東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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捧げなければ生き残れない

20年ぶりの『龍騎』メモ・第39話

(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第39話「正義」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:小林靖子

  • 「これは俺の経験なんですけどね、知りたいのにそれが出来ないっていうのは、知るなって事なんですよ、危険のサインなんです」「それを知るのが私の仕事よ! 弁護士だってそうでしょ?!」「……好きだな~、そういうところ。令子さーん」……ここの北岡の芝居はとても良かった(笑)
  • 「あれは……仮面ライダーオーディンは、誰だったんだ?」「誰でもない。13人目は何度でも存在する。最後のその時まで」……蓮の前には神崎士郎が姿を現し、オーディンは“最後の試練”そのものだと告げ、「オーディン」の名前は、ここが初出となり、久々に蓮がライダー名を呼ぶ係となりました。
  • 「優衣が、狙われている」……士郎に告げられ、早速カチコミに向かうチンピラの騎士。秋山は一貫して、優衣ちゃんに優しいのはいいところ。
  • 真司と東條は神崎邸へ向かう途中に令子と出くわし、蓮は香川の元へ脅迫に行き、チンピラ全開。
  • タイガの正体に関してのミスディレクションが終了し、東條、初のタイガ変身。
  • カメラ記憶を持つ香川が、偶然目にした神崎士郎の研究ファイルから作り上げたのが、オルタナティブデッキ。
  • 「この癖でいつも損をしてるんですよ。余計な事を覚えてしまって、頭から離れない。そして、間違った彼の計画を止めるには、英雄になるしかなかったのです」……“優しい父親”の顔を見せた香川には香川の信念がある事が描かれ、香川先生は、好きなキャラ。
  • それはそれとして、一度無意味にデッキを天高く放り投げ、「変身」と言ってからキャッチしてベルトにはめる凝ったポーズは、深夜の書斎でこっそり練習しました。今見ると、メロン兄さん(『鎧武』)の変身ポーズは、これのオマージュでしょうか。
  • 龍騎&タイガvsミラーモンスター、ナイトvsオルタナティブ香川の戦いが同時進行するが、香川は既に、無機質なお面顔のモンスターを優衣への刺客として放っており、「正義の為です」と言わせるのが大変いやらしい造り。
  • オルタナティブはナイトの攻撃を読み切って反撃に転じ、龍騎とタイガは一緒にファイナルベントでモンスターをさくっと抹殺するが、タイガはいきなり、マサカリ振るって龍騎を攻撃。
  • 「仲村くんの為に泣いたのは、ホントなんじゃないかな。残念だったし。城戸くんの為にも、泣くかも」「……おまえ……全然、わかんねぇよ……」……見ている側もわかりません!
  • 20年前は、東條に関して、なんだこれ……みたいな印象だった記憶なのですが、20年後に見ても、なんだこれ……でした!
  • ミラーワールドに引きずり込まれた優衣に迫る仮面のモンスターだが、突如として大爆発が巻き起こってその足を止めると、優衣は少女時代、兄と一緒に描いた無数のスケッチを思い出す……。そして、アパッチモンスターが優衣を守ると火球を吹いて、爆発爆発大爆発。
  • ナイトサバイブが竜巻攻撃を目くらましに使って優衣の元へ走る一方、法の檻に閉じ込められた浅倉は、法の守護者の手を借りて再び解き放たれようとしており、次回――祭だ祭だぁ!!

 香川一党が表舞台に出てきてより、主人公の対立サイドが「正義」「勇気」「英雄」を連呼して「大事の前の小事」を唱えるいやらしい展開になっておりますが、前々作『クウガ』が、最終的に“ただ一人の”英雄を生み出してしまう事により、ある意味で“今の世界”の敗北に着地した(だからこそ次は“人柱”を捧げなくていいように、“より良い社会”を目指して歩んでいこう、に物語としては希望を描いて帰結する)のを考えると、「世界の為に小娘一人を犠牲にしようとする」香川一党よりも、「世界の為に死ぬ事を求められる」優衣の方がむしろ、「英雄的行為」を求められているといえるのが、裏の主題ではありましょうか。