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君の前に広がる海 道なき道をゆこう

海賊戦隊ゴーカイジャー』感想・最終話


冒険とロマンを求めて、旅を続けてきた6人の若者たち。
宇宙帝国ザンギャックに叛旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快な奴ら。
その名は――

◆最終話「さよなら宇宙海賊」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久

 ――「あばよ涙。よろしく勇気だ」

 遂に到達した真の海賊戦隊としてダイランドーを追い詰めるゴーカイジャーだったが、皇帝陛下の直接指揮による絨毯爆撃再び。
 「言っただろう。地球全人類を皆殺しにすると。宇宙海賊よ。この星もろとも塵となれ」
 市街地が景気良く吹き飛び、海賊たちも変身解除。
 「おまえら、くたばってねぇだろうな」
 「……当然だ」
 「まだまだ行けるよ」
 「そうですよ……でぇっかい夢、掴まなきゃ、いけないんですから」
 なんとか身を起こす6人に更なる砲撃が迫ったその時、頭上を覆いバリアを張ったのはなんと、宿敵バスコが所有していた海賊船・フリージョーカー!
 前回、「船が無い」という言葉への反応が描かれていた鳥がフリージョーカーを見つけだして駆け付け、意外なアイテムが文字通りのジョーカー(切り札)になるのが単純に格好良かったですし、退場したキャラがそれっきりにならずに関連した要素が活かされる、のは個人的に大好物。
 「おいらだってやるときゃやるんだー! はーでにいくぜー!」
 トドメに鳥にも決め台詞が回ってきて、感涙もの。
 鳥はポジション的に、あざとくやろうと思えばもっとあざとく出来たと思うのですが、可愛すぎずあざとすぎず雑に扱われがちながらしっかりと真ヒロインとして要所で存在感を出すバランス感覚が非常に絶妙で、脚本や演出は勿論ながら、名前や人気のほどは見聞きするものの出演作品に触れた事があまり無かったのですが、演じた田村ゆかりさんのセンスの良さなのだろうな、と思うところ。
 「……あいつもやっぱ、海賊の端くれだな」
 みんなの先輩だしな!
 そしてマーベラスは、フリージョーカーによる逆転の秘策を思いつく。
 そう、地球のヒーローは言いました。
 「こういうのは、少しズレた発想の方がいい」
 …………すみません、再生する箇所を間違えました。
 やり直します。
 地球のヒーローは言いました。
 「いいか、侍の本分は、討ち死にに非ず。狙うは脂目マンプクの首一つ」
 ジョーはマーベラスに同行するように鎧を促し、他の3人と共にダイランドーの相手を買って出る。
 「最前線に皇帝が出てくるなんて千載一遇のチャンスだ。夢なんだろ……ザンギャックを倒すのが。とっとと行け。ダイランドーは、俺たちで十分だ」
 前回、宇宙最大のお宝を使わない事を選んだ海賊たちですが、それを気にした鎧へ向けて、俺たちは俺たちの夢をまた探すし、おまえはおまえの夢を胸を張ってかなえろ、と言外に告げているようで、先輩の甲斐性を見せると同時に、気にすんな、と改めて告げているようなのが格好いい。
 そしてマーベラスとジョーは視線をかわすと無言で頷き合い、敢えて別々の場所で戦うのも、強い信頼で結ばれているからこそ、と二人のコンビ関係も最後までしっかりと描写を重ねてくれました。ジョーに関しては第4話で、「あいつが一人になるのは、いつでも何かと本気で戦う時」とキャラを立てたのが、本当に大きかったなと。
 マベと鎧はフリージョーカーに乗り込むと、狙うは大将首一つ、と旗艦ギガントホースへ向けて全速前進。
 「鳥、おまえは逃げろ!」
 鳥は窓から投擲し、雑。雑だけど大事。
