東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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7/31付けレス

 本日は『ドライブ』感想を書きました。少々遅くなりましたがレスを。

仮面ライダー全開

◆アクションさん
 >「終盤のセイバーが侵食ゼンカイ」なるとか反対意見が主にゼンカイジャー側から出たようです。
そのままやったら、あまりにも劇薬ですものね……(笑)
 >試写の時に「1時間もこの番組を見てると頭がぐわんぐわんする」とかスタッフ内のゼンカイジャー側の印象が凄い強烈なのは面白いです。
ここに至って、諸田監督の戦隊復帰はこの為の前振りだったのか! といたく納得しました(笑)
 >コラボで主人公じゃなくてサブの凌牙や玲花
メイン同士を絡めるとどっちを立てるか問題も出てしまいますし、これは毛利さんの巧さでもありますが、『セイバー』未見でもなんとなくキャラの性質がわかるところを持ってきたのは、スムーズに見られて良かったですね。

◆あきさん
 >レンアイワルドの術のせいに出来る形でクリアしてしまったのかもと勘繰ったりしてます。
なし崩しで一度軟化させておく、みたいな(笑) 今のところまだ、フリントをどこまで物語の軸に絡めるのかは、検討中な部分もあるのかもですね。
 >格好いい好青年に見られたい気持ちと、母親におやつを貰える子供みたいに甘えたい自分を客観視してる感じが入り混じっていて。
色々な欲望が詰まっているのを、上手く見せてますよねー……いつどこで出てきても、間違いなくサトシなのが、サトシはホント凄いなと(笑)
 >今思うとゴーカイジャーの時はなんだか海賊より凱をリスペクトしすぎに感じて幾分モヤモヤしてたのもあるかもしれません。
多分に意図的でしょうが、『ゴーカイ』の時は、アンチ『ゴーカイジャー』的な内容という部分はありましたしね。
 >パロディ上等の位置付けに個人的には受け取めているのかもなあと。
例えばこれが『タイムレンジャー』だったら洒落にならなかっただろうな……という観点において、洒落になりうる条件を持っていた、というのは頷けるところです。
 >そう言いつつ本編を見ればまた感想も変わりそうな感じもするので配信が楽しみです。
今の流れだと『ファイブマン』の後に来そうなので、その際には是非。
 >実は恋に落ちやすいブルーンが、初めて出会った感情にいちいち無様に空回りしてるのが凄く等身大あるあるでツボにハマりました。
個人的には、もっとそちらに焦点を当ててじっくり描いて欲しかった、というのがあったのですが……
 >ここでゲストとのドラマを深めてしまうと柿原さんコースか圭一郎の時みたいに離れ離れにしないと収拾つかない気もして
戦隊としては、この問題があるのは、どうしても難しいですね。
 >介人以上にヤツデさんのために最後は無事に戻ってきて欲しく、その鍵を握るステイシーには頑張って欲しいですが。
五色田夫妻に再スポットを当てる事で、トジテンド側のステイシーの存在感が大きくなり、ヤツデの為に出来る事が浮上する、のは応援要素も出来て、非常に上手い流れになりましたね。
 >3陣営の初の連携の結晶だと誰1人知らないのが尊くもやるせなくて
この「知らないところで助けてる」は今回かなり好きな部分で、後半に上手く繋がってほしい要素です。
 >「スーパー戦隊に詳しいから」「あそこまでスーパー戦隊に詳しくて、ドラマも書けるなんて、地球広しと言えども」
言われてみると、声優陣のフリースタイル部分含めて小ネタ満載だからこそ、特に準備しなくても小ネタに繋げられる基本的な引き出しを要求される=他の脚本家が書きにくい、というのはありそうですね。
 >あともしかしたら香村さんもご自身が出来るだけ自分で書きたいのかもなあという気もしますが。
作家の欲望としては、それはあるのでしょうね……白倉さんは白倉さんで書かせたがりなのが、落とし穴にならずに上手く噛み合うと良いですが。

