東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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2/25付けレス

 本日は『バトルフィーバー』感想を書きました。

太鼓と魔法

◆chi-chanさん
 >『自分だけの裁量で、既に本一冊分くらいの自分の設計した物語を築いていた』経験をつい長期作品にも当てはめてしまう
今回の、仁藤と晴人のバランス配分はまさにといえますが、「舞台」や「小説」と「TVシリーズ」の視聴環境や尺感覚の違い、というのはやはり出る時があるのだろうなーと思います。TVシリーズ作品としては、そこを誰が調節するのか、が悩ましくなりがちな傾向なのかなと。
 >商業作品ゆえに「自分の全力全開を出すと他の制作陣に色々な意味で止められるから出来ない」
企画・媒体に合わせて、出来るもので何をするかも技巧とは思いますが、スタッフワークの中で脚本家が色をどこまで出すのか、の部分で生じるどこか歯切れの悪さ、みたいなものをマイナスに感じて受け取っている部分はあるのかもしれません。
 >本作立ち上がり時は「ライダー」ではないコンセプトだったとはよく言われますが、それにしてもね
アクション面でバイクの存在感が薄くなっていたり、メタ的なセオリー破りもあったのでしょうが、“バイクで走り回る”というのが持つ、割とシンプルな格好良さを、ばっさり切りすぎたところはありますよね。
 >後世だったら、これに乗り「ライダー性」や痛快伝奇を見せる響鬼もありだったのでは(笑。
2010年代だと、巨大ディスク使い魔に乗る響鬼、は凄くやりそうな絵ですね(笑)
 >高寺さんとしてはそうした「距離感」を定めて行くことから決めて行きたかったのかなと
「中学生の世界」と「大人の世界」をどう結びつけるのか、の部分で、サクサク感を出したくなかった雰囲気は見えますよね。もう一人の主人公としても、ヒーローとの関係性における「一般人の象徴」とはまた違う意味づけを与えるにはどうするのか、といった課題もあったのでしょうし。
 >そこから付き合いかが始まるか否かを通じてヒビキと出会った明日夢の成長を書いても面白かったのではと思う所です。
同級生の女子が居て当たり前ではありますが、率直に容姿が目立つので、導入時点でもうちょっと、劇中での意味を与えておいても良かった感じはありますよね。この子、半ばモブみたいなわけないだろう、みたいな感じなので(笑)
 >ライダー系だと『ストロンガー』の荒木しげるさんが元ドラマーでしてね…(笑)。
おお、そうだったのですか。《平成ライダー》としての流れは踏まえつつ、やはりどこか、昭和的なハッタリ感も与えたい、みたいなのはあったのかもですねヒビキさん。
 >本当は怪物だけ出したかったけど、東映特撮だから止むを得ずレギュラー人間型敵キャストを出さざるを得なかったのかもしれません。
作りとしては、ありそうですね……村田充さんはこの後も、癖のある演技でシリーズで存在感を出してくれましたね。
 >後付だけどきだつよしさんの小説版では「威力重視で至近距離から対魔化魍攻撃」扱い
絵面が太鼓なので、うん太鼓だな……で流していましたが、言われてみればあれは確かに、結構ファンキーな「超至近距離打撃攻撃」なんですね……!(笑)
 >弦楽器系だと東映だと(笑)鈍器という間違った使い方をされるか仕込み楽器にされそうだし
殴って当然、みたいな空気になりますしね……太鼓攻撃はホント、類を見ない、というか、考えてもやらない、みたいなものをここまで形にしたのは凄いなと(笑)
 >…変身用の音叉をそのまま巨大化しても良くね、とは今だからの私見ですが。
あれは結構、武器っぽいですよね(笑) ただ音叉だと、形や大きさから実際に叩いてしまう件とか起きかねない、みたいな配慮はあったかもですね。
 >ディスク使い魔シリーズ、本放送は結構売れて変形ギミックも高く評価された
当時、デザインでなにか賞を取って話題になっていた覚えがありますが、実際これは今見ても、なかなか面白いなーと。こういうところ、時間経過によって落ち着いて見られる部分もあるので、今後どうなっていくのか楽しみにしたいと思います。

◆スーファさん
 >とにかく仁藤がカッコいい回でした。
仁藤に関しては、ホント凄く良かったですよね! 「みんなを助ける」の決まり方も、表情も素晴らしかったです。
 >最終的にビースト自体は幹部の1人も倒すことはありませんでしたが要所要所で活躍し、晴人の心の負担を減らしてくれたいいキャラでした。
戦力的にはやや不遇な2号ライダーでしたが、仁藤自身の劇中の扱いは良かったですし、おっしゃるように、張り詰めていた晴人の横に並べる存在になったのが、後半凄く良かったですね。
 >最終回前に2号ライダーを変身できなくするのはこの時期としては結構思い切っていますが
メタ的な事情で○○出来なかったのかな……みたいなのが目立ち始める時期なので、これは意外性にもなって良かったですね。サバトを止める一定の代償としても頷けるものになりましたし。
 >インフィニティを儀式に使えば人柱は晴人1人だけで済むと嘘を吹き込まれるとか、
 >あるいはメイジ組のように晴人も洗脳されるとかあれば良かったのですが。(洗脳は笛の音のイメージにも合っていますし)
晴人に向けてサバトの全容を語る事で視聴者と衝撃を共有させたい部分もあったのでしょうが、その代償があまりにも大きすぎて、晴人に関しては、抵抗するも行動不能……みたいな形でなんとかやってほしかったですよね。

