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緊・急・逮・捕

仮面ライダーウィザード』感想・第26話

◆第26話「学園潜入」◆ (監督:諸田敏 脚本:きだつよし)
 ミサの持つゲート探知能力が初めて映像化され、発見される新たなゲート。
 「やだなぁ、その言い方。僕は僕なりに考えてるだけなのに。……なんで再びサバトを開かなきゃなんないの? とか」
 「ワイズマンの意思は絶対よ」
 ユウゴ退場とソラの加入により、ワイズマンに絶対の忠誠を誓うミサと、本当か嘘かワイズマンの思惑を探ろうとするソラ、株式会社ワイズマン上層部の関係性が変化しながら、物語の奥へと近づいていくのは、手堅い構成。
 そのミサに瓜二つの女子高生を見かけた仁藤は、騙された恨み、と追いかけるも見失ってしまうと、通学途中の女子高生に次々と声をかける住所不定無職の不審者と化し、ニュースになると福井のお祖母ちゃんからファントムが生まれそうで心配です。
 女子学生を襲うメデューサを目撃してビースト変身すると、ドルフィン流星拳でダメージを与えるが、追撃は出目が1のファルコン紙飛行機となってメデューサにぺしっと踏みつぶされると、逆に蛇のオーラの反撃を受け、敗北。
 メデューサはゲートを追って姿を消し、しつこく追いかける仁藤は、再びミサそっくりの女子高生と出会うと、
 「今度こそおまえを喰う!」
 と公道の真ん中で宣言し、完全に、変質者だった。
 戸惑う女子高生を突き倒した仁藤は通りすがり或いは不審者の目撃情報で駆けつけた警察官に制止を受けるとこれも突き飛ばして、見事に、逮・捕。
 「仁藤? 何やってんだあのマヨネーズ」
 言い訳の聞かない場面を目撃した晴人と瞬平もまたミサ?の姿を目にしてその追跡を優先し、警察署では凛子が捕まった仁藤と遭遇する。
 「……どうかしたんですか?」
 「女子高生に襲いかかったところを、現行犯で!」
 ……うん、これは、心証的に真っ黒すぎてダメだな……。
 「だから違うんだって」
 「大門刑事の、知り合いですか?」
 「…………いいえ? ぜっんぜん知らない人です」
 ……うん、凛子さんにも社内の立場があるから、仕方ないですね……。
 魔法使いとファントムとの戦いで尊い犠牲が出ていた頃、こちらもこちらで油断すると社会的生命を絶たれそうな晴人と瞬平は、ミサそっくりの学生が通う学園を突き止めると、ドレスアップの魔法を使って、学・園・潜・入。
 ブレザー晴人さん(軽く着崩し)が異常に格好良くて困りますが、やたら気取ったポーズで回転する癖は、そのままでした。
 ミサ似の女子高生の名は、稲森真由。その友人たちがメデューサに襲われていた3人組であり、盗み聞きする晴人……の前に現れたのは、女子高生に化けて出てきた瞬平で、4文字サブタイトルは学園ライダーだった前作『フォーゼ』オマージュぽいのですが、変装で潜入×女装×女幹部コスプレ回の3点セットは完全に、《スーパー戦隊》の文法(笑)
 「どう見ても完璧な変装、じゃないですか?」
 「どっからその自信が来るんだよ!」
 瞬平の女装に憤っている内に肝心の学生たちを見失うやらかしをすると、瞬平がスカートをなびかせながら一人で捜索に向かい、次なる逮捕者誕生の時は、近い。
 ……後まあ、フィクションとしてツッコむところではないのですが、ブレザー晴人さんがちょっと異常にキラキラしすぎて一般人とは思えないレベルになっており、これでこっそり様子を窺うのは無理ではというか30分ぐらい後には女子学生に囲まれてそれを見ていたコヨミちゃんが握力で水晶玉を割りそう。
 ……でもよくよく見ると手形ベルトが丸出しなので、あれは……ちょっと……となっているのかもしれません!
 「また盗み見……?」
 「その言い方は酷いなぁ。僕はいつでも手伝えるように、スタンバってるだけなのに」
 ソラは、「城茂、ちょいとおまえを利用したまでの事よ。シャドウは負けたのではない」みたいな事を言い出し、ミサは自らゲートの絶望ミッション達成にこだわり、晴人がイケメン力を用いて真由の情報を集める一方、仁藤の弁解を聞いた凛子は、失踪者リストの中に、「稲森美紗」の名前を発見。
 学園では、いい加減面倒になってきた晴人が真由にダイレクトアタックを仕掛け、ユウゴや映画監督の例もあるので焦る気持ちはわかるものの、証拠不十分なまま一方的に責め立てるぐらいならばコヨミを連れてくれば一発解決なのですが、そのコヨミちゃんが不自然なほど出てこないのが、露骨な話の都合になってしまって残念。
 脚本ないし撮影段階ではあった理由付けがカットされた可能性もありそうですが、晴人が真由を詰問している間に本物メデューサが出現すると真由の友達@メガネを狙い、本人自らの絶望ミッションは、割と雑だった(笑)
 そしてメデューサと真由が同じ場所に立つと、真由の姿を見たメデューサは、自ら素体の姿へと変身。
 「嘘、でしょ……お姉ちゃんなの?!」
 嘘、でしょ……ミサの素体は16歳設定なの?!
 化粧や衣装などでもだいぶ変わりますが、もう少し上の設定だとばかり思っていました。
 「これは面白い……」
 「どういう事……?」
 「ごめん。君の事、勘違いしてたみたいだ」
 ミサ/美紗と真由は双子の姉妹だと判明して仁藤は釈放され、ウィザードはメデューサと激突すると、グール軍団を前にフレイムドラゴン。
 「一気に片付けるか!」
 諸事情によりグールを相手に増殖タイムが始まり、さらっと使えば使うほど、先日のフェニックス戦が気になってしまうのが難ですが、増殖ウィザードそれぞれの出現時の工夫は、今作らしい面白さ。
 釈放されたビーストもグールを食べに乱入すると、魔法使いに囲まれるメデューサ、事態の推移に忍び笑いを浮かべるピーピングソラで、つづく。
 ファントムとは何か? について丁寧に段取りを踏んで描いている今作ですが、2クール目も終わりになって、ミサ/メデューサがゲート探知能力を持つ事が明らかになると(蛇のピット器官からでしょうか?)、双子の妹設定で女優さんに普段と違う服装&演技をさせつつ、その前身を掘り下げ。
 宇都宮P作品の作劇パターンだと、ゲート探知能力=巨大化担当、という事になるのかどうか……次回――一番胡散臭いのは、そこの白い人。