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24時間鍛えてますか

仮面ライダー響鬼』感想・第13-14話

◆十三之巻「乱れる運命」◆ (監督:金田治 脚本:大石真司
 「名付けて、音撃鼓・爆裂火焔鼓」
 ……まあ多分、受け継がれてきた命名パターンとかあるのだとは思うのですが、武器名や技名が開発班・滝澤みどりのセンスである疑惑が急浮上する中、浄めの音を最大限に増幅できるようにチューンアップされた新型バックルを受け取るヒビキ。
 一方、相次ぐ異常事態を前に、関東鬼シフト、21連勤に突入す。
 ヒビキは通常のシフトを離れ、臨機応変にあらゆる事態に対応、緊急時のフォローや援軍に回る特別遊撃班を襲名し、主人公ライダーがどこに出てきてもOKな理由付けと共に、段々、往年のジャパニーズビジネスマンのようになって参りました。
 イブキの仕事が増えると弟子のあきらが学校生活どころではなくなる事を気にした大人たちは、同じ学校に通う明日夢にフォローを頼む事を思いつき、さっそく城南高校に向かうヒビキさん。
 普段なら、ヒビキさんが! 僕に頼み事?! と、小躍りしながら白昼夢に迷い込み、ミュージカルモードに突入しそうな明日夢少年だったが、朝からの腹痛でそれどころではない生返事に終始し、4話ぶりの直接会話、至極さらっと終了(笑)
 その頃、またもイガグリにより強化された童子と姫に対峙する威吹鬼とあきらだったが、アーマー化を発動すると急に苦しみだした童子の背中に翼が生まれると、相方の姫に牙を突き立てる異常行動に続き、育てていた筈の魔化魍を自ら喰らう異質な存在になりかわって姿を消してしまう。
 イブキから連絡を受けたヒビキが遊撃班として出動し、腹痛の悪化した明日夢が学校で倒れ、ハイカーを襲う童子と姫を阻んだのは、弾鬼
 今作では非常に珍しい(第1話以来?)、鬼による一般市民の救出シーンが描かれ、助け方は、身柄をかっさらってその場から飛び離れるでした。
 これなら、世間一般に鬼の認知が広がらない事に納得がいき、端から見るとだいたい怪異と一緒、なのが作品のこだわるところを感じます。
 青い手甲で一本角タイプの弾鬼さん、前傾姿勢の肉弾戦タイプでちょっとアマゾンめいたその戦闘中、謎の童子がヤマビコ担に襲いかかり、そこに当のヤマビコまで現れる大乱戦に。
 謎童子はヤマビコの片目を抉ると飛び去り……この後、出番の無くなる弾鬼さん(脚本時点での言及ぐらいはあったかもですが)が、多分追いかけてトドメを刺しました。
 イブキ・あきら組が飛行中の謎童子を発見して追撃し、音波弾から零距離ブレスを叩き込んで翼の破壊に成功する威吹鬼だが、急ごしらえの筋肉で体内の弾丸を排出してみせた謎童子との接近戦を余儀なくされる事に。
 たちばなでは古い文献に、異形の童子の姿が記されているのが見つかり、その名を――乱れ童子
 病院に運び込まれた明日夢虫垂炎と診断され、車のパンクした響鬼ダッシュで山を越えていき、乱れ童子に蹴り技を叩き込む威吹鬼徒手空拳での構えも割と格好良く、鬼のデザインもスマートな二枚目。
 金田監督回らしい激しい肉弾戦バトルが続き、とうとう背後から噛みつき攻撃を受ける威吹鬼のピンチで、アーマーゾーン! ……じゃなかった、つーづーくー!
 ちょこちょこ変わっているED映像ですが、持田ぁ、持田がなんか僕のヒビキさんの横に並んで楽しそうに話してるってどういうことだ持田ぁ!
