東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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続・湯治の勧め

仮面ライダーX』感想・第19話

◆第19話「ゆうれい館で死人がよぶ!!」◆ (監督:折田至 脚本:鈴木生朗)
 激しい雷雨×雨に打たれるカップル×荒れ果てた不気味な洋館の3点セットで始まり、タイトルから「怖い!」は消えたものの、直球ど真ん中のホラー路線。
 「ようこそおいでなすった……儂はこの館の、主……幽霊怪人オカルトス!」
 怪しげな男が不気味な怪人に変貌して杖の一撃で男を打ち殺し、続けて女を絞め殺したところで壁にかかった絵から響く総司令ミッション。
 「ゴッド幽霊作戦の目的は、あちこちに幽霊を出して市民に恐怖を与え、混乱を起こさせるにある」
 ミッションの伝達終了と共に壁から絵が落ちると、裏に仕掛けられていたテープが爆発する演出は格好いいのですが、ゴッド総司令もそろそろ、サタンエゴス様と一緒に一ヶ月ほど湯治場で静養した方がいいのかもしれません。
 雷雨が通り過ぎると共に洋館も消え失せ、翌朝――残された男女の白骨死体だけを発見する神敬介。
 行方不明になったカップルを探していた立花軍団だが、たちこめる霧で視界を失うと、敬介とはぐれた藤兵衛・マコ・チコは問題の洋館を発見。中に入ると、青ざめた顔のカップルが現れて自分たちの死を告げると姿を消す如何にもお化け屋敷な展開で、脈絡がどうとか怪人がどうとか以上に、直球のホラー描写で子供たちを怖がらせようとする、熱い割り切りを感じます(笑)
 だがしかし、オカルト怪人が現れて3人に襲いかかると、普通に怪人と取っ組み合う藤兵衛の存在により、ホラー感が消滅(笑)
 駆けつけた敬介は、工作員が出たり消えたりするホラーハウスのフィールド効果に困惑しつつオカルトスと激突し、人間体の時に“怪しい洋館の主人”風としてチョイスされたと思われる、ぼろきれのようなローブを怪人の姿になっても身につけたままな為、麻袋を被っているように見えるのが大変困ります。
 額にドクロのシンボルを付けた顔はだいぶグロテスクなのですが、トータルでは迫力皆無……後、ローブの下はただの黒タイツだったりするのか、ちょっと気になります(笑)
 そしてバトル中、さして効果的とも思えないスローモーションがしばらく入る時は、だいたい尺稼ぎ。
 一般人男性は叩き殺せるが、藤兵衛は気絶させる事もできない、なけなしの武装(多分、攻撃力+3ぐらい)を敬介に奪い取られるオカルトスだが、起死回生のゴッド忍法オカルト金縛りビームの術(最初見た時、全く意味がわからなかったのですが、感想を書いている内に、あ、オカルトだけに……と気付きました(笑))により、形勢逆転。
 「貴様の相手をしている暇はない!」
 あ……逃げた。
 オカルトスが姿を消すと共に洋館も消失し、優雅に酒をかっくらいながら秘密警察カメラで怪人の仕事ぶりをチェックしていた室長によると、幽霊屋敷はオカルトスが超能力で映写した三次元の立体映画との事で……いつの間にか超能力が実用化されているのですが、まあ『X』日本なので、超能力を研究していて実用の場を求めているマッドサイエンティストは一人や二人とは思えません。
 オカルトスの働きぶりに高評価を与えた室長は、最後のおいしい所だけ持って行ってやる、と凄く駄目人間な事を言い出し、このままアルコールの魔力に負けてしまうのか?!
 強化改造からこっち働きづめですし、室長にも湯治場での静養が必要なのかもしれません。
 オカルトスは続々と幽霊の姿を見せて東京中に混乱を巻き起こし、注目は、幽霊からは逃げ出すが、突如現れた不審者(オカルトス)には立ち向かうガードマン。
 「許して下さい……俺はあんたを助ける事が出来なかった」
 しかしガードマンはオカルトスに惨殺され、一足遅れだった敬介の台詞は、良い目配り。
 藤兵衛一行は殺害されたガードマンの葬儀に参席するが、オカルト住職の力により棺の蓋が開いて死体が動き出し、ホラー展開の為のショック要素が主体ではありますが、人の命を玩具にして死後にまで尊厳を奪うゴッドの邪悪さがこれ以上なく示される事に。
 「今日こそ、貴様を食い殺してやる」
 何故か宿敵に指命を受けた藤兵衛が逃げ出すと、恐らくは待ち伏せをしていたのだと思われる敬介が現れてセットアップ!
 工作員がわらわら現れてはゴッドスピアを振るい、Xは空中でライドルスティックへと変形! から殴ると見せけてキィッック!!
 により今日もゴッドくったり工作員が次々と宙を舞い、ポールダンス回転キックで首ももげよと飛んでいくと、残るオカルトスと一騎打ち。途中、超能力の打破方法に頭を悩ませていた敬介ですが、オカルト金縛りビームが放たれると、スティックを縦に構えたライドルバリアーでさっくり跳ね返し、父よあなたは凄かった。
 自らが金縛りにかかったオカルトスは、Xキックを浴びて派手に崖から転がり落ちると泡を吹いて消滅し、そこへ遅れてやってくる室長。
 「……しまった! 遅かったか」
 ……室長、室長ーーー?!
 果たして、ゴッドの再生強化手術に不備は無いのか、或いは全てはアルコールのせいなのか、毎回戦わせては消化不良気味に勝敗付かずとするのも盛り上がりを欠くのですが、アポロガイストは初期の“あまりヒーローに執着していない頃”の方が使い勝手が良かったし立ち回りも面白く動かせていた、とは思ってしまうところです。
 因縁の構築は大事でありますが、それを敢えて外す事で活きるキャラも居るのだな、と(敬介が、ライバル関係に対して物凄くクールな反応ですし……)。
 次回――まだまだ続くホラーシリーズ。