東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

『スマイルプリキュア!』スイッチオン!

スマイルプリキュア!』感想15・メルヘン回路と殺意のデコル

●第33話「映画村で時代劇でござる!?の巻!」
 「おやめなさい! ここは映画を愛する人々の都。時代劇映画村です!」
 れいかはやはり、時代劇属性。
 予告からてっきり、何かのトラブルでポップが人間になって一騒動……かと思ったら、ポップは自由意志で割と人間そっくり(耳と尻尾は残る)に化けられるとわかり…………違う! そうじゃない! そうじゃないんだ!
 個人的な性癖はさておき、時代劇映画村で映画撮影の見学をしていたみゆき達は、成り行きから映画に出演する事となり、フィーリングで行動する出鱈目な監督に周囲が振り回されるハチャメチャ映画制作コメディとしては、単純に笑えて面白かったです。
 殊勲賞は、一人だけ妖怪の扮装をする事になった日野あかねさん。
 サムライに憧れるポップが好き放題に暴れ回ってドタバタギャグに終始するのかと思いきや、
 「皆の衆! この赤鬼は、映画をバッドエンドに変えようとする悪者でござる。今こそ、人間と妖怪が手を取り合い、立ち上がる時でござる!」
 「「「おーーー!」」」
 と、なんかまとまったのは、凄かった(笑)
 大暴れする青鬼様に憧れて映画村を訪れるも、全ては作り事だと夢を粉々に打ち砕かれた赤鬼はハイパーキャメラアカンベェが作り出し、内部に乗り込むカットが変な格好良さ。
 「力がみなぎるオニぃぃ!」
 いつもより3割増しで人相の悪くなった赤鬼がコントロールするキャメラアカンベェの、フレームに入った被写体を自在に操作する能力に苦戦するプリキュアだが、ポップの助太刀……は時間稼ぎ程度だったものの、遂にデコルでダイレクトアタックをしたキャンディの、子象シャワーが精密機器の感電を引き起こす、まさかのクリティカルヒット
 「映画は沢山の人の思いが詰まってるの。私たちが絶対に――」
 「「「「「守ってみせる!」」」」」
 脱力系ギャグの合間に、やたら映画への愛と賛歌が盛り込まれるのですが、このエピソードそのものが、今作の劇場版合わせだったりしたのでしょうか。
 反撃に出たプリキュアがペガサスそしてバーニングするとクロックの目盛りが1進み、これが12になった時、イデが発動するのか。
 ロイヤルクイーン様がそれらしい事を言っていましたが、特に、プリキュアとキャンディが成長してゲージが1溜まった……という感じでは無く、割と不明瞭なまま進む時計の針は何を意味するのか……まあ単純に、マジックアイテムの使用制限回数かもですが。

●第34話「一致団結! 文化祭でミラクルファッションショー!!」
 登校日回はすぐにいつもの5人に焦点が絞られてしまったので久々にクラス全体に焦点が当たり、急激に描き分けが行われるクラスメイト達……いや、前から設定は存在していて微妙に描き分けられていたのかもしれませんが、プリキュア組に焦点が当たるのが早く、割とクラスメイトの登場回数が少ない今作、ここまでで一番印象に残っているのは、やよいお別れ会なので(笑)
 ……とはいえ今作、あまり小さく閉じた世界の感じがしないのは、パーティーメンバーの多さと、それぞれの家族との繋がりを描いている事、による効果ではありましょうか。
 文化祭でクラスの演し物が「ファッションショー」に決まるが、それに不満を持ったギター少年が意地になって孤立してしまい、れいかはこの世界での知力カードの効果が高すぎる為か、割とカリスマ性・統率力・トラブル解決力には劣る節があり、代わってみゆきが話の主導権を握れるのは、いいバランスになっています(みゆき-れいかの関係性は、徳の君主-軍師、だなと)。
 皆でウルトラハッピーになりたいみゆきが、反旗を翻すギター少年の説得にこだわる中、侠客みおの姐さんが「いつまでウダウダしとるんやワレぇ! いい加減腹くくれやぁ!」と実力行使に出て血の雨が降りそうになるも、辛くも回避。
 なんやかやあって、少年がバッドエンドされるとアンプ付きのギターアカンベェが誕生し、回避不能の音波攻撃から、ギターは、伝統の打撃武器ぃ!!
 プリキュア封じの策を練った魔女の作戦が絶妙にはまるが、ギターとアンプを繋ぐコードの存在に気付いたキャンディがチームナンバー2の知謀に踊り出ると、バナナデコルを使って今回もダイレクトな支援を行ってバーニングペガサスへと繋げ、どうやらロイヤルクロックの目盛りは、キャンディの戦士レベルの上昇を示す模様。
 つまり、成長=殺意。
 ロイヤルクイーン組長の陰謀により、スマイルプリキュアの戦いによって、何かとんでもないバケモノがこの世界に産み落とされようとしているのではないか、という疑念が浮かび上がる中、ギタ男くんはファッションショーのバックミュージシャンとして採用されて丸く収まり、挿入歌に乗せてファッションショーが描かれて、つづく。
 後半戦に一回、「ハッピーの場」として学校にも焦点を合わせてくれたのは良い目配りで、次回――予告が、だいぶ、おかしい。