東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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獣か人か闇に光る目

仮面ライダーアマゾン』感想・第9-10話

◆第9話「ゆけアマゾン! カニ獣人の島へ!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:伊上勝
 食糧となる血液の為、人間狩りを続けるゲドンだが、血が不味い、若い娘の血がいい、と贅沢を言い出した十面鬼により送り出されるカニ獣人……が、大体カニ
 ゲドンに拉致されそうになった女性の悲鳴を聞いた大介は走り出し、ジープをダッシュで追跡。コンドルロープでビルの壁を登っていく新たなアクションが加わるが、カニの罠にはまってビルから落下寸前、辛うじて回避。
 カニの鋭いハサミに体を切り裂かれ、再び屋上から落とされそうになる大介だが、反転ジャンプで背後を取ると、噛みつきよりも女性を逃がす事を優先する姿を見せ…………カニ獣人は、横歩きしか出来ないの?
 大介に逃げられたカニ獣人は、モグラ獣人を脅してアマゾンの弱点を聞き出そうとし、最初は誤魔化すもマサヒコの名前を口に出すが、子供はどうでもいい、と却下されると今度はリツ子の名を出し、ようやくちょっぴり上がるリツ子のヒロインゲージ。
 「ありがとよ。死んでもらうぜ!」
 「約束が違う!」
 「ゲドンに約束も何もあるか!」
 首ちょんぱされかけたモグラ獣人はなんとか地中に逃げ、カニ獣人はリツ子を狙って動き出し、反省はしたモグラは謝罪と共にこの一件をマサヒコに伝え、
 「つい、ゲドンに、しゃべっちまって」
 で済まそうとするの、凄い(笑)
 私の中では、モグラ獣人の中身は火野正平です。
 「アマゾン……守る」
 マサヒコの叫びを聞きつけた大介は、リツ子がゲドンに狙われていると知ると護衛を務めようとするが、当のリツ子からは半裸男のガードなんてお断りけんもほろろに扱われ、ファッションを見るにリツ子は大学生設定でしょうか。
 「いいこと。ゲドンが日本に来たのは、あなたが日本に来たからなのよ。あなたがアマゾンに帰れば、ゲドンも居なくなるわ。日本から出てってよ!」
 相変わらず、大介への態度が一定しないリツ子ですが、20前後の女性としては友人に、常時半裸男と知り合いだと思われるのは困るのは大変頷けるので、ヒステリックな反応になるのもむべなるかな。
 人間社会で生活していなかった大介にはどうしようもない事ではありますが、東映ヒーロー男性陣に見られがちなデリカシーの無さが、大変悪い形で発揮されてしまいました。
 ショックを受けて立ち尽くす大介を置いて友人とその場を去って行くリツ子だが、道で藤兵衛と出会った直後に、友人ともどもゲドンにより誘拐。カニ獣人に一撃食らわされて捨て置かれていた藤兵衛は大介に拾われ、今作の藤兵衛は、長年の激闘による摩耗から回路不良を起こしておりますが、ヒロイン力が激減した代わりにコメディ力が上昇しているのが、こんなところにも見て取れます。
 藤兵衛から事情を聞いた大介は、ゲドンを追うとカニ獣人のテリトリー・人食いカニ島へと乗り込んでいき、どっちがリツ子かわからないからええい面倒だ、とまとめてさらわれた友人と並んで柱に縛り付けられ、この期に及んでリツ子さんのヒロイン力は二分の一だ!
 人質の足下には、カニ獣人の命令一つで二人を食い殺す人食いカニが蠢き、身動き取れない大介に横歩きで迫り来るカニ獣人。
 (手が出せない……二人、死ぬ……ギギの、腕輪……渡せない)
 凶悪無比なカニクローが首を掴んだその時――葛藤する大介はアマゾンへと姿を変えるとその勢いで大きく飛び上がり、カニ獣人と距離を取ってから人質を救出……する事なく挿入歌(やたらと聞き覚えあり)をバックにカニ獣人へと飛びかかっていき……え、あれ、後者を優先した?!(笑)
 実際のところ、闇のインカ科学により「腕輪を護る事」を最優先するアマゾン三原則ぐらいは仕込まれていそうですが、リツ子さん&友人が気を失っていて本当に良かった!
 本当に良かった!!
 ……或いはもっと攻撃的に、
 「おまえが人食いカニに命令を出すってんならよ……命令する余裕の無いぐらい悲鳴をあげさせればいいって事だよなぁ! KKKRRRRRRRRRRィッ!!」
 みたいな発想だったのかもしれませんが。
 イカれたトカゲ野郎に形勢逆転を許したカニ獣人は泡を吹きかけてみるが……
 ナレーション「アマゾンには、カニ獣人の泡など、通用しないのである」
 バロム・1みたいな処理をされて終了(笑)
 人質を有効利用する間もなく、アマゾンに切り刻まれたカニ獣人は、アマゾン飛び蹴り、更に連続チョップの前に倒れ、獣人を葬り去ったアマゾンが後ろを振り向くと、そこでは既に人食いカニの犠牲となって白骨死体と化した人質の二人が……という事は幸いなく、アマゾンはリツ子とその友人の救出に成功するのであった。
 この救命イベントによりリツ子との友好度がちょっぴり上がった大介は後日、「私たちからのプレゼント」として、マサヒコ・リツ子・藤兵衛の3人より、袖無しの上着に脚絆と腕当ての1セットを贈られ、とうとう半裸を卒業した大介ニューバージョンとなって、つづく。
 ……ストーリー上の要請という以上に、冬が近づきメタ的に限界だったのではないかと思われる半裸の終了と相成りましたが、それをリツ子との友好度上昇に絡め、“日本で手に入れた人との繋がり”の象徴=“衣服”としたのは上手く納得感を高め、闇のインカ科学により一度は無惨に拒絶された衣服を今度こそ身に纏う事により、人の心が闇のインカ科学に抗う一筋の光明となる、記念碑的瞬間になりました。
 他者と繋がる事により、徐々に“人間”になっていく大介ですが、ここまで徹底していると、物語の始まりでアマゾン以前の“名前”を取り戻さなかった事にも納得がいき、恐らくはいずれ来るであろうその時がどう描かれるか、楽しみなところです。

