東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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DはディダーンのD

イナズマン』感想・第24話

◆第24話「謎のロボット戦士?」◆ (監督:塚田正煕 脚本:上原正三
 サブタイトル通り、冒頭から登場する謎の鋼鉄ロボ……その視線が見つめるのは新人類帝国の輸送部隊で、空中反転ジャンプでバイクに乗り込んだロボットは……撃った。
 どんな特殊能力を見せるのだろうと待ち構えていたら、普通にアサルトライフルを取り出しました(笑)
 更に、逃亡したミサイル輸送車に向けてロケットランチャーを打ち込んで粉砕し、地味。
 派手だけど、地味。
 この爆発音を耳にしたのは、唐突にジャケットとネクタイに身を包み、何故か今になって初期本郷猛スタイルになった渡五郎(大学、卒業式だった?)で、雷神号を走らせると地面に累々と横たわる帝国兵の屍を発見し、バイクのロボット戦士と初顔合わせ。
 (あいつがやったのか……一瞬の間に、これだけのものを破壊するとは、恐ろしい力の持ち主だ)
 ロボット戦士が無言で走り去った後、五郎は突然の巨大な岩つぶてに次々と襲われ、顔面アップの新演出で剛力招来。すると、飛んできた岩つぶてが人型に合体し、新人類のミュータント・石バンバラ(防護ネットつき)が出現し、余計な落石を阻止するスタイル。
 「よくも部下をやってくれたな!」
 「私がやったんじゃない!」
 「おまえの他に誰がやれる、死ね!」
 不良生徒と生活指導の教師のようなやり取りから、問答無用の岩石爆弾を浴びたサナギマン容疑者は、強烈なストロボを焚くこれまた新演出で超力招来し、自由の戦士・イナズマン………………明らかにマフラーの色が変わっている(黄→橙)のですが、既に、次回作モード……?(笑)
 石バンバラは、新人類帝国は大計画を展開する予定だから、こんな事で負けないんだから! と言い残して撤収し、一連の戦いを見つめていた謎のロボットは、D印のベルトを身につける。
 「よーし、かくなる上は一刻の猶予もならん。作業員を増やし、突貫工事で、ミサイル基地の完成を急ぐのだ」
 石バンバラの報告を受け、これ以上なく駄目そうなワードを口にした帝王バンバの命令により新人類帝国はいたるところで人足狩りを行い、港でアルバイトをしていた丸目もこれに巻き込まれる事に。
 奴隷としてこき使われる丸目は、帝国のミサイル発射施設を目撃し、テスト攻撃により村一つを消し飛ばした新人類帝国は、その一千倍の威力のミサイルを東京へ打ち込もうとしていた。
 「ふふふふふふ、早く大東京が、火の海になるのを見たいものだ」
 およそ1クール、ほぼほぼイナズマンにだけ戦力を集中していたのは、全てこの一大破壊作戦の為の目隠しだったのかもしれない、多分そうなんじゃないかな、まちょっと覚悟はしておいてほしい。
 帝王バンバの、日夜たゆまぬイメトレの成果が今まさに花開かんとする一方、大事な建設現場では、丸目の扇動により奴隷たちが一斉に逃亡を図るが、石バンバラに阻まれて失敗。囮として先行した丸目の背にも帝国兵の銃弾が突き刺さり、九州男児・丸目豪作、ここに散る?! ……かと思われたその時、そちらがイメトレを重ねていたというならば、こちらはヒロイン力をチャージしていたのだ! と、丸目のヒロインスキル《ヒーローの助け》が発動!
 労働者の行方不明事件を追っていた五郎は、間一髪のところを助けた丸目からミサイル基地の情報を入手。ミサイル基地が完成し、奴隷たちがまとめて処刑される寸前に飛び込んでいき、第12話の惨劇再び、とならず大変ホッとしました。
 奴隷を解放したイナズマンが、挿入歌に乗って雷神号で戦闘機部隊と空中戦を繰り広げる一方、暗躍するロボット戦士はミサイル基地に乗り込んでいき、イナズマンが石バンバラの相手をしている間にミサイル基地を占拠する頭脳プレイ。
 まあ結局やる事は東京に向けたミサイルの発射なので、介入した理由は嫌がらせと顔見せ以外のなにものでもないのですが、D印のヘルメットを被ったファントム兵がロボット戦士に協力している事で、既に新人類帝国の内部にも、謎の勢力の手が及んでいる事が表現されたのは、良かったところ。
 操縦していた戦闘機を撃墜され、息も絶え絶えの石バンバラにラッシュを叩き込んだイナズマンは、既に無抵抗だった石バンバラを超力稲妻落としでチェストするが、直後に第三勢力の手によりミサイルが発射。慌ててその後を追ったイナズマンは、ミサイルの軌道を変える事に成功し、新人類帝国が下半期の予算の大半を突っ込んだ東京壊滅作戦は失敗に終わるのであった。
 「帝王バンバ! よくも東京にミサイルを撃ち込んだな」
 「儂は知らん! ミサイル発射は、今夜の予定だった!」
 「……なんだって!」
 「だがミサイル計画など、ほんの序の口よ。儂は更に、どデカい計画を進めているのだ。はーっはっははは……!」
 2月2日はインドで観光していた、みたいな事を言い出した帝王バンバが、悪の秘密結社の総帥らしからぬボキャブラリーを口にして姿を消すと直後にミサイル基地は爆発炎上し、謎の第三勢力の存在を感じ取るイナズマン……果たしてそれは如何なる脅威なのか、そして、帝王バンバのどデカい計画とは?!
 ナレーション「帝王バンバのミサイル攻撃は、阻止することができた。だが、イナズマンは、恐るべき敵の出現に血が騒いだ。果たして、何者なのであろうか」
 イナズマンもナレーションさんも、謎の敵の事ばかり気にして、誰もバンバの捨て台詞について触れないまま、いよいよ新人類帝国との決戦の時、迫る。
 次回――突然巨大化した帝王バンバ。
 ……うん、確かにどデカい。