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闇の権力の使い方

『バトルフィーバーJ』感想・第36話

◆第36話「爆破された結婚式」◆ (監督:平山公夫 脚本:上原正三
 「お呼びでございましょうか、サタンエゴス様」
 「ヘッダーを謹慎処分にしたぞ」
 バトルフィーバーへの連戦連敗にストレスを溜めるサタンエゴス様は、「コンビニでパック寿司を買ってきたぞ」ぐらいの勢いでヘッダーの指揮権を剥奪し……最後通牒を突きつけて怪人カプセルに放り込んだり、資金稼ぎの為のたこ焼き屋に左遷したりしない手ぬるさを見るに、本気で見限ったというよりも、現場に活を入れる為、体制の引き締めを図る狙いの方が強そうでしょうか。
 サロメを指揮官代理に任命したサタンエゴスは、マリアを狙うように指示を出すと、抜擢したサロメに向け、
 「バトルフィーバーとはいえ、しょせん娘」
 「こやつならサロメ、おまえにも倒せる」
 と失言を連発し、マネジメントが駄目すぎる……!
 「我が子よぉ…………我が子よ……! …………我が子ぉ……爆弾……怪人……よ……」
 続けて、サロメの護衛を兼ねた御子を生み出そうとするが調子が悪くサタンエゴス様は激しい腹痛を訴え、一歩間違えると
 「こ、これは……お、おのれヘッダー! 図ったな……!」(ちゅどーーーん!!)
 と、謹慎処分を逆恨みしたヘッダーの罠により怪人カプセルごと日本支部が壊滅してしまうところでしたが、そんな事なく御子は生まれ、突然の難産に、この後の意味は特になし(後半の特撮シーンのバンク部分なども長いので、総じて尺が余り気味だったのかもしれません)。
 頭部が手榴弾を模した爆弾怪人が誕生すると、マリアが従姉妹の結婚式に出席する事を突き止めたサロメは、マリアが用意したプレゼントのオルゴールを爆弾にすり替え……ようとするもちょっとしたトラブルが起きるが、とにかくオルゴール爆弾を設置。
 次回予告から、女性メンバーの友人がドレス爆弾で凄惨な爆死を遂げる『ジャッカー電撃隊』第8話「6ターゲット!! 爆発する花」(監督:奥中惇夫 脚本:押川国秋)を思い出してドキドキしていたのですが、新郎新婦の爆死はマリアによって阻止されるも、おまえ結婚式の妨害の為に爆弾仕掛けたの?! と、従姉妹を始め場の全員から疑いの目を向けられるマリアさん、あまりにも親族からの信用度が低いのですが、昔なにかやらかしたのでしょうか(笑)
 まあ、現在の職業と性格を見るに、少女時代はお転婆で……ぐらいのノリで、洒落にならない悪戯の一つや二つはやらかしていそうな感じはしないでもないですが。
 マリアが爆弾魔として逮捕されそうな事をどこからともなく伝えられた鉄山将軍は、警察へのパイプを用いて長官命令で釈放させ、権力を使う事に躊躇しない姿勢、素敵。
 マリアの自由を確保すると、爆弾事件の真犯人を探ろうとするBF隊だが、事件を担当した刑事がちょっとしたキチガイで、独自に作ったマリアの手配書をあちこちに貼って歩き……警察関係者の方が二重三重に犯罪者すぎるのですが。
 刑事はこの後、エゴスの口封じにより式場の支配人が爆殺された現場に居合わせたマリアを写真に収めると、動かぬ証拠を押さえたと言いつのり、その場を逃げられると今度は拳銃を向け、権力により闇に葬られようとする事件に立ち向かう私、みたいなガソリンが投入されているのかもしれませんが、正義感と呼ぶには度を超した狂気に到達しており、前回の評論家のように、エゴスの仕込みを疑ったぐらい(笑)
 最終的には、特にエゴス側の仕込みではなかった事により、現代社会にも通じる、普遍的な“個人の正義の暴走”に対する風刺の効果を明確に発揮するのですが、SNSなどに風説やフェイク画像が飛び交う今日、より身近な問題であるだけに、この刑事の行動が「滑稽」「暴走」「狂気」に見えるのは、“テレビの箱の外側”に居て劇のあらましを知っているからに過ぎない、事については我が身を顧みて考えさせられます。それこそが風刺の機能ではありますし、刑事が過剰気味なのは、警察機構そのものをストレートに皮肉る要素もあったかもですが。
 「汀マリアは、爆弾魔として、抹殺されます。社会的に」
 上原脚本では『イナズマンF』や『宇宙刑事ギャバン』でも目論まれたヒーローの社会的抹殺が順調に進行するが、式場から消えた本物のオルゴールにはマリアの直筆メッセージが書き込まれており、有力な証拠品としてエゴスとBF隊の双方が本物のオルゴールを追う中、出席者の少女がオルゴールを盗み出して隠し持っていた事が判明。
 マリアに迫る危ない刑事を殴り飛ばして誠がちょっと良い役回りを貰うと、マリアは間一髪で少女を救出し、オルゴールを回収。
 風刺性が目的化するあまり、やたらパニックを起こすマリアや、オルゴールを見た途端に態度が急変する刑事はどうも強引になりましたが、少女の出来心が逆転の物証に繋がる――ちゃんとした物証がある、のは良かったところ。
 爆弾怪人を前に勢揃いすると、メンバーがペンタスティックを変形させてのヌンチャクアクションを見せ、アクションそのものは格好良いのですが、そもそもケニアの個人武器がヌンチャクだったような……?(笑) (※派手な勘違いをしており、ケニアの個人武器は鞭でした!)
 爆弾ロボットが出現し、本日はわかやすい爆弾攻撃で、ナパームが近い。
 久方ぶりにバトルシャークが空中戦を行い、今回のエゴス戦闘機は、謹慎中のヘッダーの給料分で出撃しております。
 エゴスのミサイル発射基地をド派手に吹き飛ばしたバトルシャークが現場に到着すると、爆弾怪人への連続空中攻撃からペンタフォース! と今回はバトルシャークの活躍シーンとアクションシーンに一工夫を追加し、巨大戦は爆弾攻撃をシールドで防ぐと、電光剣唐竹割りで一刀両断。
 かくしてエゴスの陰謀は阻止され、少女にオルゴールを買う約束したマリアがウェディングドレスを見つめているところに、男衆が合流。たとえ爆殺未遂の誤解が解けても従姉妹夫婦との仲は永劫こじれそうですが、泣くな嘆くな悲しみは、冷たく硬いスクラムの下。
 今作では大変珍しい、5人(+少女)で並んで歩くラストシーンとなり、BF隊でこれを見られた事に思いがけない感動が生じる場面でした(笑)
 次回――鉄山将軍! フィーバー!