Beniさん
 >見せたいことはいろいろあるのだろうけど、そこにこだわるあまりおろそかになっているところも多いなあ、というが今のところの印象です。
全体的に、ノルマとギミックに振り回された感じの立ち上がりでしたね……まだ見ていませんが、第4話以降、上手く噛み合うと良いのですが。
 >同世代以下と見るや初対面の隊員をいきなり呼び捨てにする主人公よりは、名字+隊員呼びを徹底している隊長の方が好きです。
ケンゴ自身の掘り下げが弱い為に、気さくな性格というよりも、人の心に無頓着な感じに見えますよね……今のところ隊長は、スポンサーがアレなりに部隊に規律を持たせようとしているのは、好感が持てるところです。

◆MOPさん
 >セイバーは今回の出演者以外も身長高い人ばっかりなので、見慣れてないと新鮮かもです。
ゾックス、基本、見下ろしたいキャラ付けなので、目線の高いキャラに囲まれると、微妙に格好つかないな、と(笑) それもあってか、ホームの『ゼンカイ』編では高い所に出てきましたが(笑)
 >コラボについては、セイバーがスペシャルでゼンカイジャーは通常回というのが全てですね。
残り4話ぐらいのところでコラボに巻き込まれる『セイバー』も大変でしたが、割り切って番外編という形にしたのは、ややこしくせずに“楽しい”ところを描けて良かったですね。
 >倫太郎は真面目でちょっとズレてて、セイバー版ブルーンと捉えて頂ければ、今回は大丈夫。
凄くわかりやすく納得しました(笑)
 >青と黄はソードオブロゴス(基地は北極)の制服
ああ成る程、撮影時期を考えると辛そうで気になったのですが、制服だったのですね。
 >私はおそらくトジルギアは一つだけしかなくて、巨大戦のあと「七夕トピア」が解放されたのではと考えています。
織姫と彦星のトピアとは……と思っていましたが、それは美しいですね。
 >「スーパーヒーロー戦記
少し間を置くと割り切って楽しみやすくなるところもあるので、ここ数年のコラボ系映画も、その内見てみたいなと思います。

◆ヘイスタックさん
 >どうも何も考えずに有人機だった過去シリーズのパターンをそのまま当て嵌めてしまっているようなのが気になります。
主観映像が無い事とも絡みますが、いまいち、無人機ならではのリアクションが無いのは、改善してほしい部分ですよね。
 >もはや「積み重ねが足りない」どころか「状況と合っていない」レベルなのが辛いですね…
第4話はまだ見ていないのですが、とにかく立ち上がり、書けるか書けないかは別にして「反対意見もあるがトリガーと共闘する」やりたい(やらないといけない)状況設定ありきで、台詞を並べておくみたいになってしまったのは残念でしたね……。
 >個人的にモロ苦手なパターンを踏み抜かれているのもキツいです(特にGUTSの同僚二人)。
苦肉の策の部分もあったのでしょうが、キャラの見せ方がちょっと、こういう風にしておけばウケるでしょ? みたいなのも、ちょっと嫌な感じありますよね……。
 >最初ここは絶対「会長の不用意な発言でますますアキトが拗らせる」場面だと思ったんですよね……
おまえはエースになれないが、エースがみんなの笑顔を守るって言っているから、おまえはそれをベンチから全力でサポートしろよ、とか言われて納得…………できるかぁぁ! の方が、頷きやすいですよね(笑)
 >もういっそ会長が黒幕でラスボスだった方が納得しやすいです。
今のところ、8割方そのつもりで見ています(笑) ラスボスまでは行かずとも、「何故か黙っていた物凄く重要な秘密を、最終盤に明かす」はやりそうですよね……。
 >そもそもニュージェネシリーズでは「単なる召喚兵器としての怪獣」が連発され過ぎて、流石に飽きてきました。
「縦軸のドラマの強化」を目指し、各話の怪獣に「縦軸のドラマにおける意味」を付加しようとした結果、「強化アイテムの素材」などになってエピソード上の意味が消えてしまったのは、シリーズとしては皮肉な袋小路になってますね。
 >『トリガー』単体で見ると完全に意味不明(かつ無意味)で、つくづくワード先行の番組だなぁと。
これら完全に「言わせただけ」になってしまったのは、良くなかったですよね……。
 >ストーリーの一貫性や整合性よりもバトルやライブ感重視の作風なので、むしろ管理人さんの好みとは合わない気もします。
あー、積み上げ方というわけではないのですね。

