本日は『X』感想を書きました。
晴れた空と曇り空
◆スーファさん
>明確に何十人と殺している描写も平成ライダーでは珍しいですし。
これは相当、思い切りましたよね……殺人の示唆としても割とハッキリした映像になっていましたし。
>敵幹部と分かり合えない回はミサとユウゴで既に2度やった上で「3度目でパターンを変えたな」ということで、あの回も良い前振りでした。
ファントムはわかり合えない人外の存在である事を徹底してきた今作、ここで、わかり合えないファントムかと思ったら……のひねり方は面白かったですね。怪人の設定を使い尽くす事には、実にこだわりが見えるなと。
>ソラの所業があまりにもエグ過ぎて人の心とかファントムの心とかどうでもいい所まで飛んでいってしまったせいかなと思いますし。
それだけにここで、その表現によって「何を語るのか」において、私が重視してほしいところとはちょっとズレた、というのは惜しく感じたところでありました。おっしゃるようなカテゴリを越えた悪、を示すところにこそ意図があったのかもですが。
>誰かに捨てられたトラウマを塗り潰すためだけに殺人を繰り返すというのは、彼が元は人間であった何よりの証とも言えますね。
これがまさに「人の心/怪物」の同居性になっているのも、面白い見せ方になりましたね。
>あと、既に見ているとは思いますが、次回以降OPでソラのクレジットがちょっと変わるのは好きな点です。
おお、言われて気付きましたが、「ソラ」と「グレムリン」と、主体が入れ替わっているのですね。これは巧い。
◆Nさん
>舞原監督ですが、氏のXアカウントで、ソラの裏設定(?)らしきものが明かされております。
ご紹介ありがとうございます。……おお、「恋人」だとちょっと直線的に過ぎるかなとは思っていたのですが、こういうニュアンスで撮っていたのですね。
>絶望しきったソラと希望を信じた晴人という分岐点によって彼らの陰陽を、回を跨いで対比する意図があったのかなと。
あ、成る程。私、晴人とソラをそこまで対比する存在して見ていなかったのですが、他者の喪失に対する反応の差異により、最終クールを前にもう一度、「仮面ライダー」と「ファントム」誕生の瞬間をリプレイ&対比として強調した、と捉えるのは大変納得です。
>「人の心」と晴人がどう向き合うかという葛藤へと踏み込ま(め?)ず、ひとまずの目標を達成してしまったのではないかと想像します。
好みとしては晴人がそんな「人の邪悪」をどう受け止めるのか、というところにウェイトを置いてほしいのが強かったのですが、ネガポジとしての両者の対比をこそ重要視した展開だった、という部分は確かに大きそうですね。
◆Gimmickさん
>ネットでよく37話のオチが酷いと耳にすることはあったのですが、これはオチだけでなく話の筋そのものが良くないですねー。
ゲートに関するとアイデアと、ドタバタコメディ要素だけが先行してしまって、そもそも、どうすればちゃんと着地できるのか、の筋道が立ってない感じでしたよね……。瞬平と凛子をメインに据えるならこそ、もっと丁寧にやってほしかったですし。
>セリフのせいで晴人と仁藤が急に知能指数が低下した感じになって残念です。
香村さんはこういうところでサブのハードルを上げがちな人ですが、この台詞は致命傷になりましたよね。
>一般警察相手に、このイレギュラーな化け物が全部やりました、で事件解決にはならないような気がします。
>全部揉み消さないといけない木崎さんの心労が...
途中から、「ファントムを倒せば全部解決」どころか、「ファントムを認識させれば全部解決」みたいな、おかしなところにスライドしてしまってますよね……恐らく、コーヒー吹きだし飛距離の新記録を達成したと思われる木崎さんのところで、後で菓子折を持って謝罪に向かう必要がありそうです(笑)
>石橋さんがブログで「オチには僕が一番驚きました」と書いていたので、ヒビ割れ演出は諸田監督の独断によるものだと思われます。
個人的に、この頃の諸田監督への信用度は大変低いので、あー……という感じですが、第4話からずっとローテ入っていてこれで良しとしてしまったのは、大変残念でしたね。