――銀河を貫く伝説の嫁取り?!