コジコジハルさん
 >ゼンカイジャースタッフはゼンカイ脳になるのでやめた方がいいといったらしいですが。
ある意味、『セイバー』側からの要望により、悪ノリしすぎない自制みたいなものが働いて良かったのですかね……(笑)
 >飛羽真たちに関していえば本来コロナの影響で予定が変更してなければこんな感じの話で進んでいったのかなという感じでした。
コラボネタは、本編の人間関係が持ち込まれたりすると困惑する場合もありますが、スッキリした感じで、本編未見でも、楽しさを感じられる見せ方だったのは良かったですねー。ちゃんと『セイバー』への好感度が上がる作りといいましょうか。
 >七夕の7月7日は織姫が髪を束ねていたことからポニーテールの日とされているらしいです。
おお、そんな繋がりがあったのですね!
 >メタ的にいえば演じていたアンジェラ芽依さんが大のマジーヌ好き
あのラストは、見ていて???だったのですが、そういう事情があったのですね(笑) ……奇跡のコラボというか、上手いところでゲストが繋がっていたのだな、というか。

◆ガチグリーンさん
 >『X』以来の戦闘機を保有する本格的防衛チーム登場は嬉しかったです
微妙に財団Sの私設部隊っぽさがありますが、この辺り、どう描かれていくかは楽しみです(笑)
 >直近では『ゼンカイジャースピンオフ』(面白かったです!)で人ジュランを演じた高木勝也さん
あ、どこかで見た顔だな……と思っていたのですが成る程、スチール写真かなんかで記憶に残っていたのだなと納得。
 >ギマイラ、幼少時にソフビを持ってた事もあり、個人的に『80』怪獣の中でも好きな方ですし
ああ! あの怪獣島前後編の怪獣でしたか。確かにあれは、強力怪獣として描かれていましたね……吸血要素は本編でも言われてみればぐらいな扱いだったので、繋がっていませんでした(笑)
 >如何にも「CG」だった『ネクサス』『マックス』と比べ、今はTVシリーズでもここまで出来るんだ!と、割と好きなシーンでした
確かに、00年代初期の、どうしてものっぺり感と比べると、クオリティ面の進化は凄いですねー。
 >安易なキャラ変(操縦時にトリガーハッピーになる)はやめてほしかったなーと…『こち亀』の本田は好きなんですが(笑)
端々にちょっと、安直な、こういうのがウケるんでしょ? みたいな気配があるのは、不安のある部分ですね。
 >ダーゴンの元ネタの「ダーラム」は、ただティガを「マーイフレーンド」と呼びながら、殴りかかってくるヤバい奴
ダーゴンはダーゴンで面倒くさそうな人でしたが、元に比べると、だいぶ会話が通じるようになっていたのですね(笑)
 >シリーズ十数年ぶりの本格的海中戦(これは『ティガ』劇場版のダーラム戦オマージュでもあります)
海中戦は久しくやっていなかったのですね……お互いの大技の打ち合いは印象的なバトルでした。
 >個人的には東映イズム全開な、このキャラが『トリガー』独自色に繋がればと期待してます
『ティガ』との距離感含め、慣れもあってか個人的には掴みやすいキャラだったので、イグニスは今後の活躍に期待したいです。
 >こいつの元ネタ「ヒュドラ」は『北斗の拳』のヒャッハー!的な、知性を感じない残忍キャラだったので
その辺りが、性格豹変に繋がっていたのですね……馬鹿丁寧キャラとキレキャラの演じ分けなどは、良かったですね。個人的にも、陰湿キャラは割と好きなので(笑)
 >空中戦は迫力あったものの、単なるヒュドラムの傀儡としての扱いは勿体なかったなーとは思います
怪獣がおまけ扱いなのは、現状ちょっと気になるところですよね……折角、防衛チームポジションの存在もありますし、怪獣退治物としての魅力は取り込んでほしい要素です。
 >1話ごとに区切られる&実際に俳優が演じる実写ドラマとの相性は良くないなとは……最後まで観て、良い意味で裏切られると良いのですが!
この辺り、ジャンルによる表現の差に思い切りぶつかっている感じがありますが、第4話以降、改めて足場を固めて上手く転がっていてほしいですね。やはり出来れば、新作を面白く見たい、というのはあるので。
 >『セイバー』こそ、こういう力が抜けたエピソードを本編でもやるべきだったんだと(特に前半で)感じる回でした
ショー関係の仕事の経験もあってか、両作品の魅力をミックスしつつ、エンタメとしての部分を押し出してくるのは、毛利さんの上手いところですよねー。……本筋に参加すると結構、重いテーマを入れてきますが。
 >味方になると、あれ?そうでもない…って、少年漫画によくあるアレです(笑)
あ、凄く納得しました(笑)
 >理由が明かされないと不穏ですねー(操縦者が故人繋がりでもあるので)
そういえば、故人繋がり……ますます、不穏な……。
 >『スーパーヒーロー戦記』も、これだけの要素をよくぞ纏めた!って感じで
劇場版も、毛利さんだったんですね。個人的にプラマイの激しい評価なのですが、こういうエピソードは上手いですよね。
 >玲花役アンジェラさんのマジーヌ愛は界隈で有名だったので
話を聞いている内に、出会う筈がなかった同士と考えると、段々、良かったね……感が私も(笑)
 >「ゼンカイ豆劇場」でも、5くん人形がネタにされていたので(「豆劇場は突然に」)まだ未見でしたら是非
おお、それは見てみたいと思います。
 >個人的には、ここまでやられると寧ろ清々しいと言いますか
九州ロケ×艦長変身×ヘリコプターにカーチェイス、と盛りまくった事もあって、重量オーバーで突き抜けた感はあります(笑)

