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ブン回せ交通安全!

『爆上戦隊ブンブンジャー』感想・第4話

◆バクアゲ4「ヒーローを呼ぶ声」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:冨岡淳広
 《スーパー戦隊》シリーズは、巨大ロボで堂々と戦うが故に逆に、公的組織に所属していない場合の世間的認知に関しては曖昧な感じで進められがちですが(中途半端につつくと火種が多いので)、第4話にして、「謎のタイヤ人間」と巨大ロボの戦いが大きく報道され、ワールドワイドにその存在を知られるに至っている事が明言される、割と思い切った踏み込み(過去に例が無いわけではないですが)。
 「タイヤ人間だとさ、俺たち」
 「ブンブンジャーの名前、世界の情報機関にはバレてるぞ」
 「ここに辿り着くのも時間の問題か」
 これを受けて、慌てず騒がず車を磨いている大也と、様々なパイプの存在を示唆する射士郎のやり取りは、好きなシーン。
 一方、未来は道に飛び出した子供がトラックに轢かれそうになっている場に居合わせて、咄嗟にブンブンチェンジから高速移動で子供を救出。
 「道路に飛び出すのは、絶対ダメ!」
 「うん。ありがとうタイヤ人間!」
 「え?」
 「あ~、タイヤ人間、お陰で助かったよ~!」
 なんか、交通安全の守護精霊みたいな扱いになっていた(笑)
 私は通りすがりのタイヤ人間ではない、と路上で一人でポーズを決めてブンピンクを主張する桃だが、直後――逮捕。
 「信頼できる筋からの情報だ。……ブンピンク、逮捕」
 射士郎、絶対、ちょっと面白くて、タメた。
 桃が連行されたのは、国連機関の一つで外宇宙からの生命体に関わる問題全般を扱う、国際宇宙対策機構、通称ISA。
 大也は通信機を介して、担当調査官である細部・調(さいぶ・しらべ)に接触すると、細部とその協力者である阿久瀬・錠巡査(恐らく、ハシリヤンとの不幸エンカウント体質を見込まれた)を秘密基地へと招き、どうせ隠しきれない秘密なら、むしろ積極的に公的機関と話し合いの場を設ける事を選択。
 対する細部は、一方的にブンブンジャーの解散を命じると、装備一式をISAの管理下に置くとした上で大也に協力を要請するが、大也はあくまで慌てず騒がず細部の発言を受け流し…………やはりお金は人の心に余裕を生みます。
 「ハシリヤンをぶっ飛ばしたいのはお互い同じだ。手を組んでもいいが、条件がある。俺達とISAは対等だ。情報交換もしよう。だが、奴らと戦うのは俺と――俺が認めた仲間だけだ」
 「あなた達は何者? 誰に頼まれたわけでもないのに、何故こんな事を?」
 「俺は悲鳴を聞いたらじっとしていられないタチでね」
 「……本気で言ってるんだ、こいつは」
 「そうそう。私も自分の行く道、自分で決めたの」
 「俺達はあんたの部下にはならない。今までも、これからも。自分のハンドルは自分で握る」
 民間人がなぜ積極的に悪の宇宙人と戦うのか? について、大也が自らの行動原理をさらっと語り……うーん……これはまだ嘘では無いが本当の本当でもない表向きのポーズの可能性も僅かながらありますが、タイミング的にも、エピソードの内容的にも、軽くなりすぎた印象で、ここで細部を相手に言わせるよりも、大也の背景を仄めかしつつ、もう少し紆余曲折を引っ張った末に後半のクライマックス辺りに持ってきてくれた方が嬉しかった部分。
 エピソードとしては、〔報道×公権力×ブンブン活動〕のすり合わせの方にこそ主題があり、大也の行動原理については、冒頭の未来の行動を補助線として、そこで悲鳴をあげている誰かが居るのに、助けにいかない理由があるのか? といったものだという事なのでしょうが、個人的好みとしては、そこをこそ劇的に見せて欲しかった要素でありました。
 そこにサウナグルマー出現の報が入り、地球をサウナに変えてやれ。
 報道要素を意識するあまり、中継レポーターなどの存在はテンポを悪くした感じですが、上記のすり合わせに加え、改めてクルマ獣の脅威とギャーソリン集め、そしてTVに映りに出てきた三下トリオを客観的に描く事でハシリヤンとは何かを示し、作品の基盤を明確にする狙いがあった感じでしょうか。
 ……ただまあ、熱風で苦しむ人々、は繰り返し映すにはあまり面白い画にはならなかったなと。
 「地球人の皆さん、お騒がせしてまーす」
 「ヤーヤー」
 「俺達」
 「「「大宇宙侵略大走力団・ハシリヤン!!」」」
 暴走族×暴力団、みたいな肩書きがつきましたが……或いは、「大走力」なる神秘のパワーが宇宙にはあったりするのか(笑)
 「地球はカー達の縄張りになるカー」
 「ギャーギャー悲鳴をあげやがれ~」
 「「あげやがれ~」」
 ハシリヤン(の三下)が地球に宣戦布告し、飛び出そうとする大也たちだが、細部は阿久瀬に命じてそれを制止。情と命令の間で揺れる阿久瀬だが、そこに現場の玄蕃からブンブンジャーへの助けを求める悲鳴と共に、依頼がもたらされる。