 砲撃の嵐に見舞われ、撃沈スレスレのフリージョーカーで旗艦に乗りつけた赤銀は、群がる雑魚さん達を切り払い、地上の海賊(と後おそらくは地球のニンジャとかサムライとか拳法家とか魔法使いとか犬とかその他諸々)掃討に直衛戦力を回し、手薄になっていたと思われるブリッジへの突入に成功。
 「久しぶりだな、アクドス・ギル」
 「よくぞここまで来た。だが、ここが墓場となる」
 「ああ。てめぇのな」
 敢えて玉座に構えた皇帝陛下は着座のまま銀の槍を軽々と受け止め、椅子に座ったまま上半身の動きだけで左右からの攻撃を捌くギル家伝来インペリアルアーツが格好いい。
 劣勢だと思われた赤銀だが、銀がゴールドモードを発動すると椅子から押し出す一撃を浴びせ、立ち上がる皇帝。
 「この姿になった俺は、ひと味違うぜぇ!!」
 絶好調の銀、なんだかちょっとファイヤーモードが憑依しているのですが……向こう側への扉が、開き加減? 今回やたら強い銀(もともとテンションに左右されやすいタイプですが)、歴代殉職者のパワーが宿っていると考えると納得できるのですが、最後に一緒に連れていかれない事を祈りたい。
 サイコフレームが共振している銀が剣を抜いた皇帝を捨て身で足止めしている間に、赤は操縦席に座り込むと旗艦の全砲門を駆使して周囲のザンギャック艦隊を薙ぎ払い…………酷い(笑)
 そして、苦戦していた青黄緑桃は、その光景に愕然とするダイランドーを、背中から攻撃し…………酷い(笑)
 「後ろからとは……卑怯だぞ!」
 「海賊ですから」
 地上組は、デカマスター(青)・シンケン姫レッド(黄)・ズバーン(緑)・マジマザー(桃)へとゴーカイチェンジし、ズバーンまさかの黄金の剣モードを手にしたデカマスターの超格好いい二刀流で、百鬼夜行をぶったぎる!
 「そんな、ば、ばかなぁ! 嘘で、チョーイ!」
 そこからガレオンバスター青でライジングストライクしてダイランドーは爆散し、もっと雑に消し飛ぶかと思っていましたが、案外と健闘。帝国の強大さを現す為の最終クールの追加キャラという事で、人格的な掘り下げはすっぱり諦め、ただし皇帝の腹心として存在感は必要なので、ベテランの大物声優さんに特徴的な言い回しで喋ってもらうというのは、良いアイデアであったと思います。
 今回前半に残した事で、後半の尺を圧迫しないかと多少心配しましたが、この後綺麗に収まるので、使い切り方もお見事。
 「ふぅ……自慢の大艦隊も終わったぜ」
 旗艦では、周囲の艦隊を壊滅させた赤が格好良く振り返ると、皇帝に真っ正面から袈裟懸けにされた銀が、ちょっぴり死にそうになっていた。
 椅子にふんぞり返っているだけかと思いきや、外道衆や別の宇宙海賊ばりの武闘派だった皇帝陛下に苦戦する赤銀は、皇帝ではなく船のコンソール部分に必殺攻撃を叩き込み、前回堂々と名乗った「スーパー戦隊」のイメージが強くなりすぎる事をスタッフ的に嫌ったりしたのか、最終決戦にして戦闘の邪道ぶりがいい感じ(笑)
 よく考えたらこいつらはこの船に思い入れがなかった! と動揺した皇帝に赤の斬撃が深く入り、銀の槍が突き刺さり、かりそめの玉座に串刺しとなるアクドス・ギル。
 ここで背後に殿下の遺影が飾ってあったら個人的には最高だったのですが、画がギャグになると判断されたのかいつの間にか外されており、残念です。
 「あばよ。最強最悪の、皇帝陛下」
 身動きできない皇帝にダブル必殺技が突き刺さり、巻き起こる大爆発。それは旗艦ギガントホースにとってもトドメの一撃となり、轟沈に巻き込まれる赤銀だが、ゴーカイチェンジで空を飛んで、仲間たちの元へと無事に帰還。
 「ザンギャックの皇帝も、遂に地獄に落ちたんだね」
 「ハイ」
 「――いや、まだだ」
 頷きかけたマベが気配に気付いて振り返ると、そこに降り立ったのは爆発の中心に居た事をほぼ忘れそうになるアクドス・ギル。……ザンギャック皇帝たるもの、日々の筋トレを欠かさない!
 「往生際の悪い奴だ」
 「それは貴様たちだ。運命を素直に受け入れろ。この私の手に掛かって朽ち果てるという運命をな」
