『仮面ライダーV3』感想・第37話
◆第37話「怪しの寺 ムササビ族の呪い!」◆ (監督:折田至 脚本:滝沢真里)
見所は、鐘の中からデストロン。
そして、凄い勢いで落とし穴に呑み込まれるシゲルくんと、燃えるドラム缶に迫られる風見志郎。
田舎の従姉妹の家に遊びに行ったシゲルだが、のどかな山村のほど近くに広がる通称ムササビの森ではデストロンの陰謀が密かに進行しており、大体コウモリに見える怪人・コダマムササビの毒液を浴びた人間は、何故かムササビの姿で死んでしまうのだ!
「素晴らしい、これでこそ全ての人間を苦しめ、滅ぼす事ができる。素晴らしい」
ツバサ大僧正は喜びのあまりくるくる回り、マスクの形状の関係で、正面から見ると、鼻のアピールが凄い。
率直なところ、呪術 → 呪術と繋げてしまった為に、デストロンとしての統一感はある一方、新幹部としてのインパクトには欠けており、3人目の大幹部としては、掴みでもっと、忘れがたい大技は欲しかったところです。
ツバサ一族は、ムササビ毒を火山性ガスに見せかけてばらまく事を計画しており、
「街は壊れ、人間どもは一人残らず、ムササビの死骸となる」
そこ必要なの……?!
「木を倒され、住み処を奪われたムササビ族の、長年の恨みをはらしてやる」
木霊ムササビは奇声をあげ、キバ一族の時点でだいぶ雲行きが怪しくなっていましたが、もうこれは完全に、妖怪なのでは。
作戦決行のその日まで森の秘密を守る為、木霊ムササビは村人を次々とムササビ呪殺していき、溶け去ったり骨になったりするよりホラーかといえばそんな事もなく、ただのムササビの死骸として処理されるので不気味さも弱く、いまいち謎のこだわり(笑)
シゲルから連絡を受けた志郎が森へ近づくと、お互いに足を滑らせて斜面を転がり落ちそうになったり、V3の足が天狗の下駄に貼り付くが特に意味は無かったりと、いまいち冴えないバトルを挟んで、シゲル・従姉妹・住職が人質に。
なおサブタイトルには「怪しの寺」とされていますが、住職はごくごく常識的な一般人で、とんだサブタイトル被害です。
地下の爆薬の設置を終えたKムササビは、人質を利用してV3に起爆スイッチを押させる事により、社会的・精神的な致命傷を与えようと画策するが、V3イヤーで異変を察知したV3がV3ドリルで地下に潜ると仕掛けを見破り、策士策に溺れて作戦は水泡に帰す事に。
KムササビはV3トリプルパンチを受けて弾け飛び、パンチの三発目に鐘を撞く効果音が入るところだけ妙に洒落ていましたが、総じて、『V3』標準で見ても出来はいまいち。
爆死したKムササビの白骨死体がなにやら意味ありげに描かれ、シゲルを後ろに乗せてバイクを走らせる志郎の姿で、つづく。