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エゴスの食卓

『バトルフィーバーJ』感想・第35話

◆第35話「腹ペコ大パニック」◆ (監督:広田茂穂 脚本:上原正三
 エゴスは、漁船襲撃と東名高速の分断により東京への魚の輸送を止め、そこに息のかかったスーパーを出店させて食糧難を煽り、更に社会評論家を利用して日本中にパニックを巻き起こそうとする作戦を計画。
 ヘッダーのプレゼンに納得したサタンエゴス様により、自称海の魔王・古代魚怪人(シャチホコ的な頭部デザイン)が誕生し、第18話のマグネット怪人以来となる、テロップと機械的な読み上げで目的などが入りましたが…………怪人製造カプセルの声?
 エゴスの作戦は首尾良く進み、港が封鎖され、東名高速のトンネルでは大事故が引き起こされると、市場は無人と化し、結構な規模の大被害。
 そこへ、東京C地区で唯一、魚を入荷して並べる東西ストアーが開店し、押し寄せる人だかりの中、しれっと客に混ざってサクラをしているサロメさん(笑)
 「私、サンマ5匹ちょうだい」
 最初は前線のバトル要員でしたが、徐々に路線が変わっていき、中盤以降は割と後世の女性幹部像に影響を与えていそうな面白さが出ています。
 まんまとサクラに乗せられて、エゴス相場の高額なサンマを買って帰ってきた女性の一人は八百屋の奥さんで、魚がこれなら野菜もいけるのでは、と商品の一部を物置に隠して値段を吊り上げる割とストレートな悪事に手を染め始め、悪の組織の活動が、市井の人々の持つ「得をしたい」「優りたい」といった欲望を刺激し、人の心を悪に染めていくのは、実に上原脚本といった流れ。
 「どうもパニックを仕組んでいるものがいますね」
 「君もエゴスの陰謀を感じるか」
 更に、エゴスと繋がる評論家の男がこの状況を煽り、あらゆる食べ物が値上げされていく状況にBF隊は東西スーパーを探ろうと動きだし、トラックを追う京介と曙だがそれは罠で、大・爆・発。
 「俺たちの尾行に気付いていたんだ」
 「まさしくエゴスだ」
 事件の背後にエゴスが存在している事をBF隊が確信する一方、草野球をしていたマサルがスライディングで腕にヒビが入る怪我をして、魚が手に入らない事による子供たちのカルシウム不足が挟み込まれ、諸要素がカリカチュアとして描かれたエピソードとしても、魚を食べて丈夫な骨を作ろう! はかなり強引になりましたが、子供の健やかな成長を妨げる(それが悪の心を育む事に繋がる)のはエゴスの一貫的な活動理念なので、芯は通っています(笑)
 「もはや一刻の猶予も許されん。各自分担して、エゴスの陰謀を探れ。一番の被害者は、子供たちだ」
 そしてその強引さから鉄山の大号令に繋げる事で、“ヒーローらしさ”を見せてくるのは、上手いところ。……まあ、当のBF隊は号令がかかるまで、アジトのソファでくつろぎ、伝は新聞、マリアは雑誌を読んでおり、相も変わらず“ヒーローらしさ”は薄いのですが、あんなに真面目だったマリアも、じわじわとBF隊に毒されてきています(笑)
 煮干し一匹を高級料理のように食べるこれも戯画的な一幕を挟んで、マリアと連絡員2名はアルバイトとして東西ストアに潜入し、そろそろ顔割れ問題はどうでもよくなってっきたの……? と思ったら3人まとめて冷凍庫に閉じ込められてしまい、いやまあ、幾ら何でも油断しすぎでは!
 ドアを叩くも開かず、「駄目だわ……」と溜息をついたマリアが明るい表情になってポケットを探るので、「こんな事もあろうかとプラスチック爆弾を」かと思ったら取り出したのは通信機で、BF隊ならここは、爆弾で内側から冷凍庫を吹っ飛ばしてほしかったところでした(笑)
 サロメはスーパーの売り上げ2億円を回収してエゴスの懐も潤うと、それを目にした曙は支配人を叩きのめして、凍死寸前だったマリアたちを救出。
 一方、誠は何故か黙々と海釣りに励んでおり(謙作との約束を拾ったと考えると、切ない)、釣り上げたのは、近海の漁という漁を妨害するべく海中で活動していた古代魚怪人。
 コサックが名乗りを上げるとジャパンとフランスも参戦し、海に逃げた古代魚怪人だが既に発信機が取り付けられており、メタ的には人気ヒーロー役者の参加という事もあってか、コミュニケーション能力には難があるが有能なところを見せる二代目コサック。
 ケニアアメリカも連絡を受けて合流し(スーツがスーツだけに、アメリカがバイクに乗っているのは初のような)、発信機を追って辿り着いたのは、エゴスがいけす代わりにしていた水族館。
 「古代魚怪人だ。海の魚はエゴスが管理する」
 一緒に現れた評論家もエゴス構成員へと姿を変え、既に社会各所に潜伏しているエゴス組織が、人間の欲望を利用して組織の勢力拡大を狙う、第2話に近いテイストが入っているのは、今回の面白いところでした。
 古代魚怪人がペンタフォースで吹き飛ぶと海の中から古代魚ロボットが出現し、泡攻撃に苦しむBFロボだが、シールド防御から槍で一突きすると、怯んだところに電光剣唐竹割り!
 かくして街に魚が戻ると、曙が自腹を切って大勢の子供達にサンマが振る舞われ……つまり今回、秋のエピソードだったのでしょうか(笑)
 「給料全部はたいてサンマ買ったんだってさ」
 「ケニアらしいな」
 「「はははは」」
 京介と伝がその光景を微笑ましく見つめると誠も白い歯を見せ、新メンバーとも徐々に関係が改善されている事を描いて、つづく。
 ……それはそれとして、神誠はちょっと、クールな仕事人ロールプレイに浸りすぎだとは思いますが!!(伝がそれを受け入れてみせる対応をもってリーダーらしさとして描かれているのは、ちょっと面白いところではあり)