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頭にきらめくデンジメカ

電子戦隊デンジマン』感想・第1話

◆第1話「超要塞へ急行せよ」◆ (監督:竹本浩一 脚本:上原正三
 ナレーション「今から、3000年も昔――太陽系外宇宙から、飛行物体が飛来した。デンジ星から送り込まれた、デンジランドである。デンジランドは、とある半島に着陸した。デンジランドの中には、一匹の犬が、長い眠りについていた。そして、長い歳月が流れた……」
 クラシック調の壮大なBGMに乗せて、地球に飛来する巨大な岩山、太陽系の枠を上回り数千年に渡る物語の背景が示されて、ワールドワイドを超えてスペースワイドな導入から、現代の地球を襲う異変と、それに反応して目覚める、デンジ犬アイシー。
 街では、空間に生じた謎の亀裂からの攻撃によりビルが次々と吹っ飛んでおり、アイシーはそれを目撃した空手着の男を(こいつは使えるな……)とバリアで瓦礫から守ると、光る瞳と瞳は君と僕との契約魔法。
 (赤城一平、君はデンジレッドとなって、ベーダー一族と戦うのだ)
 「デンジレッド?」
 それを皮切りとして、ある者は、テニスのコーチが目の前で焼き尽くされた直後に――
 (桃井あきら、君はデンジピンクとなって、ベーダー一族と戦うのだ)
 ある者は、謎の隕石の調査現場で――
 (黄山純、君はデンジイエローとなって、ベーダー一族と戦うのだ)
 ある者は、刑事の先輩でもあった父親が謎の怪物に殺害された直後に――
 (緑川達也、君はデンジイエローとなって、ベーダー一族と戦うのだ)
 ある者は、謎の怪物の襲撃から命を助けられた直後に――
 (青梅大五郎、君はデンジブルーとなって、ベーダー一族と戦うのだ)
 次々と契約を迫られ……とにかくアイシーが、候補者以外を助ける気が全くなくて怖い。
 その犬の背後には、硫黄の匂いと炎の足跡が残っているのでは?
 魔犬アイシーが順調に契約を重ねていく中、東京湾に巨大なベーダー00ムササビラーが出現して毒ガスを撒き散らし、名前はムササビながら肌の質感などは魚類寄りという、変わったデザイン。
 魔犬の鳴らす招集のメロディを聴いた赤城ら5人は一同に集い、上下黒の革で揃えて、真っ赤なスカーフを垂らしている赤城の服装がインパクト大。あと、顔がちょっと、軍団を率いだしてからの石原裕次郎寄りで、独特の威圧感があります。
 「君たちは、デンジ犬アイシーに選ばれた戦士。電子戦隊デンジマンとして、ベーダー一族と戦うのだ」
 岩肌に隠された秘密基地に招かれた5人は、謎の声(録音テープ?)から、3000年前にベーダー一族によって滅ぼされたデンジ星より地球を守る為にダイデンジンが送り込まれた事を説明され、与えられた指輪により、5色の仮面の戦士へと変身。
 ナレーション「強化服を着た時から、彼等は、デンジマンとしての、全ての能力を得た」
 その証拠として、基地にあるマシンの名前が見ただけでわかる事が示されると、早速デンジランドから巨大母艦デンジタイガーが発進し、当時の作劇らしく、葛藤や疑問は昨日に置き去りにしてグイグイ突き進んでいきます。
 異次元よりその姿を目にしたベーダー一族は戦闘機を発進させてまずはメカ戦が行われ、前作のバトルシャークと違って自走能力を持つデンジタイガーは、地上を走りながらベーダー戦闘機を次々とミサイルで撃墜。
 戦艦を下りたデンジマンは、人間大となったムササビラー、その率いる骸骨スタイルの戦闘員と対峙すると、主題歌に合わせて各自ポーズを決め、前作『バトルフィーバーJ』第1話に比べると、かなり現代の《スーパー戦隊》のイメージに近い、初名乗り。
 「「「「「見よ! 電子戦隊・デンジマン!!」」」」」
 強化服を纏った5人はベーダー戦闘員(怪人に倣ってか、左右非対称のデザインがお洒落)を軽々と蹴散らしていくと、赤が鋼鉄のグローブを装着し、後の『ゴーカイジャー』で複数回使われていたデンジパンチ!
 逃げたムササビラーを追いながら、100メートル3秒、ジャンプ力は150メートル、異次元空間をも透視するデンジスコープでムササビラーの擬態を見破ると、共通武器のデンジスティックを叩き込み、毒ガスだってへっちゃらだ!
 と、大図鑑的なスペック披露。
 強風攻撃に吹き飛ばされた5人は、デンジ組み体操によるデンジパワー(効果不明)から前転キックを繰り出すが、それをかわされるとスティックを合体させたデンジブーメランを放ち、車輪型の合体武器が火を噴きながら宙を舞う映像は、ほぼペンタフォースver.2。……形状は多少違うも、あまりにもそのままなのですが、立ち上げのスケジュールが厳しかったりしたのか、異質な侵略者感を出そうと敵サイドの造形などに凝っていたら、余裕が無くなったりでもしたのか。
 デンジブーメランは回転しながらムササビラーへと迫り、
 「ふふふふふ、く……ぬわっ! ぶぉぉぁぁっ?!」
 なんか口にしかけて、消し飛んだ(笑)
 大爆発したムササビラーだが、ベーダー怪物には、体内の細胞をコントロールして自由自在に大きさを変える能力があり、怪人自ら巨大化すると、デンジタイガーから発進したデンジファイターがダイデンジンへと変形。
 前作では、空中戦艦がぱかっと割れると中から巨大ロボが出てきましたが、今回は戦闘機形態からロボ形態へと変形するギミックが加わり、胸に輝くエコマークそして、デカいは強い。
 巨大化すると何故かドスを振り回すムササビラーに対し、ブーメラン、鉄球、デンジ剣、と多彩な武器で挑むダイデンジンは、必殺のデンジ剣満月斬りでベーダー怪物の首を刎ね飛ばし、デンジマンは地球でのデビュー戦を勝利で飾るのであった。
 前半は契約行脚、後半はデンジマンの能力見せ、敵も味方も基本的な背景が説明されるだけでキャラの肉付けはほとんどされない(OP映像の方が情報量が多いぐらい)割り切った作りの第1話で、まずはどんなヒーローなのか、どんなスーパーマシンを持っているのかをアピールし、地球をヘドロの星にしようとする異次元からの侵略者・ベーダー一族との戦いは、今始まった!
 OP/ED共に、今聞くと独特の曲調ですが、個人的には結構好き。成田賢が好き。