東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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SKY OF RAVEN

火を点けろ、燃え残った全てに

 ――「選ぶのはいいことだ。選ばない奴とは、敵にも味方にもなれない」

 『アーマード・コア6』クリア!
 やりました、クリア、できました……!
 ミッション中のリスタートポイントが割と小刻みに設定されており、厄介な箇所を越えた後に死ぬとまた厄介な所まで戻される事はほとんどなく、ボス戦で死んでも大抵ボス戦だけを繰り返せる、といった具合で、歯応えはあるがクリアに向けた導線はかなり手厚く、ストレスの少なさが光る――故にボス攻略に思考が集中できる――そんなゲームデザインは良かったポイント。
 途中の選択ミッションがあるので、後はそれを潰していく事になりそうですが、ひとまず戦いに決着をつけ、最後まで大変面白かったです!
 (※以下、具体的なストーリーの内容には触れませんが、物語全体の構造には触れるので、ご留意下さい。)
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 終わってみると、一番心が折れそうになったのがプロローグのヘリコプターで、一番時間がかかったのがチャプター1のバリア太郎でしたが、序盤の方がバランスが厳しいというよりも、中盤以降も厄介なステージや強敵は出てくる(技研のサイ○スターとか、出来ればもう戦いたくない)が、それに対して、プレイヤーに精神的な耐性がつくみたいな(笑)
 今回APゲージをこれぐらいまで減らせたなら、後どれぐらい頑張れば勝機が見えてきそうか……が感触で掴めるようになっていき、初見の「なんだこれーーー?!」から徐々に、この攻撃とこの攻撃をミラクルで2回ぐらい完璧に回避できたら多分勝てるのでは?! に至るプロセスに慣れてくる、そういう意味では、心を折ってくると見せて、プレイヤーの発想法を前向きにしていくゲーム(笑)
 あと私の場合、変にアセンブルをいじるよりも、基本は同じスタイルで愚直に繰り返していた方がプレイヤースキル的に勝利に近い事を身に染みて覚え、あまり迷わなくなったのも大きかったかなと。
 そういった、自分に合ったスタイルを見つけて戦っていく幅の広さも含め、スピード感のあるロボットアクションとしての出来の良さが何よりも強みですが、ミッションの繰り返しで進行するストーリーも先が気になる作りで良かったです。
 特に、サウンドオンリーなメールのやり取りを主としながら、各勢力のキャラを面白く見せていく手法は、シリーズの蓄積もあるようですが鮮やかでした。
 キャラクターに関する情報は、声(喋り)と立ち位置とエムブレム、そして仮装戦闘空間であるアリーナにおけるちょっとした背景情報ぐらいなのですが、それが少しずつ立体感を増していき、血肉を備えていく見せ方が巧み。
 そしてこの、企業勢力他とのドライなやり取りに過ぎなかったものから、物語が進むにつれてプレイヤーの中で徐々にサウンドオンリーの向こう側に“人間”が見えてくる流れがそのまま、主人公と上司であるハンドラーの関係性に重ねられるのが、とにかく、素晴らしく上手い。
 ストーリーは、断片的な情報から少しずつ物語全体の構造が見えてくるタイプの作りなのですが、過去と現在に渡って散りばめられた事物から、その行間にある情念をプレイヤー個々に体験として読み取らせ、「全てを見せない」事により、受け手の“想像力を喚起する”作り方へのこだわりが、全体的に綺麗にはまっていました。
 また、主人公が一種の“名無し”である事を利用しての、「621」「レイヴン」「企業の狗」……などなど呼称の使い分け方が、実にお見事。
 それが主人公の対人関係を彩り、サウンドオンリーのキャラ達に命を吹き込む一助になると共に、今作が一面において「自我/自意識」の物語である事とも紐付けられており、そういった見通しの良く利いたシナリオでありました。
 特に好きなキャラは、ラスティ、エア、チャティ、といった辺り。
 難を言うと、個人的にはもう少し、音楽が前面に出てくれる方がゲームとしては好きなのですが…………と思っていたら、最終盤のミッションで大変ドラマチックなBGMが流れ出して、いやこれは、降参(笑)
 アクションゲームとしての面白さに、ストーリーの良さも合わさって、満足度の高い一本でした!
 そして、折角なのでと少しばかり2周目を始め…………おおおっ?! と現在なっているところであります(笑)
 ……どうやら、『アーマード・コア6』クリア!(※ひとまず1周目)だった模様。