◆chi-chanさん
 >久しぶりです。
どうもどうも、お久しぶりです。
 >彦星ワルド役の保志さんに浅沼さんに梶さんと、リアルで女装してかつ映像まで残ってる声優さんが3人も参加しております(笑)。
また、声優女装ジャンルの罠!!(笑) 保志さんはどういうわけか、織姫ワルドではおねえ演技を求められてましたしね……。
 >只「プロトドライブの指針」が戻るだけなら「チェイスとして積み重ねて来た時間」としては後戻りな訳で。
進ノ介、対決を重ねる内に「チェイスの事は嫌いじゃない」みたいな事を言いますが、でも進ノ介が(自覚あるかはさておき)求めているのは相対してきたチェイスではない、というのが、悲劇的対決と見せるにはちょっとノリにくいですよね……。
 >チェイスの場合は「ベルトさんの命に従う過去」と「ハートの元で名前を与えられ働く現在」はどう違うの?って感じですからねー。
進ノ介が一度ここについて考えてくれれば、問題意識を劇中と共有できるのですが、そこすっ飛ばされているので、進ノ介はどう考えているの?? が、ちょっと引っかかりますよね。
 >だって人間側の理屈ですけど、人間のコピーはアウトでもロボのバックアップはありでは(笑)。
「死んだ人間そっくりのギアを作るのは違法」の後、あまりそういう方面には進まなかったですよねー。
 >まあそれを扱うと身体のコピーが比較的楽に出来る分収拾がつかなくなったかも知れませんが
物語としては、ここがややこしくなるのを避けた、というのは確かにありそうですね。後どうしても、アルトに視聴者を共感させようとする時に「一回性」をどこかで描く為には……というのはあったのでしょうね。それがかえって、終盤をわかりにくくしたかな、という部分もありますが。
 >2話でもそうでしたが、スタッフはこの2人を仲間以上にカップリングさせたいんですか(笑)。
演者も演出も、あらゆる意味でノリノリでしたね……ここまでストレートに放り込んでくるとは思いませんでした(笑)
 >「近親系を自粛したから」とか「ワルドの能力では近親までは無理だった」とか「浦沢オマージュ」とか複数説が出ています(笑)。
ヤツデさんに迫られたらどうしよう……とその回避にはホッとしたのですが、「浦沢オマージュ」は思いつきませんでした(笑) 成る程!
 >作中ではあくまで木野さんも「アギト」ですが、設定名だと「アナザー」が つくのが悲しいですね。
「アギト」さえ固有ヒーロー名で無くなっていくとか、改めて見ると『アギト』のそういう作りは面白いな、と。
 >「アナザーライダーのアナザーアギト」が登場したため、現在では「仮面ライダーアナザーアギト」と呼ばれています(笑)。
……なんですかその、狙い澄ましたややこしさ(笑)