 ……という、明日夢くんが病床で見た悪夢みたいな事に。
 今回も、ヒビキパートと明日夢パートに巧く掛けたサブタイトルのセンスは好きなのですが、これまでの童子と姫とは異質な強敵現る、の乱れ童子の存在は話を盛り上げる一方、腹痛に苦しむ明日夢くんの図は特に面白くない、のが正直。
 何故これが面白くないかといえば、現状、明日夢くんが停滞の真っ最中なので、急病に「新たな障害」としての効果が限りなく薄い為なのですが(ちょうど、乱れ童子の存在とは好対照といえます)、さすがに明日夢くんの歩みを遅くしすぎたかな、と。
 勿論、今回-次回と登場人物がこぞって触れるように、高校デビュー間もない少年としては不可抗力とはいえ人生のつまづきではありますし、それが今後の展開に繋がっていくのかもしれませんが、正直、“明日夢くんの人生全体”までは視野に入れていられないので(もしかすると、ここに最初のボタンの掛け違いがあるのかもですが……)、それはそれとして目前のドラマ性は欲しいというか、せめて「何かを始めようとした矢先の急病」ぐらいの起伏は欲しかったところです。
 作品を離れた視点では、急病・入院という要素を軽んじたくはない一方で、現時点における物語上の機能は限りなく弱い展開のアヤに、どうしてこんな安易に、急病・入院というカードを切ってしまったのか、疑問の湧くレベル。
 母子家庭で母親に余計な心配や負担をかけたくない明日夢の我慢しがちな傾向を描きたい意図もあったのかとは思いますし、これが新たな転機になる可能性はありますが、率直に1クールに渡り、「契機(きっかけ)」だけは売るほど積み重ねてきたのに、それが毎回冒頭の自己申告ぐらいにしか反映されていないのが、現・明日夢くんなわけで、放映スケジュールの関係で番組スタート即高校デビューと出来なかった事情は勘案するとしても、動き出すまでのきっかけチャージにあまりにも時間をかけすぎている印象。
 定跡を“敢えて”避けるのも今作のスタイルではありますが、例えば「足の怪我で陸上部を引退する」なり、「惚れた相手にいいとこ見せようとバスケ部に入る」なり、「高校進学を機に美術部に入る」なり、〔欠損→停滞〕ないし〔停滞→活動〕のパターンぐらいは利用しても良かったのではと思うところで、せめて停滞の前段階が描かれていればもう少し印象が変わったのではと思うものの、パイロット版ではその含みらしき要素があったものの、その後全く掘り下げが無かった為、前後の展望が見えないまま1クール以上にわたって、ただ「停滞」しているのは、一方の主人公と見るにはあまりにも物語性が薄いなと。
 明日夢主人公の青春ドラマとして見ると、売りも掴み所もなくてコミックス2巻打ち切り、みたいな内容になっているので、「明日夢の歩調はスローペース」だとしても、「明日夢パートには明日夢パートの背骨の提示」が必要だったのではないか、と思うところ。
 逆に、ヒビキパートで起伏をつければ明日夢がそれを“見つける”まではこれで良いという判断だったのかもですが、演出上は並行した場面転換で見せている関係で、アンバランスさを妙味と呼ぶには不調和が広がるばかりになっている気がします。

◆十四之巻「喰らう童子」◆ (監督:金田治 脚本:大石真司
 乱れ童子は急に威吹鬼への攻撃をやめると、あきらに近寄るも匂いをかいだだけで飛び離れ…………美味しくなかった?
