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G線上のバラード

仮面ライダーV3』感想・第29話

◆第29話「ドクトル・ゲー 最後の挑戦!」◆ (監督:塚田正煕 脚本:伊上勝
 写真撮影により被害者の顔を盗む怪人・カメラモスキートが民家を襲い、暗闇の中、毛むくじゃらの体の上に乗った中年男性の顔が不気味な笑い声を響かせるのが、今作ここまでで最高にホラー。
 死人のように硬直した表情の男性の姿は、鏡にはカメラモスキートとして映り……これ、失敗作なのでは。
 「ドクトルゲー、実験は成功だ。見ているか?」
 なの?!
 「儂の全精力を懸けて改造を行ったおまえなら、これぐらいの事は当然のことだ」
 なの?!
 早くもレッドシグナルが唸りを上げて高速回転する中、前回の、余裕かまして乾杯している内に落盤×自爆のコンボで4幹部死亡、の失敗はさすがのデストロン首領も許してくれず、命を賭けた作戦に挑むゲーだがその時、アジト内部の機密ロッカーが爆破され、暗号書類が紛失……!
 首領が人事異動の手配を加速させる中、暗号を盗み出したのはインターポールのデストロンハンター4号であり、その同僚への秘密通信を……少年ライダー隊の諸君が傍受していた。
 約50年後の現在、今作をしっかりと最初から見て一番驚いた事は、ヒーローよりもサポート組織の方が狂っている事であり、V3、70年代ヒーローにしてはインパクト弱めに感じていたのですが、原因は、V3が多少狂った事をやっても、少年ライダー隊(と立花藤兵衛)がその上を越えてくるからなのかな、と(笑)
 ハンター5号と連絡を付ける事に成功したハンター4号だが、その足下で殺害した筈の戦闘員の目がぺかーっと光り輝くと、カメラモスキートの正体を現すのは面白い映像。
 「貴様が……カメラモスキート!」
 Cモスキートはハンター4号の顔を奪うと5号と合流し、スパイが更に偽物になってスパイと接触、という緊張感のあるシーンなのに、5号の人の演技がインターポールの捜査官というより、その辺りをブラブラしていた大学生みたいで、だいぶ台無し。
 今作ゲストにしては珍しく、OPクレジットに役名と役者名が並んで表記されている(純子&シゲルと同じページ)ので、当時売り出し中の若手とかだったのかもですが……今回のちょっと辛い&勿体ないポイントに。
 モスキートに襲われたハンター5号・佐久間が危うくなったその時、通信を怪しんでいた志郎が助けに入り、変身V3!
 戦闘員に袋だたきにされていた佐久間を辛うじて救い出したV3は、インターポールによる暗号解読の手筈について聞くと、秘密のアジトへ同行。
 ミニモスキート盗聴器でこれを知ったCモスキートだが、志郎の仕込みによって偽のアタッシュケースを掴まされ暗号の奪取に失敗すると、暗号解読の担当者・田所の顔を奪うがこれも田所娘によって看破されてしまう。
 ドクトル・ゲーが全精力を懸けて改造を行った(※個人の感想です)カメラモスキートは、ハンター4号を襲ったのをハイライトに良いところのないままV3キックを受けると暗号文書ごと自爆を図るが、宙に跳び上がったところに背後からV3ボディアタックを受けて爆死し、暗号文賞はV3とインターポールの手に渡るのであった。
 解読の都合により田所は生存しており、その解読作業を、謎カメラで見ているデストロン(多分、科学力ではなく、遠見の水晶玉みたいなジャンル)。
 「馬鹿者め! またも失敗したではないか。責任を取るなどとほざきおって!」
 「首領。見ていて下さい。今や言い逃れは致しません」
 「……」
 「首領! あのにっくきラーイダーV3を、どうか今一度この私に!」
 「……」
 ナレーション「首領にも無視され……」
 オブラート! もうちょっとオブラートをナレーションさーーーん!!
 これまで、悪の組織のトップとしては比較的温厚だったデストロン首領ですが、堪忍袋の緒が切れると存在を無視してくる、ぐさっと刺さる対応が判明し、いよいよ組織に椅子が無いドクトル・ゲーの明日はどっちだ?!
 そもそも今回、盗まれた暗号の対応に終始していて、命を懸けた作戦の「さ」の字も進んでいないぞ!