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権力と暴力の頂点

『バトルフィーバーJ』感想・第37-38話

◆第37話「電光剣対風車剣」◆ (監督:平山公夫 脚本:江連卓)
 龍神岬に伝わる四面龍神像がエゴスの手によって爆破され、九官鳥元帥からそのニュースがBFメンバーに伝えられるが、一同揃ってトランプゲームに夢中。
 「うるせぇな。ぐちぐちぐちぐち、今そんなところじゃねぇんだよ!」
 「ああそうだよ、そんな事は地元の消防署に任せとけばいいんだ!」
 九官鳥がわざわざアナウンスして来た意味を考えようともせずに乱暴に吐き捨て、何とはいいませんが、多分、賭けてる。
 仕事の線引きが明確とはいっても、「子供が巻き込まれていると聞かされても気にもかけない」「マスコットとまではいわないが、小動物型ロボットに対して、やたら口が悪い(態度がきつい)」と、今日ではまずやらないであろう描写がチームカラーとして徹底されており……やはり今からでも、《スーパー戦隊》の歴史に加えておいていいのか、再審査した方が良いのでは(笑)
 「爆破したのが、サタンエゴスの手の者としてもか」
 そこに案の定、情報を入力したの儂なんだが、としかめっ面の将軍が顔を出すと、気付いた全員、起立して直立不動(笑)
 龍神像伝説の真相とエゴスの目的を探ると共に少年も救助してこい、と指令を受け、曙とマリアが海辺の村へ向かう途中、浜辺に漂着して救助を受けていた少年と、同じく流れ着いた龍神像を発見。
 ところが龍神像は、文化省を名乗ったエゴスに回収されてしまい、それを追う曙(後年よく見る事になるジープとの組み合わせ)だが、龍神像を取り戻そうと無謀な行動を繰り返す少年を人質に取られ、二人揃って囚われの身に。
 「わかったぞサロメ。四面龍神の聖なる力の秘密は、その心臓部にある」
 サタンエゴス様は龍神像を分析してその秘密に気付き、最近忘れがちでしたがそもそもオカルト結社なので、村に言い伝えられる謎の龍神像! その内部には神秘の宇宙パワーが!!! とか、サタンエゴス様の大好物でありました。
 像の中には宇宙エネルギーを吸収する特質を持った水晶玉が埋め込まれており、それを素体としてカプセルから誕生する、四面六臂の四面怪人。
 「サタンエゴス様、御子様なら、バトルフィーバーなどひとひねりでございますな」
 四面怪人は、6本の腕で同時に剣を振り回す風車剣の力を見せつけると、特殊原子砲の製造に必要な、ウラン鉱石とダイヤモンドの強奪に出発。
 牢屋では、漁に出たまま行方不明となっている父親の無事を願って、村の守護神である龍神像を取り戻す事にこだわっている少年の背景が肉付けされ、少年に像の奪還を誓う曙が正統派のヒーローらしさを見せますが、6分ほど前までは、
 「うるせぇな。ぐちぐちぐちぐち、今そんなところじゃねぇんだよ!」
 (賭け)トランプに夢中でした!
 エゴスは国防省原子力研究所を襲撃し、ウラン鉱石を強奪しようとすると、それを止めようとバトルフィーバーが立ちふさがり、ケニア不在の名乗りから主題歌バトル。
 だが、四面だけに四方向から攻撃されても大丈夫、と四面怪人はBF隊を投げ飛ばすと、放たれた風車剣が4人を軽々と打ち破り、一人足りないとはいえ名乗りから一分余りで、バトルフィーバー完敗。
 「将軍、四面怪人の風車剣には、太刀打ちできません」
 そして、給料以上の仕事をする気が無いので、諦めが早かった。
 「ケニアを待つ時間は無い。君たちだけでやってくれ」
 「しかし、ペンタフォースが……」
 「……わかった。儂が行こう」
 泣き言を漏らす部下を前に、着物に着替えた将軍が日本刀を手に取り、四人のBF < 風車剣 < 儂 で、鉄山一人が、凄くナチュラルに、4人より強い扱い(笑)
 「風車剣を儂の電光剣が斬る!」
 曙が少年と共にエゴスアジトからの脱出に成功する一方、四面怪人とエゴス構成員は街でダイヤをかき集め、「儂が行こう」=逃げたら斬ると解釈したBF隊は、俺らなりに頑張りました! とアリバイ作りの為に突然の突然の飛び道具で四面怪人を撃ってみるが、宇宙パワーにより無効。
 そこに逃げてきた曙が合流すると、何故かほのぼのBGMでバトルケニアを名乗り、音楽事情の苦しい今作にしても、だいぶ珍妙なシーンに。
 ケニアが怪人に飛び蹴りを決めると、即座にペンタフォ……と思ったら、四面怪人の姿を見て、「龍神様だ! 龍神様が眠りから醒めたんだ!」と解釈した少年が止めに入り、龍神様に父の無事を願う少年の心情を慮ったケニアが、ペンタフォースを拒否……する中、戦場へ向けて疾走する鉄山。
 ペンタフォース抜きで四面怪人に立ち向かうもBF隊が蹴散らされる中……戦場へ向けて疾走する鉄山。
 弟ロボットも出現し、いよいよバトルフィーバーが追い詰められたその時、エゴスが滝壺に捨てていた本物の龍神像がケイコとトモコによって現場へ運び込まれ、ようやく少年が事情に納得すると、改めて放たれるペンタフォース!
