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魔界から対馬へ

『GHOST OF TSUSHIMA』感想・その1

 (※発売からだいぶ経過しているので、ストーリー内容に触れています。ご留意ください)


時は鎌倉。十三世紀後半――
これはそれがしが
油揚げをくわえたキツネと、
モンゴル軍に出会ったことからはじまる
“漆黒の幽霊”にまつわる記録だ…
そしてその幽霊の名は――
『クロスボーン・サムライ・ゴースト』


第1話「刀を二本差して鎧を着てりゃマスコミがみんなサムライにしちまうのさ!」
 色々あって、今更ながらに『GHOST OF TSUSHIMA』を始めたのですが……(『真女神転生5』はそろそろ最終盤な雰囲気)成る程これは話題になるわけだ、と冒頭から感心。
 美しいグラフィックと迫力ある構図でいきなりクライマックスへと放り込み、武士(主人公サイド)とモンゴル軍(侵略者サイド)の対比をくっきり描き出した上で、絶望的な戦いの末に、泥をすすりながら如何にして刀を握り直すのか、を劇中の主人公とそれを操るプレイヤーに刻み込んでくる流れが、巧み。
 そして、開始1時間以内に、リアル・伯父貴の仇じゃぁぁ!!が体験できて、大興奮。
 これぞ、出入り。
 これぞ、 任侠 武士の本懐。
 ……制作にあたり時代劇映画を多く参考にしているとの事ですが、導入における世界観とキャラクターの思想背景への引き込み方が非常に良く出来ており(それを彩る音楽の効果も素晴らしい)、基本操作を学びつつ、ぐっと没入感を高めてくれます。
 またその中で、武士としての“誉れ”はどこにあるのか……を主人公の重要な行動指針として位置づけ、力無き民を守ろうとする思いでヒーロー性を引き上げてプレイヤーとの一体感を高めると共に、「民を守る」事と「武士としての生き様」が衝突する時、サムライとしてどちらを選ぶべきなのか? その葛藤の導線になっているのも、物語とゲーム性の接続として巧妙。
 常々、「映画のよう」というのはゲームに対する褒め言葉ではないと思っているのですが、映画的手法を用いる事によって、時空を超えた主人公の行動原理にプレイヤーを接近させ、“絶望的な戦いと屈辱的な敗北”を第二の土台とした(……あ、これも、“ある意味誕生日”案件……)サムライからゴーストへ、或いは、サムライとゴーストの狭間に居る者、を非常にわかりやすく提示しているのは、お見事。
 そんなこんなで、モンゴリアンマフィアに奪われた志村組のシマを取り戻すべく立ち上がる若頭・境井仁。
 自由行動を始めてから……1分も経たずに死亡。
 強い、強いぞモンゴル軍。
 弱い、弱いぞ境井仁(多分、拾った鎧がボール紙製なのがいけない)。
 ……ま、まあ、風の噂ではかの源頼朝も言いました。オープンワールドRPGは、一度さくっと殺されてからが、真のスタートであると。
 ひとまず、片っ端から、伯父貴の仇じゃぁぁ!! をやるとあっさり返り討ちに遭う事が判明したので、まずは出来る事を増やす為に、手近のメインクエストを素直に進めていく事にして、境井仁は《闇討ち》を覚えた!
 闇討ち、最高です。
 ストーリー的にはカチコミが盛り上がるのですが、アクション的にはステルス暗殺アクション大好きなので、サイレントキリング楽しい。
 今作、経験値やレベルの概念はなく、メインクエストをこなしたり拠点を開放する事により“冥人(ゴースト)”の噂が「木星……じゃないモンゴル軍を次々と襲うガンダムもといサムライが居るそうじゃー」と広まっていくと<技量>を得られ、それにより各種スキルを獲得していくシステムになっており、まずは使える手札を増やしていく事が必要そうなので、しばらくは素直にメインクエストを進めていきたいと思います。
 ……ところで、対馬には、狼や熊は居るのだろうか。
 (※オープンワールドRPGあるある:野盗や雑兵相手に余裕が出てきて調子に乗り始めた頃に、その辺りの野生動物に襲われて死ぬ)

 なお、冒頭とサブタイトルは、『クロスボーン・ガンダム(・ゴースト)』のパロディを思いついて発作的にやりたくなっただけなので、ネタが続くかどうかはわかりません!