東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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振り向くな振り向くな振り向くな

電子戦隊デンジマン』感想・第2話

◆第2話「人喰いシャボン玉」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
 「まさかこの地球にも電子戦隊が居ようとは、あの忌まわしいロボットが居ようとは……」
 どうやらベーダー一族は、過去に電子戦隊に煮え湯を飲まされた経験があるようで、早々に戦略を転換し、巨大怪物による力任せの正面攻撃ではなく、闇夜を烏が飛ぶごとく、ひそやかに侵略を進める方針に。
 「地球上から全ての美しいものを消し去れ。地球上を、ヘドロとガスの渦巻く、腐った世界にするのじゃ」
 「使命を果たせシャボンラー。へドリアン女王の、おんために!」
 「ははっ!」
 戦士の卵からベーダー01シャボンラーが誕生し、今回も見た目は非対称かつ海産物風味。……そして、声がなんだか、悪の組織を率いていそう(笑)
 その頃、デンジマンの男衆は……
 「おい、アイシー。どうしてこんなものを地球に送り込んだんだ、デンジ星人は」
 「……」
 「どうもつかみ所の無い犬だな」
 意外と早く、この犬の言う事を信じていいのか、疑問を抱いていた(笑)
 「うん。ホントに3000年も昔に生きてたのかなぁ」
 「アイシー、嘘つかない」
 だが、真実を全て話すとは言っていない!
 一方、異次元からシャボンラーと金銀侍女コンビが地球に送り込まれ、半透明の足下だけが道路を歩いてくるのが、面白い見せ方。闇夜を烏が飛ぶごとく、シャボン玉で花を枯れさせる、地上げ屋の嫌がらせのような侵略活動を続けていたシャボンラーだが、バイオリンの音色に激しい嫌悪を示すとコンサート会場のステージに人喰いシャボン玉をまき散らし、泡に取り付かれてステージ上で人形のように固まったバイオリン奏者が、そのまま後ろに倒れると粉々に砕け散る、結構な衝撃映像。
 この情報をデンジベースでキャッチした赤城らは、
 「デンジスパーク!」
 の掛け声で指輪を突き出すとデンジマンに変身。
 今回はサイドカージープに乗り込んで出動すると、ベーダーの攻撃によりナパームの洗礼を受け、今後の戦いの為にも、入団を拒否する桃井の元へと向かう。
 「悪いけど、私は一緒に戦えないわ」
 「5人揃って、初めて電子戦隊としての力を発揮できるんだ」
 「ベーダーをこのままのさばらせておいてもいいってのか」
 「私の夢は、テニス世界一よ」
 「自分さえ良ければ、他人はどうなってもいいっていうのか?!」
 『ジャッカー電撃隊』において、スペードエース/桜井五郎が、オリンピック出場の為に一度はサイボーグ手術を拒否する一幕がありましたが、死んだコーチの為にこそテニスの道を捨てられないあきらに対し、死んだ父親の為にもベーダーを許せない緑川が頭を下げて頼み込み、第1話における二人の犠牲者の存在を、それぞれの意志と繋げてくるのは鮮やか。
 感情を高ぶらせる緑川を、赤城が止めて貫禄を見せ……
 「落ち着け! 彼女の意志は固い。時間を掛けて説得する必要があるんだ」
 諦める気は、無かった(笑)
 ところが帰宅した桃井は、葛藤を自室でピアノに叩きつけていた事でシャボンラーの襲撃を受け、体から泡の吹き出るシャボン体質になってしまう。悲鳴を聞きつけた赤城らは桃井の元へと走り、この人たち、凄く自然に、まず自宅を特定しようとしていたぞ。
 勿論、玄関には鍵がかかっていたが、赤城が腕力で破壊……せずに、青梅が屋上からロープアクションで侵入し、各人の個性を見せていく流れは鮮やかな一方、大変、犯罪っぽくなりました。
 青梅が中から鍵を開け、部屋に入り込んだ4人は既に陶器人間と化して床に倒れていた桃井を発見し、手早く生命反応はある事を確認する黄山。だが桃井の心臓の鼓動は徐々に弱まっており、違和感を覚えた赤城がデンジスパーク。スコープで桃井の周辺を調べると、透明なシャボンラーが桃井に密着して匂いを嗅いでおり……紛う事なき、変質者だった。
 現在に繋がる《スーパー戦隊》シリーズの基礎を作ったと位置づけられる事が多い『デンジマン』ですが、先行作品を踏まえつつ、既にこの時点で
 ・「若干ダメな感じの男達」
 ・「かなり変態の香りがする怪人」
 の定番二大要素が盛り込まれていて、力強い伝統を感じます(笑)