 「彼等にブンブンジャーを届けて貰えるか?」
 「玄蕃! この依頼、受けた」
 ヒーロー活動からは一歩引いている雰囲気もあった玄蕃がにくいところをみせると、細部は公権力の行使によりブンブンジャーを犯罪者とする事も辞さない姿勢を見せるが、金と行動力があってスリルとロマンと夢を求める男の答は一つ――
 「そっちの方が爆上げだ!」
 なにかと面倒くさいので、ひとまず交渉の場を設けてはみたものの、恐らく既に、相模湾海底にはマリンブンベースが建造済みなのでありましょう。
 大也たちは細部の制止を振り切り、阿久瀬も警察官の使命としてその後に続き、部外者一人残していいの……? と思ったら、カレーが出来た。
 フルオープンのようで問題の核心は隠しておく立ち回りかと思ったら、別に隠れていたわけではなかった宇宙人がカレーと共に顔を出し、これ一見“ちょっとピントのズレたところがあるブンブンが、カレーを出してきて場を和ませるお約束”のように見えますが、恐らくちょっとでも細部が怪しい動きを見せたら、ブンハジキが火を噴いて即座に消されます。
 秘密基地で細部にブンブンカレーが振る舞われている頃、ハシリヤンによる悲鳴の現場に自分たちを届けた3人がブンブンチェンジすると、その姿を目にした人々から恐怖が消えていく事で“ヒーローの居る意味”を示し、今作におけるヒーローと悪の関係性を意味づけするのは、手堅い描写。
 タオルを使って一工夫したバトルとなり、大縄攻撃に巻き込まれつつも、即座に左右の戦闘員を射殺するピンク、早くも戦いに馴染んで参りました。
 阿久瀬巡査が本物のヒーローの姿を憧れの眼差しで見つめる中、サウナグルマーの高温攻撃にブンブンジャーが整って胸のメーターが光り輝くと、主題歌に合わせて3人がそれぞれ必殺攻撃を放ち、渡辺監督なので揃い踏みのところから使うかと思ったら使わなかった主題歌が、ハンドル武器の見せ場に合わせて流れるのは、今作らしい仕掛け。
 地球一周しても生きていたサウナグルマーだったが、爆上げハンドリングフィニッシュを受けて爆散し、デコトラとイターシャが観戦モードに入る中、ハイウェイ空間をくぐり抜けて巨大戦。
 ……結局、細部を一人で置いて基地を出てきてしまったブンブン総司令ですが、細部に振る舞われたブンブンカレーの中には極小のナノマシン型ブンブンウィルスが仕込まれており、基地内部を勝手に探り回ると、細部の身に恐ろしい事が起こります。
 「ブンブン、分解だ!」
 「オーライ! バラしてやるぜ~!」
 週に三日はサウナで整えているブルーの発言をヒントにブンブン組長のドライバーが唸りを上げ、その「バラす」は完全に、「殺す」の隠語。「殺す」を「倒す」に言い換えるようになって久しいですが、今後は「バラす」でいけますね!
 外装を解除されてぶるっと冷えたサウナグルマーは、整ったところに爆上げドライバーを叩き込まれて無惨にバラされて、爆上げ完了。
 その間に上層部とやり取りした細部が大也の出した条件を大筋として呑み、譲歩する代わりに置く監視役&繋ぎ役として阿久瀬巡査が大也に選ばれ……良かった、出向扱いで、本当に良かった。
 ブンブンジャーの存在がTV報道されるシリーズとしては珍しい要素を取り込みつつ、巨大ロボを含めて世間に周知されたヒーローにまつわる諸問題に関しては、国際機関に渡りを付けて以後の処理をぶん投げる&自警団的ヒーロー問題を宇宙人問題にすり替える事で、ひとまず解決(笑)
 ISAはブンブンジャーの首に鈴をつけたつもりで、このアドバンテージを活かそうとすると、各国の情報機関への牽制や、国の諸機関との折衝などで窓口業務を務めざるを得なくなるわけで、大也の度胸と頭の良さが光る展開となりましたが、いざとなれば、マリンブンベースや、エリアルブンベースや、スペースブンベースがきっとあります。
 第3話までが非常に快調だった事と予告でハードルが上がっていた為に、「好きな要素の配置場所が期待と違った」のが響いて個人的にはぼちぼちぐらいの感触でしたが、TV報道を行いつつ致命的な被害を出さない条件でクルマ獣をかなりコミカルに振っていた部分もあったので、クルマ獣における恐怖とユーモアの見せ方は今後うまくバランスを取っていってほしい要素。
 演出ローテ二番手はベテラン渡辺監督となり、外連味重視で正攻法のヒーロー演出好みは今作と相性は良さそう。現在『ガッチャード』がどうなっているのかわかりませんが、個人的には、山口監督も今作は合いそうだなと思うところです。
 次回――果たして警察屋は変身ヒーローになれるのか。
 ……OP、メインメンバー(赤青桃)紹介の後、コーラスの(ブーン ブーン)に合わせて、回るタイヤ→ 上がるスピードメーター → かき混ぜられるカレー、の映像が挟まるのが凄く気に入っているのですが、このバージョンが見られるのは今回か次回までかも?