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柏餅は甘くない

『爆上戦隊ブンブンジャー』感想・第10話

◆バクアゲ10「ウキウキなミッション」◆ (監督:渡辺淳 脚本:山口宏)
 東映特撮のTVシリーズではかなり珍しい気がするアクション監督と本編監督の兼任で(スーツアクター→アクション監督から本編監督もやるようになった金田治監督でも、少なくともクレジット上で兼任の覚えは無いですし)、渡辺は渡辺でも渡辺淳監督が参戦。
 「私も一度、届け屋というのをやってみたくてねぇ」
 大也たちが超重要なミッションを遂行中の為、玄蕃がISAからの依頼で高濃度エネルギーの試作品を研究所まで届ける事になった頃、デコトラとイターシャは、ビーフジャーキーをお供えしてマッドレックス様の死を悼んでいた。
 地球で寂しく路頭に迷いそうになっていた三下トリオだが、ヤルカーに発破をかけられると、直属の上司がいなくてもとにかく上納金を集めよう、と再起の目標を立てたところで、問題のブツを輸送中の玄蕃を目撃。
 エネルギーの奪取を目論む三下トリオは、ジャンピングイグニッションにより鯉のぼりグルマーを誕生させ、マフラーに見立てた鯉のぼりを、縦に並べているだけな頭部デザインが凄い(笑)
 「ワシは、コイノボリグルマー。そのケース、置いてってもらうでぇ」
 バイトで柏餅の路上販売をしていた未来に絡まれていた玄蕃は、揃ってハシリヤンの襲撃を受け、迂闊に震動を与えるとドカン! なカバンを振り回してもいいが落としてはいけない縛りのカバンアクションとなり、アクション系の監督さんをメインに据えた事で予想された「お題」の出来としては、可も無く不可もなく、といったところ。
 触れたものを浮かび上がらせる登り弾を受けて、ふわふわしている未来を掴みながら戦う縛りを追加するのかと思ったらそちらはさっくり放棄された上、鯉のぼりらしい能力としての登り弾は後半には全く使われないので、アイデアとしては消化不良に。
 一方、大也・射士郎・阿久瀬の3名は、超重要ミッションとして、団地の集会所みたいなところの掃除を手伝っており、阿久瀬の「掃除も訓練」は『ゲキレンジャー』オマージュかと思われますが、
 「こどもの日には、子供たちの健やかな成長の為にできることを。俺達にとって、重要なミッションです」
 と、誰かの書いた原稿を読まされているみたいな事を言い出す大也は、あまりにも無加工すぎて、だいぶ困惑。
 言っている事がおかしいわけではなく、大也にそういう信念があるならば、それはそれで良いのですが、それを面白格好良く調理し物語を通して表現する事にアクションエンタメの醍醐味があると思うのに、塩コショウ振るどころか火さえ通さずに皿にのせられ、どうしてそんな、ISA上層部に向けたプロモーションビデオみたいな事に。
 ……いやだから、超重要ミッションなの?!
 大也が画面外のビデオカメラに向けて喋っていると考えると凄く腑に落ちるのですが、ぼくたちは、いいタイヤにんげんだよ(ぷるぷる)
 「我々はこのミッションを成し遂げよう」
 「なんか、今日はノリノリだねぇ」
 なんの気なしの未来の言葉に玄蕃は不意に足を止めると、自身について独白。
 「……私はね、調達屋として、本気で何かに取り組む人間を、補い、進歩させ、見届けるのが喜びなんだ。だが、自分のことになると本気というのがよくわからなくてね。だから今回、君たちを夢中にさせている届け屋のミッションを、引き受けてみたわけだ。…………おかしいかな?」
 「ううん。玄蕃は多分、あたし達の事をもっと理解しようとしてくれてるんだね」
 これまで一歩引いた立場に居た玄蕃が届け屋の中に踏み込んだ理由にフォローが入れられ、なんだか本格的に、地球人を理解しようとする異星人相手みたいなやり取りなのですが、「今日はノリノリ」とか「君たちを夢中にさせている届け屋のミッション」とか、劇中の積み重ね不足で、どうにも強引さの目立つ告白に。
 また、サブタイトルに銘打たれた「ウキウキ」感も皆無で、べろーらーちゃんに食いついている時の方がよほどテンションが高いので、玄蕃の高揚感が未来の台詞以外には全く感じられないのもマイナス。
 これは演出の問題かとは思いますが、要所で切り取られる表情もいまいちピンと来ず、結果、誰がウキウキしていたかといえば、アバンタイトルの細武さんというオチになっており、アバンの細武がブンブンメンバー中の誰よりも存在感が濃いのは、大変よろしくなかったと思います。
 再びハシリヤンの襲撃を受けた未来と玄蕃は変身すると、カバンを桃に預けた橙が、ハンドル剣と斧の両手攻撃により、雑兵たちを7秒フィニッシュ。
 桃が唖然としている内に、橙は大事な筈のカバンを無造作に放り投げ、地球人よりも必死に、爆発を食い止めようとヘッドスライディングする三下トリオと鯉のぼり、だが……
 「なんじゃこりゃぁぁぁ!!」
 「こしあんの柏餅だねぇ。粒あんもあるよ」
 地面に落ちるも特に爆発しなかったカバンの中身は、大量に詰まった柏餅。
 いくらなんでも無理のあった輸送ミッションは実は、ハシリヤンの目を引きつける為の偽装だったと明らかにされ、届け屋の仕事が囮ネタはどこかで一度やりそうとは思っていましたが、割と早く使ってきました。
 「敵を欺くには、まず味方から、っていうだろ?」
 そこに一同揃うと、一人だけ全く事情を知らなかった未来に舞台裏が明かされるのですが、席を外していた大也たちの行動は、囮にも本命にもどこにも繋がらないので、全く集約の美しさが無いまま、盛り上がりに欠ける主題歌バトルとなって一斉攻撃で鯉のぼりは免許失効。
 今回特にギャーソリンは集まっていない気がするのですが、鯉のぼりの怨念をヤルカーが喰らうとハイウェイ空間に突入し、ブンブンジャーは鯉のぼりフォーメーションで追跡。
 「あんた達のせいで、散々ぎゃーーって叫んじゃったじゃなーい!」
 怒りのカープ今年は日本一じゃいアタックによりヤルカーがコースアウトすると巨大鯉のぼりグルマーが生み出され、つまり、巨大鯉のぼりグルマーの8割は、未来のぎゃーで出来ている。
 挿入歌をバックの巨大戦に突入すると、ポリスとレーシングを左右の手とする新パターンで窓ふきワンツーが叩き込まれ、ポリスは以前から、トゲトゲが出てきて好戦的だとは思っていたのですが(基準が宇宙警察なので仕方がありません。外宇宙ではこれが当たり前)、レーシングも炎の爪が飛び出して、BBGは修羅の世界。
 トドメはショベル×ワゴンでのBロボビルダーとなって、前半のお題がカバンバトルなら、後半のお題はブンブンカー&ロボのバリエーション見せだった模様。
 「それにしても、未来も一緒だとは思わなかったよ」
 平然とのたまう大也、恐らく未来にバイトの先約があったとかなのでしょうが……前回までのもめ事の原因が原因だけに、だいぶデリカシーは足らない事になり、谷の底では数多くの戦隊ダメンズ達が笑顔で手を振っています。
 「…………あたしって……囮にされがち?」
 真実に目覚めかけてしまう未来に対し、
 「……未来が居てくれて助かったよ」
 玄蕃がフォローを入れると、おだてて誤魔化して、つづく。
 次回――早くも次なる幹部襲来?