東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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『SCALET NEXUS』1周クリア

念力集中ピキピキドカン

 ユイト(男主人公)編をクリア。プレイ時間は約60時間。
 複数回のアップデートにより、強力な装備品や、レベル上げに使えるミッションなどが追加されており、アクションゲームが得意ではない身としては、それらによる調整があって丁度良い、ぐらいのバランスでありました。
 諸事情あって戦闘シミュレーションにこもっていたら、最終章はだいぶ楽勝になってしまいましたが。
 ただそれでも、余裕があるならあるなりに、各種能力を駆使して立ち回るのが面白く、とにかく最後まで、アクションの面白かったゲーム。
 最終的には9種類の超能力に仲間ごとの特殊攻撃も組み合わせて戦うのですが、初期はとても手に負えなかったのが、敵の動きも含めて、“読み”ながら戦えるようになると、大変気持ちよい。
 敵それぞれ、行動パターンと弱点があり、正面突撃でもそれなりに何とかなる一方、きっちり敵の特性を把握して戦うと思いもかけない楽勝パターンが見つかったりするのもよく出来ており、各エネミーに対する“読み”の要素と、アクションのカジュアルさ・爽快さのバランスのまとまりが良かったです。
 ストーリーの方は、1クールのアニメに、人外の敵と戦うSF異能力バトルアクションとして思いつく限りの定番アイデアを全て詰め込んだ、といった感じで、言ってみれば、定食によるフルコース。
 新鮮さは無いが奇抜すぎて食べられない事もなく、特別おいしいわけではないが安定してボリュームはある、といった感じで、とにかくハイテンポで次から次へと定食が運ばれてくるので、チャプター進行のアクションRPGとしては、たるみが無いのは結果的に長所となりました。
 また、作品として特徴的な要素である「SAS接続」(超脳力者同士が仮想のケーブルを繋ぎ合う事で、他者の能力を一時的に使用できる)を、きっちりと物語のテーマと繋げて使ってくれたのは、定食としてのツボを押さえて良かったポイント。
 一方で、ラスト2割の展開が、そこまでの8割で描いてきた物語の軸と微妙にズレている気はしたのですが、今作らしい如何にも……ではあるものの、もう少し要素を絞ってコース料理の体裁を整えてくれても良かったかな、とは。
 そんなわけで、特別刺さりはしなかったが、特別愕然とする事も無かった、といったシナリオでしたが、それを支えるキャラクターのサイドストーリーの方は、定食フルコース具合がいい方向に転がって悪くなかったです。
 珍しく、基本好感度高めの幼なじみキャラ(大概苦手)もあまり面倒くさく感じませんでしたし、全体的に、サイドストーリーを進めていく意欲が削がれないキャラ造形になっていたのに加え、仲間との友好度を上げていくと覿面に超脳力が強化されていくので、キャラストーリー×戦力強化、の構造も上手く噛み合っていました。
 また、非常にサービス精神豊富で、クリアしたエリアに戻ってアイテム集めなどしていると、エリアとキャラの組み合わせでちょっとした会話が入ったり、キャラクター同士の細かいやり取りが豊富に用意されているのは、嬉しい仕様。
 後、主人公(男)が、割とズカズカ他人の懐に踏み込んでいくタイプなのですが、幾らなんでもそれはデリカシーが無いのでは……という発言をした時は、大抵その場で、今のはデリカシーが無かった、と反省してくれるのが、ストレスが少なくて良かったです。
 そんなわけで、アクションは完成度が高く面白く、キャラクター要素とゲームシステムの兼ね合いは洗練・充実しており、ストーリーはひたすらに定食、といった一作で、前二つの要素で充分に楽しめる作品でした(定食は定食で悪いわけではなかったですが)。
 少し間を置いたら、女主人公編をやりたい予定。