東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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絆と愛の幻想戦記

ユニコーンオーバーロード』クリア

 ここのところ黙々とプレイしていたシミュレーションRPGユニコーンオーバーロードをクリア。
 いや面白かった!
 とにかくテンポの良さが素晴らしい作りでしたが、それを維持したまま全体のボリュームも充分にあった上で、最後の最後まで丁寧に作られていて、大満足でした(以下、ストーリー内容には触れません)。
 プレイ時間は、約150時間。
 私は割と無駄に時間をかけるタイプなので、ちょっと長めかとは思いますが、マップを歩くとどんどん敵勢力にぶつかって飽きさせない(止め時を失いがちな)ストーリー進行と、それはそれとして、自軍の編成などにはじっくりと時間をかけて戦いに臨める部分を両立させたゲームデザインが、秀逸でした。
 自軍の強化に繋がる宝探しなどのサブ要素も、ストレスにならない程度かつマップ上を歩き回る面白さと繋がっていて、メインストーリーを阻害しない程度のアクセントとして良い案配。
 大陸各地を飛び回り、(一定の制約内で)好きなルートから自陣を広げていく基本システムも、ゲームとして割り切る部分は割り切りつつ、それを成立させる為のシナリオがしっかり組み立てられているのも好印象。
 テンポの良い進行と共に、テンポ良く新戦力も加わっていくので、次はこのユニットを使ってみたい、そうするとこういう運用もできるのでは、といった試行錯誤も楽しく、自軍を“どう強化していくか”の段階から、ゲームを“どう進めていくか”を楽しめるのが、好みと合う一作でした。
 また、敵ユニットとのLV差による経験値補正が働く事で、LV上げを抑制しつつ(これは進行ルートの制限とも直結)、ユニット間の相性をやや極端にする事により、性能の高いユニットだけ並べておけば勝てるわけではないバランス(一部、万能で強いユニット群も存在しますが)が最後まで保たれ、色々なユニットを使い組み合わせる面白さが維持されたのも良かったところ。
 なので後半に行くほど、敵の陣容を見てからの自軍の編成に時間がかかる事になるのですが、それがゲームとしてのやり応えにも繋がって、“面倒くさ楽しい”のあるゲームでした。
 戦闘マップ上でいつでもセーブ/ロード可能な点も含めて、シミュレーションRPGとしての難度はさほど高くなく、最近のゲームらしく、複数の難易度が設定された上で後から変更できる親切仕様。ノーマル的な難易度でプレイしましたが、一つ上の難易度でも良かったかも、ぐらい。
 それから、制作がグラフィックの美しさに定評とこだわりのあるヴァニラウェアという事で、今作でもそれは大きな武器になっている一方、戦闘シーンの「早送り」が実装されていたのは、大変嬉しかったところ。個人的には、一度「早送り」を覚えてしまうと、大体早送りしてしまっていましたが、もっと思い切りよく「スキップ」も付いており、見せる事にこだわりすぎずに、シミュレーションRPGとしてのスピード感に配慮が見えたのも良かったところです。
 編成の変更を頻繁に繰り返す割には全ユニットの一斉解体が出来ないとか、ソートの使い勝手が微妙とか、操作系の不満が全く無いわけではないですが、シミュレーションRPGでストレスになりがちな部分が大体において回避されており、最初に書きましたがとにかく、全体的なテンポの良さが素晴らしかったです。
 ストーリーやシステムなど発売前に出ていた情報から、大袈裟にいえば、《ファイアーエムブレム》シリーズや『伝説のオウガバトル』ファンに届いてほしい、というメッセージ性も感じていた今作ですが、その期待に応えてくれた出来。
 特に《FE》に関しては、ゲームシステムこそ大きく違いますがオマージュを感じる節はあり、そうした過去の名作のエッセンスを取り込みつつ、ヴァニラウェア色を出しながらレベル高くまとめた、大満足の一作でした。