『オーレン』まとめ叩き台
記憶が鮮やかな内に、ちょっとメモ的なものを。
今作、展開や作風の変遷を大まかに分けると、
●第1部 襲来バラノイア! (第1-18話)
●第2部 次から次への超兵器 (第19-34話)
●第3部 夢と希望のガンマジン (第35-48話)
といった感じかな、と思っておりまして……
もう少し分けると、
●第1部 襲来バラノイア!(第1-18話)
戦いが始まり、オーレンジャーロボがバラノイアの巨大戦力を撃破するまでの、 第1章(1-8)
バラノイアが地球侵攻作戦の立て直しを図り、ジニアス黒田が大暴れするまでの、第2章(9-18)
●第2部 次から次への超兵器(第19-34話)
コミカル要素を増量しながら、スーパー合体の投入される、第3章(19-25)
キングレンジャー登場からバッカスフンド退場までの、第4章(26-34)
●第3部 夢と希望のガンマジン (第35-48話)
ボンバー・ザ・グレートが襲来し、カイザーブルドントが王権を取り戻すまでの、第5章(35-41)
新生バラノイアとの最終決戦となる、第6章(42-48)
……とすると、なんとなく綺麗に、3部6章。
個人的に好きなのが第1部に該当する部分ですが、特に10話台は、作品の方向性も定まってきて単発の秀逸回もあり、今作で一番安定して面白かった時期だと思うのですが……あまり立ち上がりのウケが良くなかったのか、ジニアス黒田前後編を派手な打ち上げ花火として、作風が変化。
レッドパンチャーの登場後、剣玉ロボやエアロビを皮切りにコミカル要素が大幅増量されると、それまで構築してきた世界観そのものを揺るがしかねないような演出(ビッグバン掃除機、など)も加わり、ハードな軍人戦隊路線は解体されていく事に。
キングレンジャー登場編はガラッと変わって終始シリアスだったのですが、そのまま初期の作風に戻るのかと思えばそうはならず、投入した因縁を一切消化しないままバッカスフンドを退場させてしまったのが、物語としては致命傷。
コミカル分の増量などは好き好きの出る部分ではありますが、追加戦士を物語に落とし込む為に持ち込んだ要素を放棄し、後半の主戦力となる新型ロボ登場に合わせた戦隊のアップグレードも、約3クール分の物語の集約として不発に終わり、作品中盤、追加ギミック(レッドパンチャー → バスターオーレンジャーロボ → オーレバズーカ → キングレンジャー → キングピラミッダー → ブロッカーロボ → オーブロッカー)の消化に追われて、物語の背骨となる部分を固めるどころか溶かしてしまったのが、帰還不能ポイントだったかなと。
この状況で3クール目後半~最終クールに入っても立て直し様がなく、そこに更なるヒーロー性上書き存在が池の底から時空を越えて現れてフィニッシュ。
最終回感想では、「超力の掘り下げ」と「悪の構築」の失敗が響いたと書きましたが、そこにメタ的な観点を加えると「早くも形骸化してしまった追加戦士作劇の行き詰まり」と「大量の商品投入」の二点に対して、それらを物語に落とし込む方法論を作り出せなかった作品、といえそうに思います。
この2点に関しては00年代以降の作品でも、巧くいかないときはいかないので、シリーズの宿痾みたいなものとはいえますが。
簡易構成分析はまた別項を予定。