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継ぐのはアメリカ

『バトルフィーバーJ』感想・第24話

◆第24話「涙! ダイアン倒る」◆ (監督:竹本弘一 脚本:高久進
 ダイアンの妹キャサリン来日、の情報を何故かダイアンよりも先に国防省がキャッチしており、堂々と変身した姿でホテルへ向かうバトルフィーバーだが、その道中をエゴスが攻撃。
 「変だ!」
 「何が?」
 「エゴスは俺たちの動きをどうして知ったんだ?」
 ……いや単に、街中をその格好で走っていたから、銃撃してみた可能性もあるのでは(笑)
 工作員を蹴散らした一同はホテルへ急ぐが、サロメの仕掛けた罠によりキャサリンがさらわれてしまい、失態は失態ですが、特に事情を聞こうともせず、同行していたスチュワーデスに向け、いきなり「無責任だな!」からスパイ疑惑をかけるのが、凄くバトルフィーバー。
 「酷い!」
 「ひどかねぇよ」
 と曙も凄むと、美人に弱い京介が擁護に立つが、「ほらまた病気が始まった」で謙作がばっさり切り捨てるのも、大変バトルフィーバー。
 国防戦士に生ぬるい友情はいらない!
 詰問はいつでも尋問に変わるのが俺達の流儀、と不用意に女の肩に手を置いた曙が、鮮やかにひねり上げられて宙を舞うと臨戦態勢を取るBFだが、伝が割って入って将軍に連絡を入れると、スチュワーデスの正体はFBIの捜査官、汀(なぎさ)・マリアと判明し……祝・九官鳥元帥、生きてた……!!
 下手すると前回の真っ二つからそのままフェードアウトするのではないかと心配していたので、ホッとしました(笑)
 将軍の推薦によりFBIで研修を受けていたマリアにとって、亡きダイアン父は教官のような存在であり、ダイアン父の捜査官としての魂を継承する、もう一人の存在と位置づけ。
 一方エゴスには、中南米を中心に吸血誘拐事件を引き起こしていたドラキュラ怪人がアメリ支部より帰国し、後ろ姿から悪魔モチーフの格好いい系かと思ったら、前を向いたらもふもふのブタバナコウモリでした!(笑)
 ダイアン父の線からエゴスの対抗勢力を探っていたらしいドラキュラ怪人は、キャサリンの誘拐により、ミス・アメリカ=ダイアンである事を突き止め、前回-今回で、回想シーンで3回殺害されるダイアン父。
 ドラキュラ怪人は恐らく第1話の前後で生み出された後、アメリ支部に長期出張していたものと思われますが、物語の折り返しにしてダイアン退場編という事でか、BF隊の野郎衆が見当違いの女性を取り囲んだり、怪人がコウモリ繋がりだったりと、第1話の要素が織り込まれているのは、洒落た工夫。
 バトルフィーバーの正体云々に関しては、超法規的フィーバー権限を持つ秘密工作員として確かに正体が隠されている節はある一方、つい先日も、能登半島で「あいつらがBF隊なのでは?」みたいに言われていた覚えもありますし、エゴスがこれまで気付いていない、というのはどうにも無理はありますが……国防省の人間だとはバレていても、フィーバーできるかどうか要確認、ぐらいならギリギリ筋は通る、のか……?
 ……つまりこれは、キャサリンを変身して迎えに行った、のがトドメであり、変身してからホテルに向かうよう指示を出した人間が、本当のスパイなのでは。
 エゴスと各国の秘密組織の暗闘が続く中、キャサリンを人質にされたダイアンはエゴスの手に落ちると、吸血トゲによる執拗な拷問を受けてBF隊アジトの場所を吐くように迫られるが、拷問に屈したフリをして緊急用の小型爆弾を用いる機転を利かせ、本業のモデルが忙しかったり日本語会話が不得手などあったりしたそうで、ここまで出番の極端に少なかったダイアンですが、さすがに今回は冒頭から外にも出歩くと、工作員らしい行動を見せてくれたのは良かったところ。
 キャサリンを連れてマリアとの合流に成功するダイアンだが、フィーバー男衆は、薙刀風の武器がなかなか格好いいドラキュラ怪人の猛攻に苦戦。5人揃わなければ必殺のペンタフォースを放つ事は出来ず、4人を助けに向かおうとするもダメージの大きいダイアンは、同じ人物からFBI魂の薫陶を受けた、拡大解釈でいえば妹弟子のような存在に、一縷の希望を託す。
 「忘れるな! 今日からおまえが……ミス・アメリカだ!」
 じゃなかった、
 「お願い、私の代わりに、ミス・アメリカに」
 ……常々、「忘れるな! 今日からおまえが……シンケンレッドだ!」は、聞きたくなかった今際の際の台詞ナンバーワンと唱えてきた私ですが、これもだいぶ嫌ですね……強制でないだけ果てしなくマシですが。
 ダイアンはマリアにバトルスーツを託し、かくして誕生する二代目ミス・アメリカ。
 ミス・アメリの名乗りから、OPイントロに合わせてフル名乗りを決めるのは格好良く決まり、直後にドラキュラロボットが出現すると、毎度お馴染み「兄貴からやっつけよう!」でペンタフォース!
 それなりに健闘を見せたドラキュラ怪人だが、ペンタフォースの即死効果の前にあっさりと塵となり、挿入歌に乗せてBFロボが到着すると、5人はジェットオン。二代目ミスアメリカは特に迷わずペンタフォースとBFロボの操縦に参加し、BFロボは新装備のバトル六角棒を手にすると、ドラキュラロボットの脳を! 脳を! 脳を! 打つ!!
 激しい打撃によろめくドラキュラロボットにクロスフィーバーが突き刺さると唐竹割りで両断し、ここに、中南米を恐怖に陥れ、BF基地壊滅を目論んだ悪魔のごときエゴス怪人は最期を遂げるのであった。
 エゴスに正体がばれた名目でダイアンは帰国する事になり、汀マリアが正式に二代目ミス・アメリカに就任。
 基本、基地か限られた室内か(2回か3回ほど街に出るシーンあり)、ごく限定された撮影にしか登場せず、捜査シーンでの活躍が無いのに加えて、大団円シーンに登場しない為、事件関係者とかに全く興味なさそう(というか率直に帰国したい)な姿が、色々と限界に来ていたダイアンがとうとう交代。
 特に悪印象は無いのですが、これといった活躍の場もなく、どうにも難しい存在となってしまいました。
 二代目ミスアメリカとなった汀マリア、きりっとした美人ですが……その、サファリのガイドみたいな衣装はいったい。
 とにもかくにも、一つの節目となったメンバーチェンジでBF隊とエゴスの戦いは後半戦へと突入し、次回――さ、撮影所回?!