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不滅の少年ライダー隊魂

仮面ライダーV3』感想・第27話

◆第27話「生きかえったゾル・死神・地獄・ブラック」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝
 破れかぶれめいたサブタイトルから、OPクレジットに、ゾル大佐・死神博士地獄大使ブラック将軍、の名前がズラリと並ぶ……だけでは飽き足らず、ドクダリヤン・シオマネキング・ウニドクマ・ワナゲクワガタ・イモリゲス、と怪人&お馴染み怪人声優の名前も沢山並んで、大変賑やか。
 ハイキングと釣りといえばデストロン登場の合図ですが、湖で父親と釣りをしていた少年が入り込んだ洞窟の中には不気味な4つの棺が並び、その中に眠っていたのは既に倒された筈のショッカーの怪人。
 少年は父親に状況を説明すると発見を本部に連絡し、あからさまに危険が迫りそうな場所なのに「そこを動かないように」と指示が下されるのが実に少年ライダー隊ですが、少年ライダー隊は死ぬ。死ぬために我々は存在する。だが仮面ライダーは永遠である。つまり――貴様らも永遠である!
 お父さんはお父さんで棺の中身を確認すると、「よし、今の内に始末してやる」と、手近の巨石を持ち上げて、叩きつけたーーー!!
 一撃で駄目なら二撃! それで駄目なら三撃!
 棺の中の怪人にお父さんが石を叩き込み続ける一方、精進湖にバイクを走らせる志郎の前にはデストロンバイク部隊が立ちはだかり、久方ぶりのオフロードスタント。
 その間に、洞窟の中では4体の怪人が復活して父は反撃を受け、時間稼ぎを終えたデストロンは撤収。慌てて精進湖へ向かった志郎は少年と合流して洞窟の中に入るが、そこは既にもぬけの殻となっており、棺に隠された父親の死体(ではなかった、と後に判明)が倒れ込んでくるのが、軽くないトラウマシーン。
 意識不明の父をかついで外へ出た志郎は、嫌がらせに現れた戦闘員を叩きのめし、風見さんはホント、さらっと目潰しを入れます……目潰しといえば同期のイナズマンでありますが、この時期、東映(というか大野剣友会?)で、目つぶしが流行っていたのでしょうか。
 戦闘員を拷問して背後関係について口を割らせようとした志郎は、怪人ワナゲクワガタの輪投げ攻撃を受け、湖に落下……からのV3登場。
 「貴様ぁ、生きていたのか!」
 志郎は一応、少年の視線を気にして死んだフリから変身しているのですが、怪人はそんな事情には頓着してくれません(笑)
 ……この目撃回避が結果的に「死と再生」のモチーフを繰り返す事になっているのは、ちょっと面白いところではあり。
 次々と輪投げ攻撃を受けるV3だが、物事の基本は、腕力……! と、あっさりリングを破壊し、登場1分で特殊能力が無効化されたWクワガタの存在意義はどこだ。
 ここ数話は赤タイツが流行っていたデストロンですが、黄色タイツでドクロ顔のWクワガタが目くらましを放って逃走すると、「本部に連絡を取ってお父さんを病院に」と少年に指示を出したV3は後を追跡し、少年ライダー隊の一員たるもの、父親が意識不明程度の事で動揺していては務まらないのです。
 「これがデストロンの最大の敵、仮面ラーイダーV3。……ご感想はいかがかな? ゾル大佐、死神博士地獄大使ブラック将軍
 Wクワガタを追ったV3には、棺の中から甦ったショッカー怪人、シオマネキングとイモリゲス(多分)が襲いかかり、その戦いをモニターしていたのは、ドクトル・ゲー、そして、デストロンの再生技術によって蘇生した、ショッカー&ゲルショッカーの大幹部!
 「しかし、われわれ悪魔の大幹部5人が、力を合わせて、ライダーV3を倒せというほどのことはないぞ」
 「地獄大使の言う通りだ。ワシの誇りが許さん」
 「首領の考えを、お聞かせ願いたい」
 「ショッカー、ゲルショッカーの大幹部諸君、まあそう結論を急ぐものではない」
 顔色の悪い画面でさっそく揉め始める大幹部5だが、毎度ながらデストロン首領は、割と理性的(笑)
 オブジェと声だけなので派手なリアクションを見せる必要が無い事情もありますが、大幹部の失敗には鷹揚ですし、一般人科学者の脱走をぼちぼち許す程度には喫煙休憩を認めており、逃げ帰ってきた怪人をお仕置きビームで追い込むような事もなく、割と歴代悪の組織の首領の中でも「話せばわかる」雰囲気を醸し出します。
 「内輪もめはやめろ。大幹部全員集合してもらったのは、日本全滅作戦を開始するためだ」
 首領は、デストロン化学陣が新しく開発した(不安……)毒ガス・ギラードガンマーによる極めて大がかりな毒ガステロを計画しており、東京・北海道・九州・大阪地区・中国地方、それぞれの行動隊長として大幹部を配置する事で、作戦に万全を期そうとしていたのだった。
 「作戦行動開始の日は?」
 「東京全滅の日」
 「その日は?」
 「今日だ」
 のテンポが大変良く、「納期は?」「明日だ」みたいな内容を聞き流してしまいそうな勢い。
 首領の宣言通りに東京で毒ガス散布が開始されると呼吸困難による意識不明者が続出し、その混乱の中でWクワガタに襲われた志郎は変身モーション中にガス弾を受けて倒れるが、まんまとアジトに運び込まれると解毒剤をかっさらうパターン。
 「ふふふははははは、はははははは……ショッカーならびにゲルショッカーの大幹部諸君――私が風見志郎だ」
 ……今聞くとつい、「私がアイアンマンだ」を思い出してしまいますが、解毒剤をベルトに突っ込み、居並ぶ大幹部5を前にデストロン戦闘員の衣装で変身したV3は、再生怪人軍団とアジトの一室で立ち回り、敵が……多い……!