 左腕を負傷しながらも即座に追跡しようとうするイブキと、それを止めずに肩を貸して歩き出すあきらの二人が如何にも“鬼”という感じの一方、山中をダッシュで突き進んでいた響鬼が乱れ童子(なんとなくグロンギ系の顔立ち)と遭遇。
 響鬼のダブルバチと、乱れ童子の二刀流が激突すると、イブキ組がそれを発見して援護射撃を加え、形勢不利と見たのか乱れ童子はまたも撤収。
 風邪の香須実に代わって運転手を務める日菜佳と合流すると、一同はたちばなと情報交換し、事務局長は魔化魍の背後に、なんらかの「実験」を行っている者が居るのかもしれないと推測を語り、“魔化魍の背後存在”そのものは特に驚きをもたれないところを見ると、過去にもそういう事例があったのでしょうか。
 明日夢の担ぎ込まれた病院を訪れたひとみは、前回ちらっと明日夢母と絡んだ帽子の青年(山本さん……!)と面識があり、青年は元警官でひとみにとっては従兄となる、戸田山。
 一方、ヒビキ組とイブキ組は打倒乱れ童子に共同作戦を展開し、マッピングをしながらヒビキの継承者問題やあきらのスクールライフ(ヒビキ発言)に触れるなど、シビアな魔化魍との戦いの中でも、現場の人たちは割と和やかというか、基本ソロプレイで互いの力量を尊重しつつ、心の余裕を失わないように振る舞っている仲間関係が折に触れ描かれるのは、今作の良いところ。
 そして、凄くわざとらしくオロナミンCを飲むヒビキであった。
 明日夢の入院は、ひとみからたちばなに伝えられ、多分ヒビキさんが見舞いに来てくれたら明日夢が喜ぶ、といったぐらいの気遣いだったとは思われますが、割とたちばな的には、今受け取っても困る情報(笑)
 一応、香須実から日菜佳に連絡が入りヒビキに伝わるのですが、交友関係の中では一大事とはいえ、この局面での重要度は凄く低いのでは……? と演出の方でも取り扱いに困ったのか、情報を咀嚼したヒビキが「ええー、少年が?!」と声を出すのに合わせて大きくズームアウトする画面の広がりをもって驚きを示そうとしてみせたようなのですが、妙に気の抜けた台詞回しと、町内に向けてわざとらしく大声で叫んでいるみたいな演出になって、思わず笑ってしまいました。
 直前のディスク使い魔一斉出動の画が面白かっただけに、尚更。
 ヒビキとイブキは隙間時間に体を鍛え、一夜が明け、活動を再開する乱れ童子と、病床で目を覚ます明日夢
 そして戸田山が見舞いに来ていた先輩は……なんかもう明らかに、視線と着こなしがカタギの人ではなかった(笑)
 大丈夫?! お兄さんは警察を退職した後、いったいなんのお仕事をしていらっしゃるの?!
 いやまあ、マル暴に居る警察時代の先輩とかかもですが!
 点滴棒と一緒にトイレに向かっていた明日夢くんはこの先輩に接触して声をかけられ、(え、なにこの人、どうしよう)みたいな反応を見せるが、やや引っ込み思案の傾向が見える明日夢くんでなくても、「脇腹に3発ほど鉛玉が入っていたけど摘出手術に成功して今日退院(笑)」みたいな見知らぬ人に声をかけられるの、怖い(笑)
 ……だが、「まあ焦らずにな」と励まされた瞬間、明日夢くんの心の奥の、格好いい大人の男センサーに激しい反応がHit the beat Keep your beat!
 君はなんか段々、髭の中年男性にコロコロ転がされるMCUピーター・パーカーみたいになってきたな……。
 山中では、暗躍するメーター杖の怪人が生み出した童子と姫が乱れ童子を始末しようとしており、響鬼威吹鬼もそこに参戦。童子と姫はバチファイヤーで消し飛び、響鬼威吹鬼が連係攻撃からトランペットの音撃を浴びせるも、乱れ童子は浄めの音にも抵抗。
 苦戦を強いられるダブル鬼だが、あきらも加わってのチームプレイで新型バックルの取り付けに成功し、前回-今回と、威吹鬼がやられ役に甘んじる事なく、クライマックスバトルでの役割がしっかりあったのは良かったところ(戦歴としては響鬼の方が格上ではありますし)。
 新装備を用いた渾身の爆裂強打の型が叩き込まれ、シリーズとしては今作独特の書き文字演出(ある意味、『エグゼイド』に継承された……?)が段々ちょっと、車田マンガ風味に見えてこない事も無かったり(笑)
 難敵・乱れ童子を破った鬼たちが「お疲れ様でした」で切り替え早く撤収に入る一方、ベッドに転がる明日夢くん、新たな出会いに浮気の予感……? で、つづく。
 一応、病院が新たな出会いの場とはなりましたが、次回――マル暴の人、鬼だった。
 ところで、本業が忙しすぎて表の顔を持つどころでは無さそうな鬼の皆さんはやはり、保険の加入や賃貸契約の為に、猛士組織が用意したダミー企業の社員扱いだったりするのでしょうか。
 と、割と普通の病院に入院していたのを見て、ちょっと気になってしまいました(笑) まあ、実は猛士の関連病院なのかもしれませんが。