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女難水難お宝大作戦

『バトルフィーバーJ』感想・第21-22話

◆第21話「恐竜半島へ突撃!!」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
 エゴスは、能登半島のどこかに隠されたという数千億の宝を求め、その隠し場所を示す短刀を持った男を追うが、バトルジャパンに妨害されてしまう。
 「エゴスの軍資金に、是非とも欲しい品なんだぞ!」
 サロメの失態に、かつてなく激高するヘッダー……やはり、予算の確保が急務なのかもしれません。
 胸に巨大なレーダーの付いた恐竜怪人が財宝探しに乗り出すと、サタンエゴス様は諜報部員のくノ一01と02を補佐に送り出し、恐竜から忍者への飛躍に、既に脳の処理が一杯一杯です。
 問題の短刀は、男の身柄と共にBF隊に確保されており、古代エジプト由来と分析された刀身に密かに記されていたのは――
 「龍頭篝火有西北五里鼻中」
 の11文字。
 「能登は、七世紀以後、大陸文化の窓口として、栄えていたところだ――」
 鉄山将軍の解説タイムを挟み、伝と白石はサロメに受けた手鏡ビームのショックで記憶喪失になっている男を連れて、一路金沢へと向かう地方ロケ観光タイアップ回。
 一同に忍び寄るくノ一コンビが男をさらうが、別働隊だった京介と曙が合流して男を取り返し、エゴスが真っ赤な偽物の短剣に小躍りしている内に、
 「能登ロイヤルホテルで、ダイアンが待っている」
 と合流が急がれ、良かった、ダイアンさん、遠征に帯同していて本当に良かった(笑)
 ホテルではダイアンと共に男の娘が待っていたが、その呼びかけにも男の記憶は戻らず……現地で「龍の頭」を探し回るBF隊、ここから、能登半島の形を「龍の頭」に見立てる事に気付くまで、約5分!
 メタ情報ではありますが、サブタイトルに力強く銘打っているだけに、どうしてもBF隊の間が抜けて見える事になってしまいました。
 観光タイアップの関係で全体的にスローペースで進みながら、暗号を解いたBF隊は関野鼻へと向かい、海岸線の洞穴の中に、秘密の鍵穴と隠し通路を発見。その奥で遂に宝箱を発見し、短剣の所有者が記憶喪失になっているのをいい事に、国家権力で好き放題(笑)
 男の娘に変装して機を窺っていたくノ一が正体を現すと、恐竜怪人も姿を見せて激しい戦いとなり、恐竜怪人を追い詰めるバトルフィーバーだが、笛を吹きながらサロメが登場。虚を突いて放たれた恐竜砂嵐によってエゴスが姿を消すと、陽動に引っかかっている間に財宝は持ち出されてしまい、首からかけている巨大なレーダーに能登半島の地図を映しっぱなしの恐竜怪人、急にペースの上がった後半に、何もしないままペンタフォースの餌食にならずにホッとしました(笑)
 サロメはあっさりと少女の身柄を解放するが、エゴスに財宝を奪われたバトルフィーバー大失態で、つづく。