◆kiuixさん
 >晴人が女子高生と男子中学生ともうすぐ生まれて来る子のお父さんの犠牲を許容
正直、未成年じゃないから、という理由で山本さんぐらいは消されるのではないかまで覚悟していたので、仁藤がみんなを助けてくれて本当にホッとしました……。
 >ここまで来たら私もあくまで諦めない晴人でいて欲しかったですし。
ウィザード最大のアイデンティティって“間に合う”ヒーローだと思うので、土壇場でそれを砕いてふりだし付近に戻すよりも、やりきって欲しかった感じですよねー。
 >コヨミ復活の為に一家皆殺しにされたも同然でこれから本人も人柱にされる少女にこう言って笑う晴人は見たくなかったです。
ここは正直、晴人さん何言ってるのか感が凄すぎて、どこまで本気なのか判断保留で先に進んだのですが、振り返ってもあまりにあまりでした。真由は、一人二役も効いてキャラとしては育っていたところだっただけに、メデューサを倒した時点で能動的な役割を終えた、みたいな扱いになってしまったのはますます残念でしたね。
 >一緒に犠牲になる3人への思いとのすり合わせまでは扱いきれなかったのかなと思っています。
晴人の言行だけでも大問題なのに加えて、この3人の存在から焦点を外して、どう考えているのかを見せずに誤魔化す形にしてしまったのは、作品として不誠実になってしまったなと。メイジ3人はそれぞれ、魔法使いになる以前に『ウィザード』としてのテーマを背負っているキャラでもあったので、展開の為の仕掛けとして割り切らない目配りが欲しかった部分です。
 >サバト阻止の主力は仁藤だとしても、囚われの身からでも晴人も抵抗して仁藤をフォロー
個人的に、2号ライダーの存在を尊重してくれた点で、晴人が動きを取れなくなった時に仁藤がサバトを阻止する大枠は良かったと思うのですが、そこに持っていく為の話運びが、晴人にとっての致命傷になってしまったのは、ホント残念で勿体なかったですね……。
 >同様に真由にも抵抗させて自分から全てを奪った真の仇に一矢報いさせることも出来たのでは、とも。
踊らされ度でいうと真由も相当なものになってしまったので、ここは何かあったら良かったですね。
 >フレイムドラゴン回で晴人に惚れ込んだ長文考察系の人たちが何人もファントム産みそうになっていた記憶
あー(笑) 私は今回、リアルタイムではない分、いくらか距離を置いた視点にはなっていますが、リアルタイムだとまた結構、響くものが大きそうですね。
 >「仲間たちと横に並んで進み、皆の希望であり続けようとする晴人」
作品としてはどうも、バトンを渡そうとしたら違うレーンを走り出した、みたいな感じになってしまったところはありますが、熊谷回で示されたものはホント凄く良かったですよねー。『ウィザード』のこの辺りのすれ違いに関しては、ラストまで見たらまたちょっと自分なりに考えてみたい部分でありますが、今回、多少なりとも再整理のお役に立てましたならば、幸いです。

◆Apさん
 >「舞台」のたとえの使い方がうまく、読み入ってしまう感想文でした……。
ありがとうございます! 『ウィザード』における、ヒーローの“格好つける”“演じる”部分への意識がどこかにあるところは、通して好きなところです。今回ラストのコヨミもそういう点では、晴人の為に“格好つけていた”面もあるのだろうなと。
 >やっぱり素手でもやたらと強い物理学者は笑ってしまいますよね……。
笛木、劇中では基本、コヨミを失って以後しか描かれないので、真っ当な学者だった頃は何を研究していたのだろうかと気になってきますね(笑) 当時から、武闘派だった可能性もありますが……。
 >今回の戦闘力を見るに本当に「面倒だけどまあ勝てるだろう」くらいだったんだろなと(笑)。
白い魔法使い、デザインはシンプルめですし、体から派手になにか伸びたりもしませんが、劇中の完封勝利率としては、かなり最強系のラスボスですよねー。
 >きだウィザードはキザな晴人はうまいけど、ウェットな晴人は大雑把というか。
好調時の格好いいウィザードは洒落てて素敵だけど、ネガに入った時に今までの経験は?? みたいなところはありますよね……最終盤の展開も踏まえると、きだウィザードとしては、その極端な部分、場面転換と共に裏表の大きな逆転がある事にこそウェイトがあったのかもしれないな、とは思うところです。
 >香村ウィザード完結編として冬映画の『約束の場所』
お薦めありがとうございます。流れとしては今凄く見てみたいので、見やすい方法を探してみたいと思います。