『仮面ライダーX』感想・第20話
◆第20話「お化け!? 謎の蛇人間あらわる!!」◆ (監督:折田至 脚本:島田真之)
島田真之が前作『V3』第22話以来の《ライダー》参加となり、今回も墓地と蛇を組み合わせた映像でおどろおどろしくスタート。
サソリやイグアナを愛で、ワニやオオトカゲに自ら餌を与える怪人サラマンドラ@動物好きは、爬虫類屋敷にアジトを構えながら蛇人間計画を進めており、蛇人間にされた者が毒の牙により蛇人間を増やしていく事で、日本は瞬く間に蛇人間だらけになる……予定だ!
密かに計画を進めていたサラマンドラだが、人体実験の被害者を藤兵衛に目撃された事で、三ヶ月ほど前から連続している蒸発事件と、幽霊騒ぎが頻発している霊園が結びつけられ、その調査に向かう敬介。
一方、幽霊騒ぎの正体を確かめに霊園に突入したカメラマンと木刀男の2人組がゴッドと遭遇し、囚われたカメラマンは蛇人間にされ、木刀男は恐怖で精神の平衡を失い……「怪人に毒牙を受ける男」「蛇だらけの墓地」「爬虫類屋敷の恐怖」といったスリラー映像が最優先で進行し、人を遠ざけていた割に自分から存在をアピールしてくるサラマンドラなど、話の筋はかなり蛇行。
兄を心配してやってきたカメラマン弟に対して、「Xライダーの友達」を名乗った敬介はゴッドの襲撃を受けるとセットアップ!
鏡獅子風味というか、もじゃもじゃの毛が多くてどちらかといえば猿人系なデザインのサラマンドラは石化の術などを操るが、鏡を見ると急に苦しみだし……多分、前世はメデューサ。
反撃に出るXだったが、助っ人アポロガイストの奇襲を受けて崖から派手に転落し、一度、いらぬ美学を発揮して逃げられた事を反省したのか、執着しているのは勝利であって、手段は比較的問わないスタイルです。
「俺はXライダーさえ殺せばいいのだ!」
「なにぃ?!」
「まあ怒るな。俺の目的はただ一つ。Xライダーを倒す事! Xライダーの死体を探してこい!」
攻撃に巻き込まれ怒り心頭のサラマンドラをなだめたかと思ったら、なんの弁解にもなってない自己主張を渋い声で繰り返すと流れるように小間使いを命じ、横・暴。
Xの敗北を目撃した少年は自力で兄を助け出そうとして爬虫類屋敷に入り込み……何故この世界の人々は先程から、仏塔みたいな建造物を見て、そこに人が住んでいると思うのでしょうか(笑)
サラマン老婆によって屋敷に閉じ込められた少年は、館の中を彷徨って色々な生物におののくが、リクガメは別に怖くないので新聞紙をかぶせ、それが外れると「なーんだ亀だ」は、妙にリアルで変な面白さがありました(笑)
恐怖を乗り越え、遂に地下牢で蛇人間とされた兄を発見した少年が蛇人間にされそうになった時、追跡部隊を逆に尋問してアジトの場所を聞き出したXが駆けつけて少年を救出。
Xと少年を追う蛇人間だが、池の水面に映った自らの姿を目にして苦しむと行動不能に陥る致命的欠陥を見せ、仮に蛇人間を順調に増やしても、この計画は上手く行かなかったと思います総司令!
少年の安全を確保するとライドルスティックを手に反撃に転じたXは、特に人間に興味の無さそうなオオトカゲを抱えながら噛みつかれそうになっている気持ちでジタバタしたり、蛇に絡まれている気持ちでグルグル回ったり、中の人が大変そう。
そして、墓地の斜面を転がり落ちてくるサラマンドラ怪球!
と、ハラハラする映像が続き、序盤から相性の悪いパワー系だったサラマンドラに押されるXだが、弱点の鏡へと誘導して苦しんだところにXキックを叩き込み、怪人は消滅。
蛇人間にされた人々は無事に戻り、兄弟は無事に再会し、ナレーションで「蛇人間たちも無事人間の姿に戻った」と語られるが、木刀の人だけ再起不能な気はしないでもなく、巨大なゴッド機関とXライダーの戦いはつづく!
次回――ジャージ敬介vs再生怪人軍団で、今度こそアポロガイスト室長最後の戦い?!