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ライドル! ライドル! ライドル!

仮面ライダーX』感想・第11話

◆第11話「不死身の水蛇怪人ヒュドラー!」◆ (監督:折田至 脚本:鈴木生朗)
 話の枕代わりに湖に近づく作業員を殺害した水蛇怪人ヒュドラーに、無駄な殺しとかしていないでちゃんと仕事しろ、と今日もいい声で小言を告げるアポロガイスト室長、さっそく怪人から「気に食わん奴だ」いただきました。
 そんなヒュドラーに総司令から東京の経済攪乱計画が命じられ、青いトカゲを放つと、それに触れた現金が次々と消滅。アジトに据え付けた箱の中に回収された現金が貯まっていくのを見て飛び跳ねて喜ぶ怪人は、なんだかちょっと、《スーパー戦隊》ノリ(笑)
 「街中から1円の金も無くなるなんて事は、ゴッドの仕業以外にないぞ」
 「恐らく奴らの狙いは、金より、それを奪う事によって起こる社会的混乱だと思います」
 運営資金を求めて強盗事件を起こす悪の組織もあるご時世、世界の大国がバックに付いている組織はさすがに違います!(※給料はドルかルーブルか選べます)
 敬介の読み通り、作戦の第二段階として中央銀行の現金輸送車が襲われ、それを阻止しようとした敬介はセットアップ。
 ライドルが唸りを上げて工作員を蹴散らすと、Xの飛び蹴りがヒュドラーの首をもぐが、なんとそれは、元通りに繋がってしまう!
 「驚いたかXライダー。水蛇ヒュドラーの首はいくら落としても繋がる。奴は不死身なのだ」
 社員のセールスポイントもちゃんと紹介してくれる室長は、Xが海に飛び込んで逃走するとヒュドラーに目撃者の存在を伝え、水蛇ヒュドラー、不用心。慎重さに欠け短慮な面多々あり。今季の査定はマイナス!
 一部始終を双眼鏡で目撃していた病院の少年に口封じの危機が迫るが、X参上。
 ヒュドラーを適当に叩きのめしていると、「ライダー! あれを見ろ!」と指さした場所には少年が人質に……なっているわけでもなんでもなく、ゴッド工作員がマシンガンの弾を撃ち込んでくるが、Xは金属質な効果音で全てを平然とはじき返し、無慈悲なほどに無意味。
 マシンガン部隊を蹴散らしたXは、コマンド入力に溜め時間が必要だったらしいヒュドラーの巨大スネークに絡みつかれると、身動き取れないまま地面を転がっているところに毒液を浴びせかけられるが、自家発電ライダーショックによりスネークを粉砕し、ピンチになり……そうで大してならない起伏に欠ける戦闘がダラダラと続きます。
 ライドル新形態・ロングポールが発動し、棒高跳びのポールのような形状で、棒の先にひっかけて工作員を次々と投げ飛ばすと、再びヒュドラーに炸裂するXキックだが、
 「水蛇ヒュドラーは不死身だ!」
 …………はもしかしてこれ、一種のセルフパロディーになっているのでしょうか(笑)
 不死身は不死身だが再生にMPは消耗するらしいヒュドラーを追ったXは、湖底に作られたアジトに突入して大量の現金を発見し、この返却に政府が頭を悩ませて一定の混乱は起こりそうなので、ヒュドラーくん、+5点!
 現金の詰まった麻袋を盾に使ってみる怪人だが人質としては機能せず、揃って池から飛び出したところで主題歌が流れだし、スポンサーサイドからライドル活躍キャンペーンのオーダーでもあったのかもしれませんが、これといったアクシデントもサスペンスも無いまま延々と戦っているだけなので話の印象が平板になり、確かにライドルの登場時間は長いけれど活躍にメリハリが無い、という悪い手本みたいなエピソードに。
 ライドルスティックの先端を握って、くるっと持ち替えるアクションが繰り返し強調され、再び巨大スネークを巻き付けられたXは今度は腕力でもぎ離すと、百穴を出たり入ったりする露骨な尺稼ぎで、今回脚本の鈴木さんも、路線修正と長坂さん降板の余波で急に依頼されたとかあったのかもしれません。
 トドメは、二段じゃ無いけどいつもより力強いXキックが炸裂すると、これといった対策はしていないのに不死身の筈のヒュドラーはさっくり爆死し(多分、MPが切れた)、最後まで、雑。
 「ふ……役に立たん奴だ」
 戦いの結末を見届けた室長は、総司令に報告するとバイクで走り去っていき、次回――今話題のスプーンを曲げる念力少年も特別出演するよ!