東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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赤木あったぞ撮影所回

『バトルフィーバーJ』感想・第25-26話

◆第25話「撮影所は怪奇魔境」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
 OPがダイアン→マリアに変更となり、映像の感じではマリアは、変装スキル持ちになるのでしょうか……まあこれまでも、男衆のコント寄りな変装はありましたが(笑)
 東城大泉撮影所で行われるスーパーカーレース(ゴーカートみたいな子供用のレースカー)大会にマサルが出場する事となり、ドライビングテクニックを伝授する京介だが、好きな女優を見かけるとフラフラとそちらへ向かってしまい、同行していたマリアとケイコからは白い目を向けられる事に。
 ……マリア、前回ラストではサファリガイドみたいな衣装だなと思いましたが、これは、モモレンジャー、ハートクイーンの系譜を継ぐ、時代を感じるホットパンツ路線なのか。
 一方、大会を主催する篤志家の、子供たちの健康な肉体と健全な精神を育てようとする姿勢が気に入らない、とエゴスからフクロウ頭に全身ローブの魔術怪人が大会の妨害に送り込まれ、曙は基地の中でマムシの蒲焼きを作っていた。
 エゴスの手が密かに伸びる中、いよいよレースがスタートし、40年以上前ですが、大泉撮影所の内部をカートで走り回るので、どこかで見た事のあるような映像が次々と出てきます(笑)
 ところがレース中、エゴスの策謀により子供達がまとめて姿を消してしまい、撮影所内を駆け回る京介たち。
 京介とマリアは場を収める為に主催者と保護者の前でフィーバーしてみせ…………前回の今回で、それはいいのか?!(笑)
 それを目撃したサロメが怪人に報告すると、魔術怪人はその力により、BF隊を怪奇魔境に引きずり込むと宣言。
 京介はドラムマシンガンの斉射を受け、怒りのフィーバーで車の後を追っていくが飛び込んだのは銃撃戦の撮影シーンで、映画と現実が交錯していく内に、子供達の姿を追ってスタジオの中に入り込んだ京介・マリア・ケイコの3人を待っていたのは、新幹線大爆破(笑)
 そこまで奇抜な場面転換などは無いですが、スタジオセットを利用して、次から次に目まぐるしく状況が移り変わっていくのは、後の『宇宙刑事ギャバン』における魔空空間の卵、といった感じ。
 「まだまだ序の口。これからさ。ふふふ」
 京介は本部に連絡し、待機していた3人も撮影所へ向かうが、怪人は女優に化けて京介へと近づき、時代劇のセットでまんまと井戸に落とされた京介は、割と本格的な溺死の危機から、辛くも蘇生。
 馬鹿者! 水落ちして死にかけるとは、ヒーロー度が低い! 低すぎる!! と鉄山将軍もお怒りです。
 幽霊の正体見たりエゴス怪人となると、時代劇風の町並みでのバトルを挟み、罠にはまって焼死の危機に陥るBF5人だが……あ、俺たち、飛べたと屋根から脱出すると揃い踏み。
 魔術というか映写機怪人な早送り・巻き戻し・一時停止攻撃に苦しめられるが、ペンタフォースで怪人が吹き飛ぶと子供たちは解放され、撮影所内部での撮影に結構凝っていた事もあってか、巨大戦は無し。
 主に被害を受ける役目は京介に振られつつ、新メンバーのマリアの出番がさすがに多いのですが、どういうわけか、戦闘力も無いのにセットで一緒に歩き回るケイコの出番が、やたら多い(笑)
 次回――エゴスはBF隊の正体を探り出そうとし……1話前の細かい内容は知らずに書いているでしょうからやむを得ないのですが、1話前と1話前と1話前が連続で微妙に噛み合わない珍事が発生し……まあ今回も一応、「あいつがフランス?」「多分」みたいに、物陰から見てはいたけど微妙に断定しきれない(背中だから?)みたいな感じでお茶は濁しているのですが、秘密工作員の正体を探ろうとするテーマは面白い一方、比較的あっけらかん路線の作風では、なかなか整合性を取り続けるのが難しいなと。