 強化服に内臓されたデンジ頭脳の指示により、変身した4人がデンジシャワーを放つと、実体化したシャボンラーが離れ、桃井は復活。自分を守って苦戦する4人の姿に桃井もデンジスパークすると、反撃のキックを入れたところでEDテーマがイントロから流れだし、逃げ出したシャボンラーを追ったデンジマンは、EDテーマをバックにフル名乗り。
 「「「「「見よ! 電子戦隊・デンジマン!」」」」」
 ナレーション「5人は、デンジ犬アイシーに選ばれて、電子戦隊デンジマンとなり、美しい地球を守る為、ベーダー一族と戦うのである」
 様子を窺っていた金銀侍女が笛を吹くと、異次元から死神戦闘員が出現して、戦闘開始。前作はEDテーマで戦闘すると、どうにも微妙な空気になってしまいましたが、今作は戦闘中に流れていても違和感の無いメロディ。また個人的に常々、「特撮ソングはイントロが命」と主張しておりますが、今作ED、前奏と間奏が非常に格好良くて盛り上がります。
 赤のデンジパンチ、青のアクロバット殺法、黄のダイビング攻撃、緑の回転蹴り、桃の投げ技、と個別戦闘が描かれ、シャボン攻撃に対して青がデンジドリルで地中に潜ると背後から奇襲を仕掛け、くしくも指輪の魔法使いと同じ技を(笑)
 「「「「「スパーク!」」」」」
 「おのれ、くっ、やりおったな……!」
 ひるんだシャボンラーにデンジブーメランが炸裂すると、大ダメージを負ったシャボンラーは巨大化し、デンジタイガー出動。海中ゲートをくぐっての発進シーンが描かれると、ベーダー一族も戦闘機部隊を繰り出して今回は空中戦となり、前作を踏まえつつ、陸海空全部いける感じな母艦の活躍をアピール。
 大地に立ったデンジロボに走って乗り込み、エレベーターで上昇していくシーンはどうもやや間が抜けますが、起動時の各種チェックでちょっとリアリティの味付けをして、デンジロボ・アクション!
 巨大戦はOPでとなり、シャボンラーの連続突きを受けるダイデンジンだったが、デンジ剣を取り出すと、激しく武器を打ち合わせた末に首を撥ね飛ばしてから、必殺の満月斬りで胴体を真っ二つにし、デカいは強い、デカいは正義。
 二話連続の首ちょんぱ以上に、あ、それ、順番逆でいいんだ……が衝撃的なフィニッシュでありました(笑)
 戦いを終え、何故か野球場の芝生で、子供達に空手を教える赤城。前回も、一人で空手の型に励んでいましたが、野球場に一体どんなコネがあるのか、或いはこれは、自宅の敷地内にあるオリジナルの赤城球場だったりするのか。
 「彼女さえ居ればな……」
 「5人揃って力が出せるんだもんな」
 「テニスは彼女の人生なんだ。仕方が無いさ」
 戦隊として人数が揃った時にこそ最大限の力が発揮される事が強調され、観客席で愚痴る男達だがその時、ラケットを手に姿を現す桃井。
 桃井は、デンジピンクとして戦っていく為、自らチャンピオンとなる道を諦める代わりに、コーチとして「子供達を育てる」事を選び、地球を守る為、改めて手を重ね合わせる5人……の背後で、5人に尻を向けているアイシーーーーー!!(笑)
 なにぶん相手はリアルに犬ではありますが、5人の結束への興味の無さっぷりが凄い(笑)
 前回は実にあっさりデンジマンとして戦った5人でしたが、改めて、“公の正義”と“私の夢”の衝突が描かれ、最終的に前者の方が明確な優先事項とされるのはこの時代らしい作劇ですが、
 では何故それが優先されるのか?
 について、それは「未来(子供たち)の為」だと置く事で、同じ民間人選抜だった『ジャッカー』と比べてしっかりとテーゼが掘り下げられ(『ジャッカー』第1話そのものは名作回)、赤城の空手教室も布石に使いながら、
 デンジマン――ヒーロー――はなんの為に戦うのか?
 をハッキリと示し、後に続くスーパー戦隊》シリーズ、“基本中の「き」”が組み上げられたといえる記念碑的瞬間でありました(※『ゴレンジャー』は2クール程しか見ていないのでなんともですが、少なくとも『ジャッカー』『BF』には、ほぼ無かった要素)。
 ……現行『ブンブンジャー』には、個人的に80年代への視線を強く感じるのですが、今回を見ると、第10話(こどもの日回)-第11話(恩人からの依頼回)の大也はこれをやりたかったのかなというか、《スーパー戦隊》の根っこにあるヒーローの姿勢を示そうとしたものの、00年代以降のキャラクター解像度として期待されるものとのギャップ、大也を半端に謎めかせていた事に、メタ前提の強さも響いて、借り物の言葉でとってつけたような感じになってしまっていたのかもしれません。