胸のエンジンに火がつかない

仮面ライダードライブ』感想・第21-22話

◆第21話「不揃いの死者たちはなにを語るのか」◆ (監督:金田治 脚本:三条陸
 場所はバラバラだが死亡推定時刻がほとんど同時な5つの変死体が都内で発見され、現場の一つ付近の監視カメラに、走り去るチェイスらしき男の姿が捉えられる。
 果たして事件にはチェイスが関わっているのか? 奇妙な死者の群れは何を意味するのか? あくまでチェイスを信じたい霧子と進ノ介だが、追田と同僚刑事が、重要参考人として追っていたチェイス職務質問しようとして宙を舞い……完全に、チェイスについての情報を止めていた進ノ介のせい。
 「俺が守護するのはロイミュードだけだ。ロイミュードの為なら、他の、どんな命も、奪う」
 メディックによる再調整と強化改造を受けたチェイスはドライブへの殺意に突き動かされる破壊者と化しており、チェイスの打破に逸る剛、惑いながらも対峙を余儀なくされる進ノ介、とVSチェイスが加熱していくのですが、どうも話の流れに乗れず……どうしてだろうと考えて思いついた理由は主に二つ。
 理由その1は、りんな前後編・追田前後編、と来て、急に西城編は1話にまとめられて今回冒頭の怪事件が発生するので、前回から今回への話の流れの切断感が強い事。
 一応、アニメ好きロイミュードが西城に接触してきた際の事例から、ネットワーク上のロイミュードを追えるようになった……と繋げてはいるのですが、正直それはいつでもいい話ですし、VSチェイスの決着を付けるならば、前回の時点でもっとチェイス自身に焦点を当てておいて欲しかったな、と。
 理由その2は、根本的にVSチェイスが盛り上がる流れが組めていない事で……チェイス=ナンバー000と判明後、霧子が“人を守るロイミュード”の姿をチェイスに重ね、チェイス=プロトドライブ、と判明する14-15話はともかく、16-20話でデッドヒートとかしている内に、VSチェイスのドラマが行方不明になってしまいました。
 特状課メンバーの掘り下げそのものはあって良かったと思うのですが、間に5話挟んだ事で、チェイスに対する進ノ介や霧子の葛藤が完全に間延びしましたし、物語の流れだけを考えるならデッドヒートは完全にノイズで、15話までの流れでそのまま先にチェイスと決着を付けた方が良かったのではないかな、と(第16話で殴り飛ばされたハート様の格も滅茶苦茶落ちましたし)。
 また、プロトドライブ=ロイミュードナンバー000=「人間を守れ」とプログラミングされロイミュードと知った時点で、進ノ介の抱える葛藤にも変化が生じるべき――具体的には、ロイミュードはどうして悪になってしまったのか」こそが進ノ介が追求すべき問題であると思うのですが、毎度毎度、話の都合で進ノ介は考えるのを止める(考えるべき問題から目を逸らす)ので、その点には触れないまま、ロイミュードは基本的に「悪」だけど「いい奴になっちまうロイミュードだって、居るかもしれないだろ」と、ふわっとした人情の問題に落とし込もうとするので、「ロイミュードとはそもそも何か」を劇中人物が腰を据えて検討しないまま(ベルトさんは把握している筈なのですが、誰も追求しようとしない)ここまで来てしまった膿が大噴出。
 で、進ノ介がロイミュード人間性を見ているのかといえば(見てはいるのですが)、チェイスを説得しようと持ち出す「仮面ライダーの心」とはすなわち、「過去のプログラム」なので、アニメ好きミュードに寄り添おうとした際の根拠と、チェイスを信じようとする際の根拠が別のものであり、時と相手に応じて根拠が違う事そのものはおかしくないとはいっても、進ノ介がロイミュードに向き合おうとする際のアプローチが物語の要素として繋がっていない、という奇妙奇天烈な事になっており、それがVSチェイス決着編の唐突かつ上滑りな印象になっているかなと思われます。
 「進ノ介、こうなったら一か八かだ! 君に隠していた新シフトカーを使うしか、生き残る方法はない!」
 強化チェイサーに追い詰められたドライブに対してベルトさんがまたベルトさんな事を言い出し、前作はDJが悪目立ちしていましたが、今作の、主人公の全く関与しない無から強化アイテムが次々と飛び出してくる展開も、大概酷い。
 特状課やピットクルーにシフトカーの存在、次回クライマックスにおける「りんなを信じよう!」の台詞などを見るに、組織のバックアップと一体化して戦うヒーロー、をやりたい意図は見えるのですが、率直なところ上手く行っていません。
 これはもう、変身ヒーロー以外をれっきとしたメインキャラとして扱う事に限度がある東映ヒーロー作劇とは、相性が悪いのだろうなと。