 …………効かなかった。
 「駄目だ!」
 「ペンタフォースが効かない!」
 「ジャパぁぁぁぁぁン!!」
 これまで、数多の怪人を無慈悲に葬り去ってきたペンタフォースが、長年に渡り龍神像に蓄積されてきた宇宙パワーの前にあっさりと弾き返されると、そこに鉄山将軍が駆けつけ、満を持して放たれたヒーローチームの必殺技が、長官ポジションの踏み台にされる超・絶・作・劇。
 どう考えても、少年の心を守り抜いたBFのペンタフォースが四面怪人を撃破する流れだったのに、往年の時代劇スターのオーラがペンタフォースよりも時空をねじ曲げているのですが、そもそも鉄山による決着ありきだったと思われるのに、無効にされるペンタフォースを巡る一悶着がエピソードの軸にされた事の方に困惑します。
 ……もしかすると、元々は曙と少年を主体としたプロットに、鉄山フィーバーを後から強引にねじ込んでこうなってしまったのかもですが。
 「儂が闘おう」
 刀を抜いた鉄山が前に進み出ると、四面怪人の作り出した闇の中で両者は対峙し、鼓が拍子を打ち鳴らし、空に稲光が轟く中、闇の中に白刃が閃くと打ち破られる風車剣。
 「鉄山流――電光剣」
 続けて、鉄山の刀が玄妙に円弧を描き、BFロボの必殺剣は鉄山流のモーションであった事が明確にされると、中断の横薙ぎから二の太刀で袈裟掛けに切り落とす、まさしく電光のような一刀が四面怪人を捉え、怪人は大爆死(怪人を斬るや即座に距離を取っている将軍の場慣れ感!)。
 その際に素体とされていた水晶玉は像の中に戻り、残る四面ロボットにはBFロボが立ち向かうと、給料分は働くぜ! とバトルスピアを腹に突き刺し、弱ったところに唐竹割り!
 かくしてエゴス最強の怪人がバトルフィーバー最強の男によって切り伏せられると、少年の元には、父の乗っていた漁船がシドニー湾で発見され、乗組員は全員無事、と吉報が届いて大団円。
 「将軍! 休暇いただけますか?」
 「いいだろう。そのかわり、今年のケニアの休暇は全部取り消しだ」
 ナレーション「こうして、バトルケニアの休暇は粉砕された」
 ……じゃなかった、
 ナレーション「こうして、サタンエゴスの陰謀は粉砕された」
 美味しい魚を目当てに、少年と龍神像を村へ送り届ける役を買って出た曙が、将軍に粉砕されて、つづく。
 序盤を除いては抑え役に回っていた鉄山将軍がおよそ30話ぶりに抜刀し、後年でいうところの、役者さんの特技をキャラクターに反映して物語に取り込んだエピソードのパターンといえそうですが、役者さんの特技が「日本刀による殺陣」であった為に、とんでもない事になってしまったエピソード(笑)
 個人的には、鉄山将軍だから仕方がない! で済ませられましたが、落ち着いて考えるとだいぶ無茶苦茶な話でありつつ、この無茶苦茶さ加減は後々まで、スーパー長官ポジションの系譜に影響を与えたエピソードであるのかもしれません。
 次回――ドクロキノコ怪人とコスプレ祭り。

◆第38話「怪奇! 仮装行列」◆ (監督:竹本弘一 脚本:曽田博久)
 特になんの言及もなくヘッダーが復帰すると、怪人カプセルの中から生み出されたのは、全身白タイツの男。
 「これが御子ですか?」
 生まれた時から謎の毒に冒されている御子は、病院を経由して血清科学研究所へと運び込まれると、そこでドクロキノコ怪人へと変貌。医療関係者たちを毒ガスで皆殺しにすると研究所の毒を盗み出し、一手間を掛けた割にやっている事は……押し込み強盗。
 地下水路を疾走するBF、霧の中を探り回るBF、とちょっと変化をつけた演出が続き、逃走する怪人を追ってBF隊が辿り着いたのは、霧の中に建つ怪しげな屋敷と、そこで開かれている仮装パーティ。
 「入るからには、俺たちも……」
 「でも、もし罠だったら」
 「……罠とわかっていても、やらなきゃならん時もある」
 約1名、そのまま入れそうな人が居ますね!!