 数多くの部下と、全ての艦隊を失ってもなお、悠揚と威厳を崩さず尊大に振る舞う皇帝陛下ですが、割と真面目な話として、仮にここで陛下がゴーカイジャー倒した場合、地球にひとりぼっちでどうするつもりか気になります(笑)
 陛下、本星と連絡を取るための携帯電話とか、持っているのか、陛下。
 もうこの際、個人の腕力で地球を支配してみせるのか、陛下(出来そうではありますが)。
 そんな陛下の世紀末覇者伝説の前に立ちふさがるのは、夢に向かって進み続け絶望を知らぬ6人の海賊たち。
 「ふん、そいつは無理だな。てめぇは俺たちに勝てねぇよ」
 「なんだと?」
 「この星を狙ったのが間違いだったんだ」
 ちっぽけな辺境の星に……と定番ながら、気持ちのいい台詞。
 「この星にはね、あたしたち海賊でも手をだせない、大きな力があったのよ!」
 「おまえには見えないだろうけど、僕たちは6人だけじゃない!」
 「わたくし達の後ろには、この星を守り続けてきた人達がいます」
 「34のスーパー戦隊が居るんだ。その力、今見せてやる」
 タメを効かせた鎧のポーズに合わせ、空に輝くスーパー戦隊の光。この一連の口上により、海賊戦隊ゴーカイジャーが皇帝アクドス・ギルを倒すのではなく、35のスーパー戦隊の力で倒すのだ、と物語の始まりであるレジェンド大戦からラストバトルが一本の線で繋がり、積み重ねてきたスーパー戦隊の歴史が最強の敵を打ち破る構図が完成するのが、美しい。
 「ほざくだけなら誰でもほざけるわ」
 「俺たちは35番目のスーパー戦隊だがな……海賊だからな」
 「おまえみたいな気に入らない奴は」
 「「「「「「力の限りぶっ潰す!」」」」」」
 最後の最後まで、正義を語らない海賊の姿も貫かれ、声を合わせて指を突きつけた6人は、素顔名乗りで、海賊戦隊ゴーカイジャー
 ラスト定番になっている素顔名乗りですが、海賊戦隊ゴーカイジャー完成としての名乗りは前回やっており、今回は「35のスーパー戦隊代表」としての名乗りである事と、この後それを証明するバトルが詰まっている為か、盛り上がりのピークはここに合わされておらず、割とあっさり目の印象。
 「最後だからな。ど派手に行くぜ!」
 陛下の剣閃に対して早速のゴーカイチェンジで、まずはゴセイナイトが天装術でシールドすると、アカレンジャー、ダイヤジャック、バトルケニア、バルパンサー、デンジピンクが次々と攻撃。
 続いてボウケン赤とダイ青がWロッド攻撃を浴びせ、ダイナ黒・マスク黄による夢の忍者共演W分身の術から、カクレ白とハリケン緑が折り鶴&千本ノック。
 ゴーグル桃とファイブ黄のリボン攻撃が乱れ飛び、拘束した皇帝をターボ黒・カー赤・ゴーオン青の爆走トリオで轢きまくり、ジュウ桃とアバレ黄の恐竜W射撃から、ギンガの戦士がW炎のたてがみ! バイオ青とチェンジ黒で天地攻撃が炸裂し、この辺りから一時停止しないと追えないスピードになってきますが、物凄く手間のかかったと思われる撮影。
 そしてずっと同じスーツで、着替え中に待機しながら、ひたすらやられまくる皇帝陛下の方も大変そうです。
 ジェット赤・ガオ黄・フラッシュ桃、の飛行トリオ攻撃に続いて、ゴー青・メガ黒の90年代携帯系アイテムパンチ! ライブ黄とタイム桃がバズーカを叩き込み、キングと赤の超力コンビが切り刻み、あちゃあ! ほあちゃあ! 超力ライザー!
 本編レジェンド回でバスコの踏み台扱いだった点にまだ思うところあったのか、オーレッドがやたらいいところで使われて大満足(笑)
 嵐のようなゴーカイチェンジにより、35のスーパー戦隊の力を結集して戦っている印象が強まると同時に、それでも倒れない皇帝のラスボスとしての格も高まっているのが実にお見事で、なおも反撃してくる皇帝に対し、6人はスーパーチェンジ。
 シンケン赤・ゴセイ青・ゲキ黄・デカ緑・マジ桃・シルバー金、の強化モードが並んでの超豪華スーパーラッシュから、銀がゴールドモードの全ての力を乗せたレジェンドクラッシュで真っ向両断し、遂に膝を付く皇帝アクドス・ギル。