◆第10話「黒ネコ獣人 保育園をねらう!!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:鈴木生朗)
 光沢のあるボディと毛むくじゃらの頭部が不気味な黒ネコ獣人が闇夜に紛れて大介へと襲いかかり、流れ出すゲドンのテーマソング。
 前回に続いて挿入歌が使用され始め、「アマゾンライダーぶっころせ」の歌詞がストレートで物凄いですが、今作のバトルは基本的に台詞が無い(互いの咆哮ばかり)にしても、これだけ「挿入歌の音」の方がメインの戦闘シーンも珍しいような……そして、マーチ風の曲調と戦闘シーンが、全く合いません(笑)
 爪と牙を武器に俊敏な動きで敵の隙を窺うネコ獣人を相手に苦しむ大介は、噛みつき攻撃で手傷を負うと逃走を図り、ごんどーるごるごるごんごるぞー。
 執拗な追撃を受けながらもトラックの荷台に飛び乗って難を逃れたかに思われた大介だが、ネコ獣人の攻撃は続き……挿入歌も2番に突入。
 火花散る闇夜の戦いの末、追い詰められた大介はアマゾンへと変身し、冒頭から4分半に渡って続いた戦いはネコ獣人の逃走で幕を閉じるが、大介は毒に倒れてしまう。
 「じたばたせずに、早く血を抜かれてしまえ」
 「朝の一杯は、格別だからな」
 十面鬼がトマトジュース感覚で人の生き血をすすっていた頃、早朝ランニングの後についつい一服していた藤兵衛、じっと手を見る。
 「そうか、第一、この煙草がいかんのだな」
 と気付いたまではよかったが、火の付いたままポイ捨てし……昭和!
 それがたまたま、大介を拾って土中に隠していたモグラに直撃し、
 「やたらに煙草を捨てては困る」
 は、ちょっと痛快でした(笑)
 藤兵衛とモグラは協力して大介を近くにあった保育園まで運んで助けを求め、場慣れしている藤兵衛には受け入れられているものの、保育園の前で追い返されるモグラ、ゲドンへの帰参はかなわず、個人的な友誼から大介には協力しているが、人間社会に入り込める見込みは薄そうで、段々と悲哀溢れる存在になってきているのが、独特の味わいに。
 大介は親切なシスターにより傷の手当てを受け、モグラが連れてきたマサヒコと共に藤兵衛は解毒剤の素材を求めて山へ入り……一緒に土中ワープを強制されたリツ子さんの抱えているアルマジロ(?)のぬいぐるみはいったい。
 高熱にうなされながら、遠くに園児たちの歌声を聞き遠い日の母のぬくもりを感じる大介、はいい目配りとなり、だがその枕元に迫るネコ獣人。解毒剤もすんでのところで間に合わず苦戦する大介の脳裏に、時空を越えた閃きが迅る――!
 「いよいよピンチの時は……相手の目を狙うのよ」
 そう、こんな事もあろうかと……
 コンドラーーーニードル!!
 ベルトに仕込まれていた針がネコ獣人の目をえぐり、なんてものを付けているんだ闇のインカ科学。
 ……まあ、ベルトに関しては変身とはなんの関係もないので、バゴーがサービスで付けてくれた闇のインカ十徳ツールみたいなものだとは思われますが。
 たまらずネコ獣人が逃げ出すと、マサヒコらの作ってきた解毒剤で大介は回復。室内は「良かったね」で済まされる状況では無いのですが、子供達と遊んでいくように薦めるシスターの心の広さがまさに聖母。
 保育園でかくれんぼに参加する大介だが、片目をえぐられ復讐に燃えるネコ獣人が子供を人質にさらい、怒りのアーマーゾーン!!
 ED曲に乗ってのバトルとなり、激しい攻防の末、豪快に飛んでいくネコ獣人の首、の強烈なフィニッシュで決着がつき、さすがに戦闘の尺が長くて3戦目ともなるとメリハリが弱くなってしまいましたが、保育園の平和は守られるのであった!