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それは幻ではない

仮面ライダーX』感想・第23話

◆第23話「キングダーク! 悪魔の発明!!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:伊上勝
 「例の研究はどうなっている……?」
 主観視点で洞窟を進んでいくと、その奥に禍々しい鋼鉄の巨人が瞳を閉じて眠っている偉容は、改めて純粋なインパクトに加えて、非常に魅力的な画。
 真紅の瞳を開くキングダークは、地上のあらゆる物質をエネルギーに変換するRS装置の開発を進めさせており、その完成の時こそ、全ての破壊そのものをエネルギーに変換して動き続ける、悪魔の巨人キングダークが真の力を発揮するのであった!
 「キングダークが暴れる日、その日こそ、世界が滅ぶ日だ……」
 そう、ゴッド機関は、勢い余って、ちょっと目的が変わっていた!!
 世界的な研究者である南原博士は、ゴッドの元でRS装置の開発を進めており……なにぶん『X』日本なので自発的に協力していたらどうしようかと思いましたが、娘を人質に取られていてホッとしたような残念なような……。
 実は既に設計図を完成させていた博士だが、研究をゴッドに渡してはならないとああだこうだと引き延ばしを図っており……これが某基地破壊ファザーなら設計図の中に巧妙に、“キングダークが30歩歩いたら自爆する機構”を忍び込ませていた事でしょう。
 助手との会話から、設計図が完成している事がキングダークの知るところになると、盗みに関しては天下の名人・ガマ五右衛門が設計図の入手の為に送り出され、狙われる博士の娘…………て、いや、博士は監禁状態なのだから、設計図をアジトの外に持ち出しようが無いのでは。
 今回は、この発端が最大の穴となって、以後、ガマ五右衛門が延々と迷走を続ける事に。
 博士の娘はゴッドの厳重な監視下に置かれており、小学生の少女に与えられた環境のストレスとしてはかなり悲惨。たまたま少女と行き会った敬介はその様子に不審を抱くと高笑いと共に部屋の中に現れ、ヒーローとしては待ってましたの登場ですが、窓か、窓から不法侵入したのか?!
 「やはりキングダークの悪人軍団か。その嬢ちゃんを渡せ!」
 監視役のゴッド黒服軍団を蹴散らしてガマ五右衛門とエンカウントすると、敵方の呼称が敬介から飛び出し、命名:神敬介……?
 「神敬介、ガマゴエモンに勝てるつもりか」
 「勝ってみせるとも」
 ガマ五右衛門が指先から炎を放つと、敬介は少女の前でセットアップ。オイルボディで打撃無効となったガマ五右衛門はXライダーに投げを繰り出すが、それを利用したXは、少女を押し込んだ車の側にすたっと着地すると少女を抱えてクルーザーで逃走に成功し、いきなり駄目すぎるぞガマ五右衛門。
 自らの失態で南原娘の拉致に失敗したガマ五右衛門は、南原博士を人質にしたメッセージを喫茶店に送りつける一方、南原の助手を炎であぶって博士の口を割らせようとし、どう考えてもこれが最初から最善手だったのですが、人質と人質が人質を呼ぶ展開。
 人の命には替えられない……と懐に手を差し込んだ南原は、設計図、ではなくビーカー状の謎の破壊兵器を取り出し、指先一つで消し飛ぶアジトのコンピュータ。
 「見たかね。実験用に密かに作った、ミニモデルのRS装置の威力を!」
 科学者の業が剥き出しの南原博士は思わず勝ち誇り、助手が身を挺している内にアジトから脱出に成功すると、9枚に引き裂いた設計図をそれぞれ封書に収めて8人の仲間の元へ災厄を送りつけ、扱う者次第で“悪魔の武器”にも“天使の贈り物”にもなると繰り返し強調され、人類を滅ぼしもすれば救いもする、進んだ科学技術のメタファーとしてRS装置が意味づけられ……そして原子力! いつの世も危険との隣り合わせだった! だがこれからは違う! なんの恐れも無い夜を、我々は手に入れたのだ。それは、幻ではない……!
 ……いつものGR発作です。
 アジトへとカチコミをしかけた敬介とすれ違いとなった南原博士は、自宅でガマ五右衛門の襲撃を受けるがXライダーに助けられ、Xは再びガマ五右衛門と激突。木遁の術を用いてXを惑わすガマ五右衛門は特に説明もなくあっさり見破られ、ここまで屈指のゴッド駄目怪人。
 ぬるぬるボディからの火炎放射に対し、ライドル風車火炎返しが用いられると、自らの炎と油で火だるまとなったガマ五右衛門はトドメのXキックで敢えなく爆死し、悪人軍団の二番手にして、だいぶ軍団の株を下げてくれました(笑)
 Xライダーに助けられ、無事に喫茶店で娘と再会を果たしたのも束の間、南原博士はゴッドの刺客サソリジェロニモのトマホークを背に受けて致命傷を負い、敬介に9枚の設計図を託すと絶命し、娘さんに物凄いトラウマ案件。
 敬介は遺された南原娘に設計図を守る事を誓い、バラバラになった秘伝の書もとい設計図を求めて敵味方の争奪戦となる忍法帖メソッドが組み込まれる新展開で、つづく。
 次回――「設計図を持ってハイキングに出かけた少年」のフレーズが強烈すぎます(笑)