 「馬鹿な……この私は全宇宙を支配する偉大な皇帝、アクドス・ギルだぞ……」
 「愚痴ならあの世で息子に言え」
 そうっすね……。
 思わず、クライマックスバトル中である事を忘れて素に戻りましたが、これはこれで、退場キャラが思わぬ形で活かされた、と言っていいのでしょうか(笑)
 渾身の6人ファイナルウェーブを受けてもなお立ち続ける皇帝だが、反撃をくぐりぬけた銀がガレオンバスターの船首ラム部分を突き刺すと(活用された!)、6人がかりで零距離ガレオンバスターを叩き込み、その一撃が遂に、皇帝の大胸筋を撃ち貫く!
 「おのれぇぇ、宇宙海賊どもめぇぇぇぇ!!」
 尾を引くような断末魔を残し、皇帝陛下、ここに崩御
 名乗りから決着まで約4分、ゴーカイチェンジの乱れ打ちから6つの力をひとつに合わせて勝利する、まさに今作集大成のバトルで、巨大戦力を失った絶体絶命の危機 → 奇跡を用いる事を否定して立ち上がる → 人間大の最終決戦、も今作の魅力を生かし切る形で大変良かったです。
 殿下が何者かになる為に必要だったのは、きっと筋肉(あの時、ダマラスに筋トレについて質問していれば……)。
 歓喜の雄叫びをあげた海賊戦隊はそのまま地面に倒れ込むと、無事だった鳥が飛んできてマーベラスの顔に張り付き……
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 (宇宙最高裁判所で審理中)
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 ……キスシーンですね、これは(笑)
 「良かった。ナビィも無事だったんだ」
 「おいらがみんなを置いて死ぬわけないだろー」
 多分そういう意図は無いと思うのですが、鳥が永久機関だと考えると、ロボットテーマ的にはちょっと重い。……というか、こういうさらっと口にした台詞を勝手に重く捉えるのがロボットテーマ好きの癖です(笑)
 「あー……やべぇ! ……すっげー気持ちいい」
 鳥を引きはがし、大の字に寝転がったマーベラスの頭上に広がるのは、澄み渡る青空……
 ――「綺麗な空だ。目にしみやがる。わかってるな。おまえらが守る番だ、あの空を」
 彼の翼は今、どこかで羽を休めているのだろうか?
 …………それから数ヶ月後、海賊たちは新装開店なったスナックニューサファリで、念願のカレーにありついていた。
 「この星の奴等はどいつもこいつもしぶとくて嬉しくなるぜ」
 ガレオンの修理も終え、世界中を巡って友人たちに挨拶してきた鎧も合流し、海賊戦隊の次なる目標は……?
 「当然、宇宙で二番目のお宝に決まってんだろ」
 正確な所在は知らないが、マベが目星をつけたその在処は――ザンギャック本星。
 帝国の根拠地なら単純に貴重なお宝が集まっている可能性が高い上で、内部分裂に揺れ、混乱極まるザンギャックの中心へ向かうという事自体がそれ以上の意味を示して、再び旅立つに際しての説得力も、お見事。
 「こりゃあ大変な旅になりそうだねぇ」
 「ま、付き合うぜ……新たな夢の果てまで」
 「わたくしも、どこまでもついていきます」
 「そうだね。どーんといこ」
 「俺も、ギンギンに燃えてきました!」
 マーベラスの心中を推し量って笑顔を浮かべる仲間たちも素敵。
 かくして、心残りを片付け地球を離れようとする海賊たちは、歓声をあげて走り寄ってくる園児の集団と遭遇。
 「あなた達は、地球を守ってくれたヒーローですもの! お礼も言いたいし」
 パイロット版に登場した人物と思われる戦隊ファンの保育士にサインを求められ、遂に俺もサインを書く方?! と大興奮する鎧だが……
 「なに言ってんだ、あんた?」
 海賊たちの反応は、これまで通り。
 「あたし達はただの宇宙海賊。別に地球を守ってなんかないわよ」
 「そうです。たまたまお宝探しに来たこの星で、邪魔なザンギャックを排除させていただいただけです」
 「だから、お礼を言われる理由はないよ」