◆第22話「F1ボディでどうやって戦えばいいのか」◆ (監督:金田治 脚本:三条陸
 「進兄さんと俺は違う! ドライブは人を助けるライダー! マッハは敵をぶっ潰すライダー! ……それでいいじゃん」
 ロイミュード殲滅に執心する剛が、飄々とした仮面を脱いで声を震わせる今後への布石を打ち、ロイミュード側ではメディックの足を引っ張ろうとしたブレンがお仕置きを受け……第16話以降の構成の問題について上述しましたが、ブレンが急激にネタ扱いされていくのもまた第16話以降であり、第15話と第16話の間に、制作サイドで何かあったのか、と勘ぐりたくなってきます。
 街で大暴れするチェイサーを前に、覚悟を決めた進ノ介はドライブに変身すると、タイプフォーミュラ。
 ……段ボールの電車ごっこのごとく、寸詰まりのF1マシンを頭から被った! みたいな、かつてなく動きづらそうな姿になると、超高速移動でチェイサーを滅多打ち。
 ハーレー博士の残したヒントから、りんなが完成させたフォーミュラ砲を発射してチェイサーは木っ葉微塵となり、構成の問題で、全く盛り上がらない決着となりました。
 チェイサーは実質洗脳されて暴れているだけなので信念も情念もそこにはなく、ならば、それを倒さざるを得ない進ノ介の辛さや決断こそが物語を劇的にするキーなのですが、進ノ介が信じているチェイサー=「人間の都合により人間を守るアンドロイド」に好意を抱ける物語構造になっていないので(むしろ最近やたらと、人間の“悪意”をこそ描いていたわけで……)、何もまとまっていないのに状況だけ放り込まれた、みたいになってしまって残念。
 第16話で(マッハと兼用とはいえ)デッドヒートして、第22話でフォーミュラするのがあまりに詰め込みすぎなので、商業展開の要請による苦しい事情もあったのかとは思いますが。
 チェイスのバイクは回収されてピットで邪悪な存在感を放ち、気持ちを整理できないままの霧子だが……雨の夜に、チェイスを拾う?! で、つづく。

