『超力戦隊オーレンジャー』感想・第7-8話
◆第7話「完成!!超力ロボ」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
アバンタイトルが「襲来!バラノイア!」から「超力合体・オーレンジャーロボ!」に変わり、OPの入りが格好いい。
「いいのか?! 光子が死んでも。仲間が死んでも、のわっ?!」
光子を人質に三浦の口を割らせようとするバラブレインに突然の銃撃が降り注ぎ、至近距離に三浦と光子が居る状況で上空の戦闘機からマシン獣だけをピンポイントで攻撃する隊長(笑)
更に、先に地上へ降りていた昌平と樹里が落石の術でバラブレインを退かせると、隊長は恒例のバイク着地から戦闘員を蹴散らし、大体ここまでで、今回の元は取れました(笑)
隊長が好きすぎて、今作に対する私のメガネは曇りまくりです。
だが再び人質にされた光子を救う為に三浦が囚われてしまい、バラセパレートによる破壊活動と、磔にされた三浦の処刑宣告がなされる中、吾郎たちは参謀長抜きで残り3台の超力モビルを完成させる事を余儀なくされ、タイムリミットは――1時間。
「吾郎……昌平……裕司……樹里……桃……おまえ達一人一人力を合わせれば、バラノイアには決して負けない」
まあ勿論、名も無きメカニックの人たちも働いてくれているんですが!!
むしろ、映像上はちゃんと手伝ってくれてホッとしました(笑)
シリーズ従来作でも何度かありましたが、「戦隊ロボ」は、『ダイナマン』や『ライブマン』レベルの設定でもないと、専門家ではないメンバー自らの手で修理・開発などをさせてサスペンスと繋げるのは、難しい素材だなと改めて。
そういった説得力はともかく、超力ロボ完成への道が5人の結束と三浦からの信頼の結晶として描かれ、皇妃ヒステリアの銃が三浦を射殺寸前、バラノイアを強襲する、5台の超力モビル。
フェニックス・牛・ライオン・土偶・モアイ、古代超力文明の五つの神像をモチーフにした超力モビルが、大地を揺るがし、空を舞い、敵戦闘機の攻撃を受けるとおもむろにコックピットを飛び出した赤が、機体の上でスターライザーを構えて、あちゃあ! で敵機を両断するのが実に隊長ですが、新メカの見せ場にはなっていません隊長!!
次々とバラノイア軍を蹴散らしていく超力モビルだが、バラブレイン自らの乗った戦闘機とのドッグファイトで割とあっさりフェニックスは撃墜され、地上の4マシンもバラセパレートの攻撃を受けてひっくり返り、大ピンチ。
超力モビル完成も束の間、オーレンジャー壊滅の危機に隊長さえ弱気を見せたその時――地球のパワーが超力システムを通して超力モビルへと注ぎ込まれる事で仕様書通りの性能が発揮され、ストレージクリスタルが発現すると、超力合体!
「オーレンジャーロボ!」
「「「「オーレ!!」」」」
土偶とモアイが左右の足に、牛が腰部、ライオンが胸部と腕、最後にフェニックスが頭部となる縦積み合体でオーレンジャーロボが誕生し、赤い頭と胸から肩に掛けての金色で、色彩はかなり派手。
オーレンジャーロボ(どうも語呂が悪い)は、スーパークラウンソードでバラセパレートのコアを両断すると、本体であったバラブレインが倒れ、デビュー戦を飾るのであった。
超力は自然のパワーであり、自然が地球を守る為に力を貸してくれたのかもしれない……とまとめられて、つづく。
次回――巨大円盤の存在を忘れないでいてくれたのは、嬉しい。
◆第8話「激突!!超巨大戦」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
前回に続いてアバンタイトルが今回予告風味となり、「オーレンジャーロボは不死身なんだ!」。
オーレンジャーロボを脅威とみたバラノイア帝国による、巨大円盤部隊を投入した大規模攻撃が東京に開始され、超力基地内部での隊長アップの「出動!」から、その場で「超力変身!」に繋ぐのが格好いい流れ。
ミニチュアでの搭乗シーンと出撃シーンが描かれ、土偶とモアイは、牛車仕様。
5台の超力モビルの進撃にサブタイトルがかかり、『オーレン』は、サブタイトルの入れ方が凝っているのは好きなところです。
「許さんバラノイア!」
バラノイアの円盤部隊を前に早速オーレンジャーロボに合体すると、巨大円盤から無数の戦闘機部隊が繰り出されて、オーレンジャーロボvsバラノイア大部隊の戦いとなり、緒戦で描かれたバラノイアの侵攻部隊を相手に改めて新戦力で対抗するのは、良い目配りとなりました。
「我が辞書に敗北という字はなぁい!」
そして、狙うは大将首ただ一つ!と投擲されたクラウンソードによりバッカスフンドの母艦が轟沈しかけると円盤軍団は大慌てで撤収。オーレンジャーロボ単騎に戦局をひっくり返されたバラノイア帝国は地球侵略作戦の更なる見直しを強いられ、ドローラ星に居る荒くれ軍団に招集を掛けると、アチャとコチャに改造手術を施し、地球vsバラノイアの戦いは新たな局面へと突入する。
オーレンジャーは、ドローラ星から招集したバラミサイラーを伴い、懲りずに陣頭指揮に立ったバッカスフンドと初顔合わせ。
赤が超格好いい個人必殺技を放ってミサイラーを破るが、砲丸投げの要領でアチャが放り投げたコチャから巨大化エネルギーが注入されるとミサイラーが巨大化し、今作の巨大化はコメディリリーフが担当。
強敵バラミサイラーに苦戦するオーロボは、チェーンで縛り付けられるとそのまま太陽投下の危機に陥り、普通に太陽まで飛んでいくミサイラー、凄い(笑)
デビュー3戦目にして、手も足も出ないまま太陽コロナに消えそうになるオーロボだったが、ヘルメットチェンジギミックを発動すると、牛角サンダーでチェーンを破壊し、土偶バルカンで逆噴射。太陽の重力圏を脱出すると、太陽を背にダイナミックに地球へと帰還し、大気圏突入キィック!!
「ば、馬鹿な?! どうして?」
「信じられないかバッカスフンド! オーレンジャーロボは不死身なんだ!」
逆襲に転じたオーロボは、モアイヘッドキャン、ピラミッドヘッドビームで次々とミサイラーを攻撃すると、忙しい席替えで最後はフェニックスヘッドに戻して、クラウンファイナルクラッシュ!
オーレンジャーロボ、やたら耳(翼)が強調されている為に微妙な顔だな……と思っていたら、各ヘルメットの差を強調する為だったようで、成る程納得。この後どれぐらい活用されるかはわかりませんが、ヘッドパーツを交換する事で、1号ロボが簡易的に5つのフォームを発動するのは、面白い新機軸となりました。
牛車システムもインパクトはありますし、合体前の各マシンにより個性をつけようという狙いが感じられます。
……ところで、頭部パーツの交換による巨大ロボの能力変化といえば、後のシンケンオー(『侍戦隊シンケンジャー』)を思い出すところですが、つまり、「モヂカラと折神は古代超力文明由来である」という、ツーカイな真実。
あちゃあ! 一筆! よほほーい!
真面目に、この共通点に全く思い至っていなかったのですが、オーレンジャーロボのヘルメットチェンジシステムの存在を、今の今まで完全に忘れていました(笑)
今回も皆でロボを見上げて、つづく。