東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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かえってきたばくはつだ

『帰ってくれタローマン』感想

 パロディとしてのサブタイトルが絶妙な『タローマン』特別編でしたが、う、うーん……30分は、長かったでしょうか……(笑)
 冒頭から「絵描き歌」を否定し、宇宙猿人ゴリパロディを突っ込んでくるべらぼうなスタートダッシュを決めると、本編及び『ヒストリア』の視聴をある程度の前提として、とにかく全体の9割方、新発掘エピソードや劇場版を中心に当時の『タローマン』人気に基づいて制作されたと思われるミニ企画などが、なんの説明も無しに次々と爆発。
 (NHK教育の子供向け番組の形式を意識したといってもよさそうな)でたらめワンダーランドといった態で進行していくのですが、ナンセンス方面の笑いで休憩無し(※6秒だけあった)の約30分はどうしても段々とマヒしてくるので、小刻みに目先を変えるぐらいでは、一つ一つの笑いの爆発力を薄めてしまったようには思います。
 また、改めて私は、発掘映像後のトークコーナーまで入れての、メタフィクションとしての『タローマン』に面白みを感じていた部分が強く、架空昭和史としての要素を欠いた今回の方向性は、ちょっと残念でありました(『タローマン』の“面白さ”は、発掘映像という文脈があってこその認識)。
 特撮パートは特撮パートで好きですが、個人的に『タローマン』に欲しかったのは、番組としての緩急にもなる山口一郎さんや井浦新さんであり、もうこの際、2月に退局して現在フリーアナウンサーの、武田真一さんとか引っ張ってこれなかったものでしょうか(笑)
 ……そういう点で今回一番刺さったのは、
 「ちびっこのみんなも、べらぼうになろう。タローマン、応援してます」
 とカメラに向けて言わされる、川崎クリマーズ 長崎茂選手出演の、「ぼくたちタローマン応援団」コーナー(笑)
 あと、本編でありながら同時にメタ要素を持つ次回予告特集は、次回予告の持つ作品性にも意識があって、秀逸でした。
 最後の最後で山口一郎(サカナクション)さんが登場すると、割と凝ったMV風映像で、本業を活かして『タローマン』主題歌を熱唱するのは綺麗なオチとなり、かこ! げんざい! みらい!
 そんなわけで、個人的趣味とはちょっと勘所のズレた30分でしたが、私は、歴史の隙間に虚構をねじ込むアプローチが好きなのだな、と改めて。