迷走の九州編

地球戦隊ファイブマン』感想・第25-26話

◆第25話「友情の桜島」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 「見よ、銀河闘士ライオギン。あれが桜島だ」
 ……本当に、桜島大噴火作戦だった。
 ライオン闘士が咆哮すると桜島に次々と隕石が降り注ぎ、飛行機で鹿児島へ調査に向かう星川兄妹、窓の外を飛んでいく青年を目撃(笑)
 星川兄妹は、謎の青年が降り立ったグリーンピア指宿へと向かい、観覧車の上に立ち、軽々と跳ね回る青年を追う内に作戦行動中のビリオンを発見するが、ライオン闘士の一撃で、まとめて海落ち。
 更に、次元を引き裂いての隕石落としというワルド怪人ばりのとんでもない攻撃に追い詰められるが、そこに謎の青年が飛び込んでくるとまさかの隕石キャッチを見せ、5人は青年を連れて一時撤収する。
 「愚か者め。またもやファイブマンに気付かれおって。こうなったらからにはこの私自ら隕石を落としてやろう」
 メドー様が身も蓋もないことを言い出し、桜島の大噴火まであと10時間――
 星川兄妹を助けた謎の青年・ジーグは銀河サーカスの団員であり、
 「時給700円で、てめえらに愛想笑いの切り売りが出来っかてんだよ!」
 ……じゃなかった、
 「サーカスを見る奴なんて、もうどこの星にも居やしないじゃないか! サーカスの時代は、サーカスの時代は……もう終わっちまったんだ!」
 とサーカス団を離れてゾーンに転職したライオギンを連れ戻す為に、地球まで飛んできたのだった。
 ゾーンによって荒れ果てた銀河でも、生き残った子供たちにサーカスを通して笑顔を届けようとするジーグと意気投合する兄妹だが、桜島が鳴動。長崎鼻でライオンと激突するファイブマンは、銀河サーカス殺人技の一つ・超次元シーソー殺法に大苦戦し、今週も飛び出すファイブくん人形。
 このままファイブマンが倒れ、桜島が有史以来最大の噴火を起こすかと思われたその時、ピエロの化粧をしたジーグが決死の説得を試み、ライオンの胸に甦る華やかな銀河サーカスの思い出。
 「あの時の笑顔、笑い声……銀河に取り戻そうよ。それが出来るのは僕たちだけなんだよ」
 「ジーグ……」
 かつての心を取り戻したライオンに不意打ちをあっさりと受け止められたビリオン(どう見てもライオギンの方が強い)は、ゴルリン21号を召喚すると、強制融合処置。
 「フフ、巨大化すればパワーも増すぞ! 桜島大噴火まであと一歩! トドメの隕石を落とせぇ!」
 剣を振り上げてのこういった台詞回しは似合い、悪の剣士としてはそれなりに格好いいのですが、どうして無様イメージが強いのか。
 ファイブマンスターファイブでライオンの口を封じるが、メドー様が参戦して隕石の雨は止まず、迫る地球最大の危機。そこにファイブロボにピエロの衣装を着せたアーサーが駆け付けるとジーグに操縦を任せ、再びの説得。
 ファイブくん人形による、TVの前のみんなも応援しよう、的な一幕が入り……70年代作品などでまま見られる、劇中の子供達から急に声援を送られるなど“子供たちのヒーロー”である事が強調される系のテコ入れを、より直接的に行っている感じ。
 ファイブロボの奇抜な使用法など、なんとか新しい面白さを、というスタッフの苦慮が見えますが、急な方向転換に困惑が先行します。
 ジーグが説得に成功するとライオンがゴルリンから排出され、残った21号はスターファイブが射殺。振り続くメドー様の隕石だが、ライオンが虹のバリアでそれを防ぎ……能力が桁違いすぎて唖然。
 銀河闘士というよりはもはや、「サーカスの力が、充ち満ちてくるぞー!」ですが、ジーグとライオギンは生身で飛翔すると地球を去って行き……たぶん、ウル○ラ一族、でつづく。