◆第26話「包帯男の仮面報告」◆ (監督:広田茂穂 脚本:曽田博久)
 京介に続いて謙作も髪がスッキリ、そしてケイコは髪をバッサリ。
 かつてバトルフィーバーがエゴスと戦いを繰り広げた場所を熱心に調べる謎の影……その正体は、毛髪や足形など、細かな情報を集めてBF隊のデータをあぶり出そうとする鑑識の達人・包帯怪人(包帯マスクとツバの広い帽子から、透明人間モチーフと思われます)。
 「例えばこの男……若くしてハゲる」
 曙が毛髪に迫る危機を宣告される中、BF隊は手分けしてこの謎の影の調査に向かい、かつてフィーバーされたエゴスの秘密基地は、国防省に接収・管理されていると説明。
 その一つに向かったマリアは、何者かが足形を取った跡を発見するが、調査中に道に飛び出して車に轢かれかけた少年を救った事がきっかけで、エゴスにマークされる事に。
 自分の為に姉を喪ったショックから、幻の姉を求め続ける少年が失明の危機にあると知ったマリアが、伝の制止を振り切って少年の病室へ向かう姿で公と私の衝突が織り込まれ、
 「私……昔…………人を見殺しにしてしまった事があるの」
 なんらかのトラウマを抱えるマリアが看護師に変装して少年を見舞うと、病室を張っていたエゴスが動き出すが、それを妨げる一本の槍。
 「おいサロメ! 俺達の正体を探ろうったってそうはいかないぞ!」
 「秘密の戦士の素顔を、教えるわけにはいかないわ!」
 ミス・アメリカも素早く合流し、言行としては今回の方が納得度は高いのですが、前回との間に発生する、あまりにも激しすぎる衝突事故(笑)
 工作員を蹴散らすBFだがその間に少年がさらわれてしまい、視力を失った少年に顔を触らせるちょっといい話から、怪人がそれを利用して指先の記憶を引き出してマリアの顔を再現させる邪悪なひねり方は、なかなか面白い展開。
 半ば朦朧としながら一昼夜にわたって少年を探し続けたマリアは、幼少期、弟のように親しかった少年が池で溺れるのを目撃しながら助けられなかったトラウマを伝に明かすが、包帯怪人の策により、遂にその容姿がエゴスに掴まれてしまう。
 「どの顔も、どこかで一度は会っている顔だわ」
 エゴスは、マリアから芋づる式に残り4人のメンバーを探り当て、これまでも怪しいとは思っていたけど断定に足るだけの証拠が無かったのだと、どこへともなくフォローを入れるサロメ(最近、衣装チェンジ多し)が、変な面白さ。
 男4人が一堂に会したところで、足下にマリアの顔型年度が転がってくるのは面白い演出となり、直後、大爆発。
 念を押したかったのか、引きのミニチュア撮影まで使い、正真正銘、大爆発。
 BF隊を一網打尽にしたぞ、と祝杯をあげるエゴス一同は、少年を囮に使って残るマリアを追い詰め、用水路に落ちた少年を助ける為に躊躇わず飛び込むマリアだが、銃口に囲まれて大ピンチなったその時、高い所に並んで現れる男たち。
 「俺の鼻は鋭いんだよ。仕掛けてあった火薬が、ぷうーんと匂ったのさ」
 「俺達の顔、とっくりと見たか」
 「色男が揃って、ビックリしたろう」
 どうせ知られた(始末書&減給確定)なら、と顔を出して啖呵を切るのが洒落ており、
 「もう一つの顔を見せてやろう――フィーバー!」
 から、くるっと生身で回転しての変身を五人分見せて揃い踏みに持ち込むのは大変格好良く決まって、主題歌に乗せて反撃のターン!
 ミスアメリカのナイフを受けた包帯怪人が弟ロボットを召喚するとバトルシャークが出動し、大健闘を見せた包帯怪人でしたが、例のように例の如くペンタフォースで瞬殺。
 もはや名物のBGMぶった切りから、愉快な挿入歌をバックに巨大戦へと突入すると、包帯ビームを防いだシールドをそのまま敵の顔面に投げつける荒技から、クロス・フィーバー!
 唐竹割りが一閃すると、少年の手術も成功して大団円……かと思いきや、視力を取り戻した少年が、マリアが追い求めていた姉では無い事を悟る渋い一ひねり。
 「……違う。僕のお姉ちゃんじゃない」
 少年の視界にマリアの顔がハッキリと映る事で(包帯を外したタイミングから一拍遅れる事で、肉体的回復と心理的回復が別のものと示されるがのまた渋い)、目をそらし続けてきた姉の死を少年の心が認めた事が描かれ、そんな少年の新しい姉になるとマリアが告げると二人は抱きしめ合い、鏡写しの傷を抱えた二人が、お互いの心を救い合って着地。
 ナレーション「遂に、バトルフィーバーの素顔が、暴かれてしまった。もはや、一瞬の油断も隙も見せる事はできない。エゴスの魔の手は、忍び寄ってくる。戦え、五人の戦士。負けるな、バトルフィーバー!」
 マリアが病院の外で待っていた男衆と合流して、新生バトルフィーバー隊の姿が明確に打ち出されると共に、ナレーションで正体バレが確定。
 曖昧にし続けるには苦しい要素だったのでスッキリさせたのは良かったと思いますし、秘密工作チームとしてはプラスマイナスを考えると全員シベリア支部送りばりの大失態ながら、そこに至った理由が“子供の心を救う為”とされる事で、これまでは、子供といえば丁度いい囮ぐらいの扱いだったBF隊が第2部仕様にモデルチェンジ………………?
 なにぶん今作の事なので、次回さっそく雀荘とかに繰り出して油断も隙も見せそうな不安はありますが、これを契機にBF隊のスタイルが変わっていくのであれば、新メンバーを軸にしつつかなり巧妙な出来映えでした。
 曽田さんは前回の女子寮潜入作戦は残念な出来でしたが、今回は、今後の活躍に頷ける一本。
 次回――「トモコの妹」……の「トモコ」って誰?!案件ですが、途中から登場後、特に名前も呼ばれなければ台詞もほとんど無い連絡員Cの事かと思われ、いきなりのフィーチャーでどうなるのトモコ?!