東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

「エクソダス、するかい?」

 遅れまして『リバイス』。
 ……もしかして、現行作品を3本並行して見るのが一番、各作品ごとの脳のスイッチの切り替えが難しいのではないか、と気付いてしまった今日この頃。

仮面ライダーバイス』感想・第10話

◆第10話「兄と弟、信じる心」◆ (監督:坂本浩一 脚本:木下半太
 悪魔カゲロウは一輝へと苛烈な憎悪の刃を向け、本当に大二はカゲロウに塗り潰されてしまったのか?
 兄弟が修羅場を演じている中、残るブラキオデビル2体をモグラパンチとモグラキックで撃破したデモンズは、エビルにトドメを刺されかけていた一輝の身柄を回収して一時撤退する、大活躍。
 ところで、デモンズがハンコを発動する時の、ベルトの左右で両手を上下逆にするややこしい動き、赤心少林拳がこんなだっけ……? と思って、東映Youtuberで公開中の『仮面ライダースーパー1』を確認してみたのですが、全然違っていた事を報告します。
 それはそれとして、『スーパー1』第2話「闘いの時来たり! 技は赤心少林拳は滅茶苦茶格好いいサブタイトル。
 一輝と門田はカゲロウの暴威の前に辛い決断を改めて迫られ……果たして、世界を守る為に大二を犠牲とし、一輝の人生も滅茶苦茶になり、家族がバラバラになる事は“正しい”事で“必要な犠牲”なのか……?
 悩めるさくらの前にはアギレラが姿を見せ、しばらく坂本浩一監督の煩悩をお楽しみ下さい(とはいえ近年は、一時期に比べるとフェチズムの剥き出しは控え目になっており、若干引く事があった身としては、良い傾向だと思います)。
 「私を殺しに来たの?!」
 「その逆。救いに来たの」
 「は?」
 アギレラがさくらに囁きかける一方、失意の一輝はバイスから、大二がまだカゲロウの中で戦っている事を伝えられると、本当の意味で大二を信じ切っていなかった自分を反省し、銭湯のパワー、充電完了。
 カゲロウのアジトへ乗り込むとエビルと対峙し、あの兄ちゃんがオレに謝った……?! と、カゲロウの中でじっと自己の存在を保ち続けていた大二が覚醒。
 カゲロウ内部で大二が空間に拳を叩きつける姿と、幼少期の大二が遭難した際に自分の居場所を伝えようと壁を叩き続けていたシチュエーションが重なるのは上手くはまって、大二はエクソダス
 エビルが取り落としたブラキオハンコを用いたリバイスは、褌……じゃなかった、履帯が体の中心に垂れ下がった実質的なゴリラフォーム(ウィザードモチーフ……?)となるとエビルを粉砕し、物語をかき回すのかと思われたカゲロウ、あっさり焼却処分。
 「白黒つけようぜ」
 帰還した大二は、デモンズを倒した(デモンズ……)合体ブラキオデビルに立ち向かうと改めてベルトを身につけ、エビルと同じバットスタンプから、白地に黄金の装飾が入ったド派手な胸甲と尖ったゴーグル、そして肩アーマーと腰のひらひらが目立つ、超古代の戦士、みたいな仮面ライダーライブへと変身。
 思わせぶりだった狩崎は、最初からこれが狙いだった、と全て私の思うがまま扱いとなり、銃撃と蹴り技主体のライブは、ジャスティスオーバーヒーートで合体ブラキオデビルを撃破。かくして、フェニックスに3人目の仮面ライダーが誕生するのであった。
 ……前回の予告映像で新ライダーの姿を見せる=大二の問題は次回で解決します、の時点でテンションガタ落ちとなり、やむを得ない事情はあるのでしょうが、せめて新ライダー誕生は予告では隠してほしかった部分です。
 そして、“わかった上でなお面白い”ものになっていたかといえば、結局「大二を信じる」「大二は本当は強い」で押し通すばかりで、おおお、と唸らされるようなところはなく、見ているこちらからすると、「言行と情緒が不安定な子」でしかない大二(生真面目キャラは、門田さんがかっさらってしまいましたし)に対する、画面の向こう側の一輝の盛り上がりと距離が開くばかりになってしまいました。
 後で大二本人からフォローが入るかもしれませんが、結局一輝、大二自身の抱えていた筈の負の感情については、向き合わずに無視したままですし。
 大二のドライバー自体が二面性を引き出す機能(不備ではない)を持っているようですし、ここで使い切ってしまうにはエビルは如何にも勿体ない造形なので、カゲロウの再登場は視野に入れているのだろうとは思いたいところですが……そうでないとカゲロウ、黒ずくめにシルバーのアクセじゃらじゃらつけてちょっと弾けたかったオレ、だけで消されてしまうのはあんまりなので、「だからハンバーグの上の目玉焼きは最後まで取っておく派であって、嫌いだからよけてんじゃねぇんだよお兄様ぁぁぁ!!」ぐらいのノリで食卓に出てきてくれても、この際OKです。
 「本当の強さって……なに?」
 本当に守るべきものはなんなのか、守る為の力とはなんなのか……多分その悩みは、筋トレで解決するって藤宮が言ってた。
 一輝と大二が笑顔で銭湯に帰ってきて久方ぶりの一家団欒となる五十嵐家だが、次回――さくらに近付く悪魔の指先。