◆第26話「九州だョン」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 指宿市に自ら操縦するヘリコプターで降り立つガロア艦長! は、幹部陣とバツラー兵に癇癪をぶつけるが、突如としてバツラー兵の態度が豹変。
 「ガロア、よう来たな。待ってたぜ」
 「な、なんだ?」
 なんとその日は、銀帝軍の福利厚生として定められた20年に一度のさかさまデイであり、銀帝軍における全ての地位が逆転、すなわちガロア艦長が軍団最下級となり、バツラー兵が軍団最上位の権利を得るのであった。
 「何事も全てバツラー兵に従え」
 ごくごく平然と説明するメドー様……この人、ちょっと思いつきで作ったな。
 テニスに興じる星川兄妹の様子を、使い捨ての兵隊として前線に送り込まれたガロア艦長が物陰からじっと窺い、それをニヤニヤと見つめるその他の幹部たちにも、結構ストレスが溜まっている事が窺えます(笑)
 「ファイブマンの黄金像を、メドー様に捧げてみせよう!」
 ガロアは地球人の姿に大変身すると、銀河闘士コガネギンの金粉入り料理を兄妹に食べさせる作戦を立案し……予告時点では、キャラ崩壊系のギャグでもっと白けるかと思ったのですが、ガロア元艦長が凄く真面目に下っ端の自分を演じていて、変な面白さが(笑)
 ……まあこの後、鼻にティッシュを詰めたガロアが、リヤカーに乗せたコガネギンをえっちらおっちら運ぶ羽目にまで行くと、さすがにやり過ぎ感ですが。
 作戦失敗してビリオンにまで蹴りを入れられたガロア三等兵は単独でファイブマンに戦いを挑む羽目になるとコンビネーションアタックで大地に転がり、本格的に不憫枠。
 ガロアはスライディング懇願でコガネギンに助けを求め、ファイブマンを狙う一撃必殺の金粉ミイラ攻撃。
 海に潜ってファイブマンがこれを回避すると、観光タイアップ回の事情により、黄金エネルギーの枯渇したコガネギンを連れたガロアはゴールドパークを目指す事となり、兜を被ったまま自動車に乗り込む為に、必殺・車斬りで屋根を切り飛ばす、捨て身のセルフパロディ
 ゴールドパークへ先回りしようとしていた星川兄妹と激しいデッドヒートを繰り広げていきなりのカーアクションに突入し、かたや屋根無し、かたやドア無しで激走する、あまりのエキサイトぶりに再び発生する変な面白さ(笑)
 なんでもオッケー免許証を所有する銀河のスーパーマルチドライバーだったガロア艦長は皆川亮二作画になると星川兄妹を競り落とすが、すっごい故障で足止めを食っている内に星川兄妹は自転車に乗ってゴールドパークへと辿り着き、コミカル成分の増量と、タイアップ回名物・強引な名所巡りとが渾然一体となって九州の地にえもいわれぬ味わいのカオスを生み出します。
 基本、腰砕け系のギャグと、ガロアの間の抜けたリアクションで笑わせようとするので、笑えるかと言われると難しいところですが、長石監督による全編ここまでストレートなコメディ演出は珍しい印象で(後には『超光戦士シャンゼリオン』などありますが)、ゴールデンパークを舞台に加速するドタバタ喜劇の末に、バツラー兵の策謀により、ガロアもろとも爆殺されそうになるファイブマン
 ……人望が、無い。
 「ファイブマンは不死身だ!」
 だが5人はなんとか脱出に成功し、幹部揃って雑兵扱いのこんな展開で久方ぶりにオールスター主題歌バトル。艦長も復活して――「不死身でござる」は恐らく、『忠臣蔵』が元ネタ(「天野屋利兵衛は男でござる」)――ゴルリン22号を召喚するが、巨大コガネギンはスターファイブの二丁拳銃の露と消え、超次元ソードが格好良かった事もあって、どうにもスターファイブは冴えない印象。
 後に禍根を残しまくってゾーンのさかさまデイは終わりを告げ、投げやりなサブタイトルは何かアクロバットな接続がされるのかと思ったら、本当に投げやりのまま終わって、ファイブマンは南国鹿児島を去って行くのであった……。