 もう誠一人でいいのでは? と思わないでもないですが、5人それぞれ、仮装に身を包んでパーティ会場へと入り込み、鞍馬伝狗が割とノリノリ。
 会場の隣室にサロメらの存在を確認する5人ったが、パーティの参加者たちはエゴスと関係ないただの一般市民に過ぎない、と先手を取られて動きを封じられ、主催者の魔女の手の上で転がされる事に。
 (これではもうみんなと作戦を打ち合わせる事ができない)
 (くそ……隣の部屋にはドクロキノコ怪人が居るというのに)
 隣室でガス噴射装置の用意が進む中、機転を利かせた曙が机の上に乗ると手旗信号に見立てた動きで暗号を送り、ダンスをしながら示し合わせた5人は逆襲の一手を打ち、とんちきな画にスパイアクション風味を組み合わせ、更に元々のコンセプトであったダンス要素を加えるのは、面白い趣向となりました。
 故意に停電を起こした5人は、マリアが主催者の魔女に扮して隣室に踏み込む事に成功し、噴射装置を破壊するとフィーバー!
 屋敷の外に飛び出すと、逃げたパーティー参加者を守りながらの戦いを余儀なくされるが、エゴスの待ち伏せを受けた参加者たちは至近距離からの銃弾の斉射に倒れ……まさかの皆殺し?! と思ったら、割と頑丈に皆生きているさすがに無理のある展開は、結局は参加者たちもエゴス戦闘員だった事で解決。
 市民が重傷を負ったと見せかけ、かばいながらの撤退を図るBFに奇襲を仕掛けるちょっとした変化球で、エゴス戦闘員がアクロバットな動きを見せる面白みはあったものの、展開そのものは、間延び気味。
 怪人追跡の最初から変身しているなど、生身5人の出番がほぼパーティー会場のみなので、なにか撮影(スケジュール)上の都合があったのかとは思われますが、番組史上最長ぐらいの集団戦が続く中に、キノコロボットが出現。
 日米がロボに乗り込む新パターンで、地上では毒ガスをかわして仏コケが飛び回ると、ペンタフォース!
 残るロボは斧と斧がぶつかりあうと思わぬ格闘能力を見せるが、振り払って投げ飛ばしたところから唐竹割りでフィニッシュし、エゴスの毒ガス作戦は失敗に終わるのであった。
 今作の竹本監督回は、戦闘シーンの過去映像パッチワークや、巨大戦の省力化など、撮影カット数を抑えようとしている節が随所に見られるのですが、今回も、冒頭のやたら長い御子誕生シーン(人間体の怪演で誤魔化すメソッド)を始め、コスプレ要素以外は随所で省エネを感じる作りで、スケジュール的に厳しいなどあったのかもしれません。
 パーティー会場そのものが幻覚ガスの作用で見えていた幻で、そもそもは廃墟だった……割には壁の配電盤で停電を起こせるとサロメらも混乱に陥っていたので、多分エゴス側もみなガスの影響下にあったと思われますが、ノリノリの鞍馬伝狗はコスプレ回らしい面白さではありました。
 次回――いつもと音楽もトーンも違う不気味な予告で、ホラー調。