◆第22話「女スパイ団の逆襲」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
 鉄山将軍からBF隊にお宝奪還指令が指示される一方、エゴスらが開けた宝箱の中身は、財宝どころか全て石ころ。
 これはBF隊にまたも一杯食わされたに違いない、と怒りのサロメはくノ一01にバトルジャパンの身柄確保を命じ、
 「しかし、バトルジャパンは最強の男……」
 と、なんか敵サイドから持ち上げられるバトルジャパン(笑)
 そんな事はつゆ知らず、石川県警と協力して大規模な検問を張るBF隊だが財宝は網にはかからず、BFとエゴス、双方が思い違いで的外れの行動を取っているのは、面白い趣向。
 果たして本物の財宝はどこに消えたのか……後が無いくノ一01は決死の作戦で伝をさらう事に成功し、いつの間にやら伝の姿が見えない事に気付くBF隊……
 「女の人と出て行ったってよ」
 「女の人と?」
 「気晴らしにドライブにでも行ったんじゃないの」
 で流されそうになるのが、大変バトルフィーバー!
 一方、確かに女の人にドライブに誘われて出ていったがこれはエゴスの罠なんだぼがごが、と囚われの伝は漁船から海に落とされて水責めの拷問を受けていた。
 「正直に吐いた方がいい。その方が、早く楽になる」
 先日の意趣返し、とばかりに容赦のない責めを受ける伝だが……
 「石ころをつかませて、さぞ痛快だっただろう」
 「石ころ?!」
 あれこれ、なんか間違って恨み買ってる……? が、偽の短刀を掴ませていた件が微妙な布石となって迸る、そういう事やる奴と思われていても仕方ない感。
 その頃、(旅先で女性とデートに繰り出すほど伝はモテない筈だ!)と不審を覚えて伝を探す京介らは、沖合に浮かぶ不審な漁船で、伝が拷問を受けているのを発見。エゴスが目を離した隙に伝の救出に成功すると、一同ゴルフウェア姿を挟んで、遂に事件の黒幕が明らかになる。
 「東京で、バトルフィーバーに救出された時に、お父さんは考えたんだ。我々をガードマンにして、能登に戻り、宝探しをしようってね」
 前編途中で、中年男が急に姿を消した事に思い至った伝らは、男を容疑者としてフィーバータイムに突入し……何故わざわざ娘の目の前で追い込むのーーーーーー?!
 君ら酷いよ、本当に酷いよ……。
 つまり娘さんがどうなるかはあんたの返答次第だぜ? と満面の笑みで伝が問いかけると、開き直った男も芝居を辞めてBF隊の推理を認め、前回一瞬目つきが正気に戻ったのも、記憶喪失というよりは心を病んだみたいな様子も、全て伏線であったと判明。
 「あれは元々、儂のもんじゃい!」
 凄む曙に男は負けじと言い返し、元々儂のものかはともかく、明らかに国防省のものではないので、物凄い、どっちもどっち感。
 まあ一般的なヒーローチームなら、心配する娘の前でも記憶喪失の演技を続け、エゴスに娘がさわらわれる危険を及ぼした事に怒りをぶつけそうなものですが、なにぶんBF隊なので、明確に台詞にされないとそこに怒っているのかどうかはとても不安になります(笑)
 財宝の隠し場所について口を割らない男だが、一攫千金に目が眩み、人としての信義を損ねた父親を娘(小学生ぐらい)がきつく責め立てると、自ら絶縁を告げるアクロバットな展開となり、さすがに、お父さん動揺。
 少女ヒロインが“泣き”ではなく正面攻撃で父親を説き伏せるのは今回の面白い味となり、娘の懇願というより脅迫に折れた男が伝らを隠し場所へと案内すると、金銀財宝がざっくざく。
 お宝を掠め取ろうとするエゴスの襲撃にBF勢揃いで戦闘員を蹴散らしていくが、そこに現れる、くノ一コンビ@腹マイト。
 予告で「人間爆弾」と言及されてはいたのですが、エゴスの超能力的なものが一切関与しないあまりにも直裁的な表現に、思わず大爆笑。
 仁義なき鉄砲玉による凄絶な自爆攻撃を受けるも、最強の男ぶりを見せて生き延びるジャパンだが、その間に抜き足差し足忍び足で親子に迫った恐竜怪人が財宝を奪い取ると、恐竜ロボットにパス。
 財宝を呑み込んだ恐竜ロボットの口から、ド派手な火炎放射が地上のBFに吹きつけられ……弟はもう、胸の能登半島は外しても良かったのでは(笑)
 「バトルシャーク出動! フルオートコントロール! マッハスリー!」
 バトルシャークが発進すると、なんとしても活動資金を確保せねばと久々にエゴス戦闘機が出撃するも無駄な経費に終わり、バトルシャークの到着を待って放たれたペンタフォースにより、恐竜怪人はいつものように棒立ち瞬殺。
 残る恐竜ロボによる火炎放射の映像はなかなか迫力があり、そこにBFロボ到着でジェットオン。
 火炎放射であぶられるBFロボだったが、シールド防御からマサカリ、そしてクロスフィーバー!
 唐竹割りでトドメを刺すが、金銀財宝は恐竜ロボットと共に木っ葉微塵になってしまい……いや君たち、挿入歌に乗せて意気揚々と帰途についていいの?!
 確かにエゴスの軍資金にはなりませんでしたが、歴史資料としての価値もある財宝を消滅させて、国防省の上層部はお怒りなのでは。
 そこに、義経の隠し財宝について描いた巻物だ、と懲りないお父さんがやってきて……去りゆくBF隊に一緒に一山当てようぜ! と呼びかけるも逃げられる、のは、お父さんの悪印象を洗い流して、最後に明るく終わって良いオチでした(笑)
 ナレーション「エゴスの陰謀を、見事に砕いた、バトルフィーバーにとって、それは、楽しい、能登の旅であった」
 毒針で暗殺されそうになったり、拷問で溺死しそうになったり、腹マイトで抹殺されそうになるぐらいは、旅先の愉快なアクシデントに過ぎないのだ!
 次回――
 「馬鹿者!」
 あ、将軍に怒られた(笑)
 ……怒られるのは次回の行動でしょうが、あまりにも、本編のオチからピッタリ繋がる、名編集(笑)