 「あたし達は宇宙海賊。お宝探しに来ただけよ」
 「でも、だったらどうして、奴らと戦ってくれたんですか?」
 「……それは……」
 「……カレーライスだ」
 「「「え?」」」
 「カレーを食い損ねて俺達は腹が立ってた。ま、そんなとこだ」
 「だから別に、お礼を言われる理由はないよ」

 前回の名乗り口上と同様、第1話のセルフオマージュにより「確かに変わった部分」と「持ち続けている信念に基づき通す筋」が共に描かれ、35番目のスーパー戦隊であると同時に、やりたい事をやる宇宙海賊である事を貫く彼らの姿が最高に気持ち良いシーン。
 画竜点睛を欠く事なく最後のピースが完璧に積み上げられて、この瞬間、今作は天に昇る龍となりました。
 「じゃ……またな」
 呆然とする保育士と園児たちの間をすり抜けていく海賊だが、その背にかけられた園児たちの感謝の言葉にマーベラスは思わず足を止めると、振り向く代わりに「あばよ涙、よろしく勇気」のポーズ(劇場版『vs宇宙刑事ギャバン』より)を決めて去って行き、夢はでっかい兄貴分(笑)
 ……メタ的にも嬉しいサービスになりました。
 ガレオンに乗り込んだ6人は、レンジャーキーを地球のヒーロー達へと返却。別れを告げて飛び立っていくその寸前、マーベラスはガレオンの舳先に腕組みして立つアカレッドの姿を目に留め……それは果たして夢か幻か、レジェンド達が“宇宙最大のお宝”と“大いなる力”の関係、その使用の代償について知っていたのは、アカレッドが一人一人の耳元に囁いて回っていたからなのではないかと思うのですが、自分たちが力を取り戻して無謀な戦いを繰り返すのか、未知の可能性に懸けるのか……バスコとマーベラスは、そんなレジェンド達の前にアカレッドが用意した二枚の賭け札(の予定)だったのかも、なんて事も思うところです。
 「……じゃあな、アカレッド
 から主題歌が流れ出してエンディングパートに入り、キーを受け取り宇宙海賊を見送るレジェンド達が、各色に対応してワンカットずつ出てきて、超豪華。一部、第49話のメンバーですが、それ以外にも多数登場し、台詞も一言あるかないかにも関わらず、最後の最後まで、よく集めて(出演して)くれました。

 目指せまだ見ぬ新世界 俺たち旅に出る理由 そんなもんはない 生まれた限り それが生きてる証だから

 舳先に立つキャプテン・マーベラスの視線は遙か明日の先を見つめ――
 「ゴーカイジャー……よくやってくれた。……掴み取れよ! 今度は、君たちの夢を!」
 旅立つ若者たちに力強くエールを贈った男はアカレンジャー――海城剛。
 《スーパー戦隊》の魂と、それを胸に宿した地球の人々に守るべき価値を見出し、地球を救って、もとい、邪魔なザンギャックを排除して旅立つ彼らに向けて、先達がエールを贈り返すのもまた、美しい帰着。
 そして宝箱の中に残されたのは、6つの鍵。
 それは、これからまた宝箱を一杯にしていく、夢を掴む力。
 「さーて、目指すはザンギャック本星だ! 全速前進!」
 広大な宇宙の海に出航していくガレオンの姿で、エンド。
 いやぁ……お見事!
 物語のテーマ的には前回でおおよそ片付いていて、後はどう皇帝陛下を倒して締めるか、という最終回だったのですが、その締め具合が何から何まで完璧に近い出来で、ここまで積み重ね散りばめてきた要素を徹底的に使い切り、物凄く完成度の高い最終回、そして全51話でした。
 特に園児たちとの別れのシーンが最高で、最後の最後の詰めの一手まで過たず、海賊戦隊ここにあり、の会心の一手。
 だいぶ長くなって既に頭も煮えたぎっているので、総括的な要素は別項にしようと思いますが、作品の性質上、シリーズへの思い入れや原典の知識の有無で感触の変わる部分は否定できないものの、その所持を前提とすれば、紛う事なき大傑作。
 天の時から人の和を得て、至高の《スーパー戦隊》賛歌に辿り着くと同時に、ピカレスクヒーローの物語としても完成度の高い、素晴らしい一作でした。
 個人的には、リアルタイムでは第31話以降を視聴していたのみだったので、今回この機会に10年越しに最初から完走できて良かったですし、結果的には、その間に登場作品のほとんどを網羅した上で改めて完全視聴できたのは、非常に幸運でありました。
 大満足。